ノロウイルス

昨日、嘔吐と下痢の30代の男性が来院されました。
ご他聞にもれず、当院でもノロウイルスが原因と思われる家族内集団発生のウイルス
性胃腸炎が大流行しています。
結構大人に多いのも今年の特徴のようです。
昨日、嘔吐と下痢の30代の男性が来院されました。
私は必ず、牡蠣(かき)を食べたかどうか訊くことにしています。
それは48時間前に食べた牡蠣で当たることがあるので、当人は忘れていることが多い
ことも理由の一つです。

私「牡蠣を最近食べたことはありませんか?」
I さん「実家が仙台で22日の土曜日に牡蠣を送ってもらったので当日は生で翌日は
牡蠣フライにして食べました。」
私「それが嘔吐・下痢の原因だったんですよ。」
I さん「毎年、実家ではあっちこっちの知り合いに送っているみたいです。」
私「以前、広島の知人から送ってもらった牡蠣で大当たりした家族が来院しました。
礼状をどう書こうかって悩んでましたけど。」
I さん「・・・・・・」

さて新聞やネットに出ていた最新ニュースの紹介です。

ノロウイルス流行中…感染の6割が5歳以下

ノロウイルスなどの病原体による感染性胃腸炎が今冬も流行していることが、
国立感染症研究所感染症情報センターのまとめで分かった。

5歳以下の子どもが全体の6割を占め、例年より多いペースで増加しているという。

全国約3000か所の小児科から寄せられた報告によると、感染性胃腸炎は、
保育園などを中心に秋ごろから増え始めた。
10月初旬に週1万人弱だった患者数は、今月中旬(10~16日)には
週5万8352人を記録。
全体の患者数はこの7~8倍にのぼると推定している。
大流行した昨年の同時期(報告患者数約6万9000人)より少ないものの、
例年同時期(同約4万人)よりもかなり多い。

都道府県別にみると、大分や長崎、鹿児島など九州での流行が目立ち、年齢別では、
0~1歳児が23%、2~3歳児が20%、4~5歳が17%となっている。

異例の大流行となった昨年は、年間114万4808人もの感染性胃腸炎患者が]
報告された。
推定患者数は約874万人だった。
(2007年12月26日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071226-OYT8T00427.htm

<コメント>
数年前のこと。
ご主人が志摩への旅行のお土産の生牡蠣を食べて大当たりした家族がいました。
ご主人は1日早く発症したのですが、それは現地で食べて来たためでした。
当時はまだ小型球状ウイルスと言っていました。
今でこそノロウイルスという名前で有名になりましたが、潜伏期間知らない人の
多い時代の話です。

<コメント2>
ノロウィルス感染は、便から診断できます。
外来で検査すると結果が届くまで1週間かかり、保険がききません
結構高い検査ですし、混合診療となるので当院では行っていません。
実際は経過や臨床症状から診断していますが、白血球やケトン体で細菌感染や
脱水のチェックをすれば治療は十分行えます。



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