乾燥「かゆみストレス」②(2/3)

乾燥「かゆみストレス」②(2/3)

どうやら「かゆみ」には、かくことで更なるかゆみを呼び込む負のサイクルリスクがあるようだ。

「乾燥」から始まる「かゆみ」を侮ってはいけない。

 

暖房機器や入浴方法に気をつけて

―― エアコン、ホットカーペット、ストーブ、コタツを使用することによる肌の乾燥にも注意が必要だ。

乾燥を感じたら、加湿器を活用することも考えた方がよい。

どれも冬の必須アイテムだ。寒くなると、熱い湯も恋しくなる。

 

―― 入浴時も注意が必要だ。

ゴシゴシ洗いは日本人の美徳のように思われていて、洗い過ぎの人が少なくない。

洗濯でも皿洗いでも油汚れがよく落ちるのは熱いお湯だ。

同じように、お湯では皮膚の大事な脂も溶けてしまう。

皮脂膜が溶けた皮膚はワックスのはげた車のように、ダメージを受けやすい状態。

繊細になっている皮膚を強くこするように洗ったり洗浄力の強い洗浄剤を使ったりすると角層が削られ、顆粒層にある皮膚バリアも簡単に壊されて乾燥が進み、かゆみがひどくなる。

では、どうすればいいのだろうか?

 

―― 薄い皮膚バリアを壊さないように洗浄剤を泡立てて、泡だけを肌の上にのせ、なでるように優しく洗おう。

泡の力だけで十分に汚れは落ちる。

せっけんの成分を残さないように、しっかりとすすぐことも忘れずに。

それから、入浴後も注意が必要だ。

 

タオルでしっかりと水気を拭きとるだけではいけないのだろうか?

―― ゴシゴシと肌をこすると、皮膚バリアを壊すことになる。

肌を押さえるように水滴をとる。

さらにその後も大切だ。

水気を拭きとったら、火照った体を鎮めてゆっくりとしたいという人も少なくないはずだ。

 

―― 乾燥やかゆみが気になるなら、急いで保湿ケアをすることが大切だ。

入浴中に肌を洗うことで、皮膚の表面をワックスのように覆っている皮脂膜はかなり落ちてしまう。

皮脂膜が再び分泌されるまでには時間がかかるため、入浴後そのままにしておくと皮膚から水分が急速に失われてしまう。

特に冬場はお部屋が乾燥しているので要注意。

余分な水分を軽く吸いとったら、すぐにクリームなどの保湿剤で乾燥を防ごう。

 

入浴後、10分以内にたっぷりの保湿剤を

「すぐ」というのは、どれくらいの時間だろうか?

―― それほど猶予はない。

入浴後約20分で皮膚の水分は蒸発して入浴前よりも乾燥してしまう。

10分以内には保湿剤を塗って皮膚にフタをして乾燥を防ぐ必要がある。

 

乾燥とかゆみを防ぐには、入浴直後も気が抜けないようだ。

手を洗う際はどうだろう? 

特に冬になると私の手はかさついて、時にはかゆみを生じることもある。

―― 1日何回も水に触る『手』こそ、あれやすい。

手のひらには毛がないので皮脂もない。

その分、丈夫にできてはいるが保護する膜がないから、いったんあれるとドンドン悪化してしまう。

水に触れた直後は保湿剤でケアしたい。

手あれが気になるなら、なおさらだ。

ハンドクリームを塗っれも、それでも冬には乾燥しがちだ。

さらっとした乳液タイプでは物足りないのだろうか?

 

参考・引用一部改変

日経Gooday 2019.12.18