新型コロナウイルス Q&A ② 2/4
感染が疑われたら 相談の目安37.5度以上の発熱が4日以上
Q 新型コロナウイルスヘの感染が疑われた場合、どうしたらいいか。
A 発熱やせきといった風邪のような症状が出たら、他の人にうつさないために学校や会社を休み、外出を控えよう。
体温を毎日測り、解熱剤をのんだ時にはいつ、どの薬をのんだかを記録しておこう。
症状が続けば、各地の保健所などに設けられた帰国者・接触者相談センターに電話で相談する。
感染が疑われる場合は、専門外来が紹介される。
Q どんな時に相談すればいいか。
A 政府は目安として、健康な人ならば風邪のような症状や37.5度以上の発熱が、「4日以上」続くときとしている。
高齢者や、糖尿病などの持病がある人は「2日程度」続けば相談する。
また、強いだるさ(倦怠感)や呼吸困難があればすぐに相談しよう。
Q 治療法は。
A 現時点では、新型コロナウイルス感染症を予防するワクチンはなく、根本的に治す治療法や薬もない。
抗HIV薬やエボラ出血熱治療用に開発された抗ウイルス薬、新型インフルエンザ薬が有効ではないかと研究が始まっている。
家族に症状どう過ごす 部屋を仕切り、世話する人は少なく
Q 家族の感染が疑われた時の注意点は。
A 患者が過ごす部屋は個室にし、無理ならカーテンやついたてで仕切ると感染防止の効果が期待できる。
世話をする人の数はなるべく少なくしよう。
患者のいる部屋では、皆がマスクを使い、使ったマスクは他の部屋に持ち出さないようにしよう。
マスク表面のウイルスが手につかないようゴムひもをつまんで外し、せっけんで手を洗おう。
Q 洗濯や掃除はどうしたらいいか。
A タオルや食器は、患者と同じものを使わない。
ただし別々に洗う必要はない。
便や鼻水などで汚れた衣類は、手袋、マスクをつけて扱い、家庭用洗剤を入れて洗濯機で洗う。
完全に乾かすことが大事だ。
ウイルスは物についた後もしばらく感染力があるので、トイレや洗面所、ドアノブなどは、薄めた漂白剤やアルコールで拭き、こまめに消毒しよう。
Q 換気はどうすればよいか。
A エアコンや換気扇を使い、暖かな時間なら定期的に窓をあけて換気をする。
ただし、こうした対策をしても、同居者が感染している可能性はある。患者の症状がなくなってから14日間は、同居者の健康チェックも大切だ。
感染が疑われる人と家庭内で過ごすときの注意点(まとめ)
・日中はできるだけ換気
・汚れた衣類は洗濯し、完全に乾かす
・共用部分(ドアの取っ手やノブなど)を消毒
・世話をする人は1人が望ましい
・マスクをつける
・こまめに手洗いやうがいをする
・ごみは密閉して捨てる
・可能な限り患者の部屋をわける
このまま広がるの 水際対策は重要だが、侵入は防ぎきれない
Q 流行はとめられないのか。
A 日本政府は、中国・湖北省など感染者の多い地域に滞在歴がある外国人の入国を禁じ、日本人が感染の流行地に行かないよう勧告してきた。
3月9日からは、中国、韓国からの入国者に検疫所長が指定する場所で14日間待機するよう要請する措置を加えた。
ただ、新型コロナウイルスの感染は、多くの国で広がり出している。
中韓などからの新たなウイルスの侵入が抑えられても、別の国や地域から入ってくる恐れがあり、水際対策には限界がある。
Q 国内で集団感染は起きているか。
A ライブハウスや屋形船など特定の場所で相次いでいる。
一方で、誰から感染したかわからない事例も目立つ。
感染が急速に広がれば、短期間に患者が増え、医療機関がパンクする恐れがある。
政府は2月25日、患者の急増を抑えようと対策の基本方針を出した。
Q どんな内容か。
A 手洗いやせきエチケットを徹底し、風邪症状が出たら外出を控える。こうした行動をすすめている。
感染者が増えた地域では、重症患者への対応が優先される。
軽い風邪症状の人には、自宅での安静を原則にする方針だ。
参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2029.3.12 別刷り