豚の生レバー提供禁止

豚の生レバー提供禁止 厚労省決定

厚労省は(2015年5月)27日、豚の生レバー(肝臓)や生肉の飲食店などでの提供を禁じることを決めた。薬事・食品衛生審議会の食品衛生分科会が同日了承した。
牛の生レバーと同様に中心部まで十分に火を通すことを義務付け、違反した場合は刑事罰の対象となる。
同省は食品衛生法に基づく規格基準を改正し、6月中旬から施行する。
<私的コメント> 
「十分に火を通すことを義務付け」・・・あいまいですね。
土佐での「かつおのたたき」の誕生エピソードを思い浮かべます。

厚労省によると、豚の生レバーや生肉にはE型肝炎ウイルスが含まれていることがあり、重い食中毒が懸念される。
ウイルスは肉の表面だけでなく内部にもあるため「豚肉は中心部を63度で30分間以上か、同等以上の加熱殺菌が必要」とする基準を設け、飲食店での生食の提供を禁じるべきだと判断した。
売店が生食用として販売することもできなくなる。
<私的コメント> 
おいしくなさそうです。

これらは食品衛生法に基づく規格基準に盛り込まれ、違反があれば2年以下の懲役か200万円以下の罰金が科される。
 
2011年、焼き肉チェーン店で集団食中毒が発生したことを受け、厚労省は牛の生レバーを飲食店が提供するのを禁じた。
この後、代替品として「豚レバ刺し」などを提供する店が増加。
厚労省が13年度に実施した調査では、全国約200店が生の豚レバーを販売しており、昨年6月に同省の専門家調査会が「生の豚肉の提供を禁じるべきだ」とする報告書を取りまとめていた。

国立感染症研究所によると、E型肝炎患者の報告数は11年に55人だったが、12年以降増加し、14年は146人と過去最多になった。
新たな検査方法導入も要因とみられるが、推定される原因食材は豚が最も多かったという。

出典
日経新聞 2015.5.27(一部改変)



<参考> E型肝炎
http://www.nikkei.com/article/DGKDZO78188650Z01C14A0NNMP00/
・E型肝炎ウイルスの感染患者が増えている。
平均6週間の潜伏期間を経て急性肝炎を起こし、発熱や腹痛、黄疸などの症状が出る。重症化して死亡するケースもある。

国立感染症研究所によると、2013年の国内のE型肝炎の患者報告数は126人(暫定値)。
数万~数十万人単位のB型やC型肝炎に比べると少ないが、08年と比較して約3倍に増えた。
実際の患者数はさらに多いと推定されている。
 
・B型やC型が輸血などで感染するのに対し、E型はウイルスに汚染された食べ物や水を通じて感染する。
近年、ウイルスに汚染された豚やイノシシ、シカの肉やレバー(肝臓)などの内臓を生で食べたことにより、感染が広がっている実態が分かってきた。
 
・豚肉規制を巡る専門家の議論では、生食について「個人の責任に委ねるべきだ」などの意見も上がる。
ただ、厚労省はあくまでE型肝炎への感染リスクを軽減する必要があるとして、飲食店にも生食で提供しないよう呼びかけている。