痔核

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痔は「3人寄れば1人は痔主」といわれるように珍しい病気ではありません。
場所が場所だけに人知れず悩んでみえる方も多く、進行して歩くのがやっとという状態で
医療機関にかかられるケースも多いのが痔の特徴です。
この治療も日進月歩ですが、新しい治療法(レーザー療法、ALTA(ジオン液注射法))も
まだ問題点もあるようです。

痔核の本体

肛門と、直腸下端の周辺には網の目のような血管(静脈)があります。
この静脈が膨らんでこぶ状になったもの(静脈瘤)が痔核の本体です。
この静脈瘤から出血したり、静脈瘤内に血栓(血豆)を作って腫れるなどの症状が発生
します。
内痔核と外痔核 
直腸下端の粘膜下にできたものを内痔核、肛門(歯状線より外)の肛門上皮下にできたもの
を外痔核と言います。
内痔核は出血するが痛みはなく、外痔核は出血しないが、腫れるとひどく痛みます。

痔核の原因

1  人類が垂直歩行を行うようになったため、肛門は心臓より低い位置になり、痔静脈の圧力
が高くなりました。それが証拠に、四つん這いの動物には痔核はありません。
従って、長時間立ったり、座りっぱなしの生活習慣は、痔核を発生させると考えられて
います。
また、排便時の強いいきみの習慣も同様に痔核に悪影響を及ぼします。
2 痔静脈の周囲の組織が弱い体質の人は、痔静脈が圧力により拡張しやすく痔核の本体で
ある静脈瘤に発展しやすいと言われています。
従って、痔になりやすい体質は遺伝すると考えられています。
3 年をとると肛門の支持組織が弱くなり、痔核が肛門外に脱出しやすくなります。
4 酒類、辛子や胡椒などの刺激物などのとりすぎは、出血や腫れを増悪させます。
女性は、妊娠、出産で悪化します。

痔核の症状

外痔核:歯状線より外側にある痔核を外痔核と言います。
    もっとも多いものは血栓性外痔核といいこれは外痔核の静脈に生じた血栓(血豆)が
    本体です。
    突然肛門の外に、強い痛みを感じるしこりが生じますが出血することはまれです。
    ただし、血栓部分の皮膚が破れると、赤黒い血栓が溶けて少量の出血をおこし、血栓
    はしぼんで痛みも急速に治まりますが、保存的療法(軟膏、鎮痛剤、入浴など)でも
    徐々に血栓が吸収され治ります。
    血栓が大きい場合、早く治したいのであれば局所麻酔で切開し、血栓を除去します。

内痔核:歯状線より奥にある痔核を内痔核と言います。
    内痔核は痛みを感じませんが、出血をするのが特徴です。

また、周囲の支持組織が弱くなって肛門外に脱出するようになったものを脱肛と言います。

痔核の治療

出血や痛み:保存的治療を主にします。
      肛門を清潔にして温め、便秘や下痢にならないように便通を整えます。
      食事療法だけでは便通が整わない場合には、整腸剤や緩下剤を服用します。
      それに加えて、坐薬や軟膏を使用し、症状に応じて鎮痛剤や抗炎症剤を服用
      します。
脱肛:   治療には手術が必要です。

痔は良性の疾患であるため手術の適応は、患者さんが脱肛を治したいかどうかで決定
します。
脱肛しても気にしない患者さんには、手術の適応がないと考えています。

以上
痔核 
http://www2b.biglobe.ne.jp/~dr-ok/jikaku.html
より引用させていただきました。

<参考>
週刊朝日 2008.2.22「名医の最新医療」
■日本では、保険制度の関係で、痔を手術するケースが多いが、欧米では手術率はわずか
 4~7%といわれています。
■レーザー療法という最新の治療もあります。


内痔核
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10H20100.html
最近では痔核は単に静脈が網の目のように集まっているだけでなく、細かい動脈も吻合
(ふんごう)しており、そのほかに筋肉や結合織などの細かい線維も含まれていること、
そして痔核の症状のない正常の人を調べても肛門には痔核があることもわかってきました。

このようなことから、痔核はどうも正常に存在するものであって肛門の閉鎖に役立って
いるクッションのような部分であり、それが大きくなって出血するようになったり脱出
するようになると、病気として認識されるのだということがわかってきました。
痔核には大きく分けて直腸側の内痔核と肛門側の外痔核(がいじかく)があります。
ただ外痔核は、ふつう内痔核と一緒に存在し、単独で問題となるのは血栓(けっせん)を
生じた血栓性外痔核となった時だけです。
そのため痔核というと一般には内痔核を指します。

内痔核の診断と分類
http://iiharaiin.com/cpi_hemo0.html
(イラストつきでわかりやすく解説されています)

内痔核の手術と治療法
http://1piles.com/2005/11/post_114.html
(痔核について詳しく解説されています)
1988年に、ある製薬メーカーが、成人男女に対面アンケート調査をしたところ、
約36%の人が、「自分は痔の気がある」と答えたそうです。つまり、日本の成人の3人に
1人が痔に悩んでいることになります。
さらに、自分が痔であることに気がついていない人が、じつに多いのです。ドイツの
解剖学者が成人の遺体を解剖したところ、70%の人が痔核をもっていたといいます。
これは、生前に痔を自覚していなかった人も含めて、正確な痔主の数を明らかにした
驚くべきデータだといえます。
また、アメリカのヘンリーフォード病院のハース博士は、外来患者のほとんどすべてに
肛門部の診察を行い、86%の人に痔核を認めた、と1982年に報告しています。
このように、痔とは、世界的にポピュラーな病気なのです。

内痔核硬化治療法
http://www.hayashi-clinic.com/gi.asp

痔のレーザー療法(内痔核)
http://www.ypod.info/g/080/ent1406.html

注射の痔の治療?ALTA療法(ジオン注)
http://www.koumon.jp/ji/chiryo01.htm



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