肌のカサカサ 保湿を入念に

肌のカサカサ 保湿を入念に悪循環を断つ

乾燥による肌のカサカサ、かゆみは、命を脅かすほどでないとはいえ、年々重くなる症状に悩む人も多い。

健康な皮膚の場合、体表面にある「皮脂膜」と「角質」が潤いを十分に保って外部からの刺激を防いでいる。
 
一番外側の皮脂膜は、皮脂腺から分泌された皮脂と汗が混ざった膜だ。
空気が乾燥する冬は皮脂膜が壊れた状態になりやすい。
このため角質が十分な水分を保てない「カサカサ肌」となり、外からの刺激に反応し、かゆみも感じる。
 
乾燥がさらに進むと、角質中の水分・脂質が失われ、肌は「粉が吹いた」状態になる。
これが「乾皮症」だ。
 
かゆみを我慢できずにかき壊すと、角質が傷つき、下にある細胞に炎症が起きて「皮脂欠乏性湿疹」となる。
 
皮脂腺の活動は20代以降は弱まり、シニアの肌は皮脂膜が若い頃に比べて薄くなっている。
ここに冬の乾燥が拍車をかけて、カサカサ肌→乾皮症→皮脂欠乏性湿疹という連鎖をたどりやすい。
 
肌トラブルにどう対応すればいいか。
乾皮症までは、市販の保湿クリームや塗り薬である程度対応できる。
ドラッグストアの肌ケアコーナーは、カサカサ・かゆみに対応する保湿剤が充実している。
成分では、ワセリンは表皮から水分の蒸散を抑える働き、尿素やヘパリン類似物質は、乱れた角層を整えてくれる働きがある。
湿疹がひどくなったり、肌にかゆみが強く出たりすれば受診が必要になる。
 
毎日のスキンケアも大切だ。
現代の住宅は気密性が高く、冬の季節は電気を使う暖房が主流のため、室内で加湿器が必要だ。
入浴は、熱すぎない湯温で、皮脂まで流してしまう洗いすぎ・こすりすぎに注意する。
せっけんを泡立て、泡を乗せて汚れを落とす感覚でよい。
入浴後はすぐに保温も心がけたい。  

 
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参考・引用
朝日新聞・朝刊 2017.1.28