膝の痛み

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膝の痛みで悩んでみえる方は多いものです。
階段の上り下りも下りがつらい。
エスカレーターも降りる時に利用する。
そういうことは自分で経験してみて初めてわかることです。
きょうは、この膝の痛みをとりあげてみました。


関節の軟骨が変形・磨耗、女性に多く

軽い運動で筋力高める
高齢者の増加とともに膝痛(しつつう)に悩む人も増えている。
国立国際医療センター(東京)整形外科の桂川陽三病棟医長は「年をとって
筋力が低下すると膝痛になりがち。家に閉じこもらずに1日30分は歩く
など、軽い運動を心がけることが最も有効な防止法」とアドバイスする。

膝痛でよく知られているのは変形性膝(ひざ)関節症です。
「40~50歳代以上の人に一般的に見られるもので、膝関節の軟骨が変性・
摩耗し、骨同士がこすれて機能の低下や痛みを引き起こします。外傷、体重増加、
筋力低下などさまざまな理由がありますが、最も大きな危険因子は加齢です」
「変形性膝関節症は女性に多い疾患です。女性は太りやすく、運動量も男性に
比べて少ないため、筋力も弱い。閉経後はホルモンのバランスが変わることも影
響しています」

ほかに膝の痛みをもたらす疾患には何がありますか。
「スポーツなどで膝を使いすぎた人は変形性膝関節症になりやすい。また、膝の
半月板(軟骨組織)や靱帯(じんたい)の損傷も痛みをもたらします。関節
リウマチも症状が膝に出ることが多いようです。関節への血流が悪くなるために
起こる骨壊死(えし)も痛みをもたらします」

'膝の痛みには個人差があると聞きました。
「エックス線や磁気共鳴画像装置(MRI)などでみると軟骨の変性や摩耗が
進行しているにもかかわらず、痛みがそれほどでもない人もいます。関節の
炎症の程度や体重、筋力、骨の強さなどが関節にかかる負担を軽くしている
ケースもあるようです」
「変形性膝関節症では最初、歩き始めや立ったり座ったりするときに痛みが
走ります。
次に階段の上り下りや坂道などで膝の痛みを感じるようになり、疾患が進むと
歩くときに痛みを感じ、ひどくなると寝ているときなど安静時にも痛むように
なります」

どのような治療をしていますか。
「保存的治療が中心です。摩耗した軟骨を元に戻すことは難しいので筋力を
高めて膝の痛みが軽くなるようにします。最も簡単なのが直下肢挙上(SLR)
訓練です。足を5秒間上げ、次い2秒間休ませることを20回繰り返す
(1セッ卜)。1日に3セット行うと下肢の筋力が増します。靴底に足底板を
しいて荷重を分散させる
ことも効果的です」

「痛みを和らげる消炎鎮痛薬も使います。炎症を仰えて痛みを緩和するステロド
薬や軟骨の成分であるヒアルロン酸などを関節に直接注射します。ただ
ステロイド薬は、関節が破壊されても痛みを感じないシャルコー関節を起こす
ことがあるので、あまり続けて使用することを避けなければなりません」

これで痛みが十分取れないときは手術になりますね。
「軟骨が少しでも残っていれば、患者の肉体的負担が少ない関節鏡(内視鏡
手術をします。変性した軟骨や半月板を取り除き、膝関節を平滑にし、炎症の
原因になる組織片などを除きます。進行した場合人口膝関節置換手術をします。
人工膝関節の素材や手術法が進歩していますから、安全で入院期間も短くなって
います」

市販薬などの評価分かれる

膝関節の軟骨がほとんど残っていないほど進行した変形性膝関節症や、60歳
代以上の高齢者の場合は人工膝関節置換手術を行う。
人工膝関節の材質が向上し、患部に15年以上そのままにしてもよいほどの
耐久性がある。

関節の滑りをよくするというヒアルロン酸やグルコサミンなどの内服の市販薬や、
これらを含んだいわゆる健康食品がたくさん出ている。
ただ、医学論文ではその効果についての評価が分かれている。

出典 日経新聞・夕刊 2008.4.8
版権 日経新聞

<参考ブログ>
ひざ痛
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/archive/2008/02/05
グルコサミン その1(1/2)
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/folder/297150.html


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