新型コロナウイルス 正しく恐れるために ① 1/2
子どもの予防 親が感染しないことが大事
大人に比べて数は少ないものの、各地で10代や10歳未満の新型コロナウイルス感染が確認されている。
子どもはどんな点に注意すべきなのか。
日本小児科学会は、新型ウイルスに関する、一般向けの一問一答をウェブサイトに掲載した。
(コメント;「日本小児科学会」へアクセス出来ませんでした)
中国では、1月30日時点で感染が確認された9692人のうち生後1ヵ月~17歳は28人。
発熱、乾いた咳、だるさといった症状があった。
一部で吐き気や腹痛、下痢もあった。
一方、鼻水や鼻づまりは少なかった。
ほとんどの子どもが1~2週間で回復した。
感染しても症状が出ない可能性も指摘されている。
ただ、学会は、小児喘息などの持病がある子どもは重症化するおそれがあるとして、注意を呼びかける。
予防について、小さい子どもがマスクをきちんとつけるのは現実的ではないとしている。
子どもの患者のほとんどは家庭内で親から感染しているので、保護者が感染しないことが子どもの予防につながると指摘。
ウイルスがついたおもちゃや本にふれた手で口や鼻、目をさわることでも感染するため、手洗
いや消毒もするよう訴えた。
また、子どもは大人と違い、正確に病気の症状を訴えられない点にも注意が必要だとしている。
中国疾病対策センターが2月17日に公表した感染者4万4672人のデータによれば、9歳以下は416人、10代は549人。
10代で死者が1人いたが詳細は不明だ。
現時点では子どもはおもちゃを口に入れる赤ちゃん。
日本小児科学会は、ウイルスがついたおもちゃなどにふれた手で、口や鼻、目をさわることでも感染するとして注意を呼びかける
大人より感染しにくく、重症化しにくいといえそうだ。
小児科学会は2月27日時点で、一般の医療機関を受診しても新型コロナウイルスの検査はできず、むしろ受診によって感染する危険性があると指摘。
呼吸数が多い、肩で息をする、呼吸が苦しい、唇や顔の色が悪いなど肺炎を疑う症状があり、入院が必要と考えられる場合を除いては、感染を心配して受診することは勧められないとした。
満員電車短時間でも接触感染に近い状態
横浜港に停泊していた大型クルーズ船内で新型コロナウイルスの集団感染があり、約700人の感染が確認された。
船や鉄道、飛行機など乗り物の感染予防では、どんなことに気をつけるべきなのか。
インフルエンザウイルスやコロナウイルスは、ウイルスにふれた手で鼻や口をさわる接触や、せきやくしゃみによる飛沫で感染する。
インフルエンザでは、海外のあるクルーズ船で2014年春に集団感染が起き、乗客乗員の3~6%がインフルエンザの症状を訴えたという論文もある。
限られたところで長時間缶詰め状態になると、感染のリスクが高まる。
通常は学校や職場と住居は別になっているが、クルーズ船内は個室を除き、近い場所で過ごすことになるため予防に注意が必要だ。
飛行機での感染はどうか。
機内でインフルエンザの患者がいても、半径1メートル内の席に座らなければ、感染の可能性は低いという。
機内は頻繁に空気が入れ替わるので比較的安全だ。
バスや電車など、感染者と近くで接触する可能性が高い乗り物は感染リスクがあるという。
満員電車の場合、乗っている時間が短くても常に接触感染に近い状態になる。
会話しているだけで1メートル以内にしぶきがとぶ。
新幹線や船では、トイレなどに移動する際、手すりやドアノブをさわることで、席が離れてい
ても感染する可能性がある。
対策について過剰に反応しない方が良いが、ウイルスはつり革や手すりなどどこにでもいる。
マスクをしたり、乗り物から降りた時に手洗いや消毒をしたりすることが予防につながる。
参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2020.3.12