体内微小物質、大腸がん抑制 阪大などマウスで確認
遺伝子の働きを調節する「マイクロRNA」という微小物質が、大腸がんの増殖を抑えることを大阪大や金沢大のチームがマウスの実験で突き止めた。
マイクロRNAを人工的に合成し、がんに投与した。
マイクロRNAはもともと人体にあるので悪影響は少ないと考えられる。
チームによると、マイクロRNAの種類は2千以上。
この中から、がん細胞の増殖を抑えるものを探索し、2種類のマイクロRNAを特定した。
このマイクロRNAを人工合成し、試験管内で増殖する人の大腸がんの細胞に加えたところ、増殖が抑えられた。
また、人の大腸がんを移植したマウスにこのマイクロRNAを点滴で投与。約2週間後、投与しなかったマウスと比較すると、がんの大きさは2分の1から3分の1ほどだった。
チームは、がん細胞で働きが弱まっている「がん抑制遺伝子」を、よく働くようにする作用がマイクロRNAにあると推測。
食道や胃など消化器にできるがんにも効果があるとみている。
出典
日経・夕刊 2015.5.21