新型コロナウイルス感染力、皮膚上で9時間 検出時間、インフルの5倍
新型コロナウイルスが人の皮膚にくっついた場合、9時間程度は感染力を維持できると京都府立医大の研究チームが発表した。
インフルエンザウイルスと比べると5倍ほどの「寿命」だった。
研究チームはウイルスがついた手で目や口、鼻をさわることで接触感染するのを避けるため、手指消毒が大切だと指摘している。
新型コロナウイルスは、プラスチックや金属の表面で2、3日は感染力を保つという実験結果がある。
ただ、人の皮膚の表面にくっついたときにどれほどの「寿命」があるかはわかっていなかった。
チームは、医学研究のために献体された遺体の皮膚に、インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスそれぞれ約10万個をくっつけ、ウイルス量の変化を調べた。
すると、ウイルスが検出できなくなるまでの時間は、インフルエンザウイルスは1~2時間(中央値1.8時間)だったのに対し、新型コロナウイルスは6~11時間(同9時間)だった。
一方、80%のエタノールで15秒間、皮膚を消毒したところ、新型コロナウイルスは検出できないレベルに減った。
研究チームは「接触感染のリスクと、感染防止についてのアルコール消毒の重要性を改めて実証できた」と話した。
新型コロナウイルス、28日後も残存 紙幣・ガラスの表面、気温20度下
ガラスの表面などに付いた新型コロナウイルスは28日以上残存する可能性がある、とオーストラリア政府系の研究機関が12日発表した。
世界保健機関(WHO)の「最長72時間残存する」との見解より大幅に長い結果で、「まめな手洗いと表面の拭き取りが大切だ」としている。
豪連邦科学産業研究機構(CSIROC)がガラスやビニール、ステンレススチール、紙幣、木綿の布の上に新型コロナウイルスを含んだ人工の粘液を載せ、湿度50%、紫外線の影響がない暗室で調べた。
携帯電話の液晶画面や現全自動出入機(ATM)など身近なものに使われる素材を選んだ。
その結果、気温20度なら、木綿以外の表面には、いずれも28日後でもウイルスは残っていた。
木綿では14日目までになくなった。
気温が高くなると、残存期間は短くなった。
30度の場合、ガラスやスチールは7日間、木綿やビニールは3日間だった。
40度になると、木綿の場合は16時間未満、ガラス、スチール、紙幣は24時間、ビニールは48時間となった。
研究では一方で、主な感染経路は、せきや会話などで飛び散る唾液や、空気中のウイルスを含む微粒子(エアロゾル)を吸い込むことだと触れている。
参考・引用一部改変
朝日新聞・夕刊 2020.10.12
コメント
問題は接触感染と飛沫感染とどちらが感染経路として重視すべきか、ということではないでしょうか。
いままでの知見の積み重ねからは、飛沫感染がはるかに多いということになっています。
たしかに、接触感染にも注意すべきでしょうが飛沫感染の対策を疎かにしないようにしたいものです。
かくいう私もスーパーに買い物に行く時などにはゴム手袋をしていました。
しかし、最近は疎かになっています。
現金のやりとりも本来は問題なのでしょう。