手洗い 指や爪もしっかりと
新型コロナウイルスの感染予防に手洗いが大切なのは、知らないうちにさわったウイル。
スからの感染を防げるからだ。
感染した人は、せきやくしゃみをしたり、口や鼻をおさえた手で手すりにさわったりし
て、ウイルスを広げるおそれがある。
こうしたウイルスが手につくと、目や口、鼻の粘膜から感染する可能性がある。
中国・武漠市で感染した医師も、目の粘膜から感染した可能性があるという。
人は無意識のうちに顔にさわるためだ。
豪州の研究チームが2015年、授業中の大学生26人を調べたところ、顔をさわった回数は1時間に平均23回だったと論文で発表した。
病院では、顔をさわることによる感染を防ぐため、医師や看護師らに肩から上に手を上げ
ないように指導するところもあるという。
その上で手洗いをきちんとしていれば、お化粧などで顔をさわっても問題ないとする。
重要なのは洗い方だ。
米疾病対策センターによれば、せっけんをつけ、手の甲や指の間、爪の中もよく洗う。
こすり洗いした後、流水で洗い流し、きれいなタオルなどでふくのがいいという。
正しい洗い方でなければ、回数だけを増やしても効果は上がらない。
スウェーデンの研究チームが09年9月~10年5月、約3千人について手洗いの回数とイ
ンフルエンザ感染の関係を調べた。
1日の手洗いが2~4回、5~9回、10~19回、20回以上の4グループを比べたところ、インフルエンザの症状を訴える人の割合はあまり変わらなかった。
電車など不特定多数の人が出入りする場所から家や職場に着いたときには、皆が丁寧に手洗いをするなどメリハリをつけた対策を心がけたい。
まとめ
ドアノブからの感染
ドアノブや手すりを触る
↓
その手で顔に触れる
1時間に平均23回触れるという研究も
手洗いの仕方
・手をぬらしてせっけんをつけ、手の甲や指の間、爪の中もよく洗う
・20秒間こすり洗いする
・流水で洗い流し、きれいなタオルなどで拭く
参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2029.3.12 別刷り
<関連サイト>
SARSコロナウイルスに対する消毒剤の適用(改訂版)
http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/desinfect04a.html
SARSコロナウイルスはエンベロープ*を有するウイルスである。
*エンベロープ(envelope)
ウイルス粒子の一番外側にある膜。
脂質2重層に、糖タンパクが挿入された構造をとる。
消毒剤を作用させたときこれを持つウイルスの方が持たないウイルスよりも消毒剤で感染力がなくなりやすい。
新型肺炎消毒に洗剤有効 国立感染研が実験
http://www.med.oita-u.ac.jp/infectnet/SARS/SARS_report_00567.html
・洗剤有効 国立感染研が実験
・家庭用中性洗剤が効果
(2003年11月)
新型コロナウイルス いま知りたいこと
https://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/200302/1.html
殺菌と界面活性剤の話
https://www.kao.co.jp/pro/hospital/pdf/07/07_08.pdf
ウイルスのトゲを壊せ!窓を全開して換気が大事
https://www.bookservice.jp/2020/02/16/post-41303/