定年・初老期うつ

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団塊の世代」という「くくり」には大いに抵抗があります。
しかし、この世代がいよいよ現実に定年を迎えてきています。
これら「自分さがし」の世代の中には急に生きがいをなくしてしまう人も
出てきているようです。
きょうはそんなことをテーマにしてみました。


定年うつ 趣味や地域活動 定年前から

「定年」。人生の大きな節目だ。

団塊世代が次々、定年を迎えていく。
退職日は、誕生日、誕生日月など様々だが、年度末という職場も少なくない。
仕事に価値を求めてきた人は、体力的な衰えを感じているところへ、仕事を失う
寂しさやストレスが加わる。
さらに、仕事一筋だったため、地域にもなかなか入っていけない。
慶応大学の大野裕教授(精神科)は「定年前後は気
持ちが動揺しやすいので注意が必要です」と話す。

40代後半以降の初老期・高齢期のうつの特徴は、若い時の「もの悲しさ」
と異なり、「何をやっても楽しくない」「おっくう」「充実感がない」などが
目立つ。
会社をやめた後だけでなく、定年の日が近づくにつれて、心に穴があいたように
なる人もいる。

どうやって生きがいを見つけていくか。
東京都老人総合研究所などが実施した、こんな調査がある。
ボランティアや、公園の掃除や子守など地域や家庭でできる活動をしている人は、
していない人より生きがいを感じている割合が3倍高かった。
大野さんは「定年前から、『地域で新しいことを始
める』『夫婦で共通の趣味を見つける』など人間関係を再構築することが大切です」
とアドバイスする。
   
 ■ ■ ■

また、この年代になると、認知症を心配する人が出てくる。
「集中力や記憶力が落ちた。認知症になったのではないか」と言って、医療機関
を訪れる。
診察すると、実は認知症より、うつ状態のケースが多い。
ただ、認知症の初期の段階でうつを併発していることもありうるので、「症状が
変わらない、または思わしくない時は、専門医に相談してほしい」と大野さん。
 
働く女性が増えたとは言え、定年を迎える世代は、まだ男性が多い。

男性にとっての定年に伴いイメージを見いだそうとしているのは、東京都精神医学
総合研究所うつ病プロジェクト・気分障害チームの植林義孝プロジェクトリーダーだ。

たとえは自殺率をみると、男女差に違いが現れている。
女性は年齢に応じて増えていくが、男性は50代半ばをピークに減り、70~80代
で再び多くなる。
楯林さんは「仕事のプレッシャーから解放され、子供も成人して独立している。
60代は少し楽になれる時期かもしれません」。
   
 ■ ■ ■
 
定年と言っても、ほとんどが50代後半から60代前半。
老け込む年ではなく、社会の変化にも対応できるし、新しいことにも挑戦できる。

楯林さんは、定年後の生活を、夫婦でよく話し合うことを勧める。
「具体的なイメージを持って、その時期を迎えることが大切です。環境の変化を乗り
越えれば、『黄金の60代』が待っている。70,80代をよく生きるためにも、
60代をうまく過ごしてほしい」
と話していた。

<相談ナビ>
内閣府の調査では、60歳以上の高齢者が地域社会の活動に初めて参加した時期は、
退職後が最も多く31%、東京ボランティア・市民活動センターによると、定年前後
の男性や女性が地域とかかわるきっかけづくりに取り組むボランティアセンターは
各地にできている。 
市民活動センターのホームページをみると、全国のセンターがわかる。
http://www.tvac.or.jp/vc/directory30.html
朝日新聞・朝刊 2008.2.25
版権 朝日新聞社

<コメント>
世の中は定年のある人ばかりではありません。
自分で定年を決めなければいけない自由業の人も多いのです。
開業医の私もそうですが、ある意味不幸でもあり幸福でもあります。
沖縄の老人は社会の一員として機能しています。
それが長寿の一因ともいわれています。

さて、ボランティアとはいえ「市民活動センターのホームページ」をのぞいてみると
所在地からは官主導を思わせます。
ひょっとしたら天下った人がセンター長に落ち着いているかも知れません。
もしそうだとしたら何だかいやですね。

国会中継でいつも思うのですが、国会の「予算委員会」で予算の質疑を聞いたことが
ありません。

国会オンブズマン、市町村会オンブズマンとして政治を見張るようなボランティアを
定年後の方にやっていただいて不正監視をしてもらうと日本はもっと良くなると思う
のですが。

<参考>
予算委員会
http://www.iza.ne.jp/izaword/word/%E4%BA%88%E7%AE%97%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A
国会の本会議と同様に、与野党が論戦でしのぎを削る花形の委員会。予算委員会では、
内閣提出の予算案に関する趣旨説明、補足説明、基本的質疑、一般的な質疑、公聴会
分科会、締めくくり総括質疑、討論、採決と進められる。基本的質疑や締めくくり総括
質疑では首相以下全閣僚が出席し、政治的に重要な政策課題について与野党の論戦が
繰り広げられる。必要に応じて集中審議も行われる。
予算委の所管は予算だが、国のあらゆる収入支出が関係するため、審査事項に制限はない。
政治スキャンダルが予算委で取り上げられることも多い。
質疑時間は理事会での協議で各会派に割り当てられる。


”予算”委員会!?
http://www.sugimurataizo.net/2007/02/post_260.html
杉村太蔵くん、見直しタイゾー)


<自遊時間>
先日、ものまねタレントの清水ミチコ出演のテレビ番組を見ました。
傑作でした。
http://www.youtube.com/watch?v=WH4AEKbzkoc
http://www.youtube.com/watch?v=0r-j82-4PiE
(どこから声が出てんでしょうね)

医療専門のブログは別にあります。
井蛙内科開業医/診療録 
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科専門医向けのブログです)
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログです)