免疫力の低下で重症化も
新型コロナウイルスの感染者の中には、肺炎となり、重症になる人もいる。
肺炎はどんな病気で、どのような人が重症化しやすいのか。
肺炎は病原体が肺の中に入り、炎症を起こした状態だ。
感染する病原体が新型コロナウイルスというのが今回のケースだ。
初期ではかぜやインフルエンザのようにせきや発熱、関節痛の症状が出る。
悪化すれば肺炎になり、呼吸困難や胸の痛みが起きる。
新型コロナウイルスでは、ワクチンや有効とされる薬はまだない。
機械で酸素濃度が高い空気を肺に送ったり、点滴で水分を補ったりしても改
善しないと重症化することもある。
日本呼吸器学会のガイドラインは「重症」
を、
▽ 脱水の程度
▽ 血中の酸素飽和度
▽ 血圧
▽ 年齢(男性70歳、女性75歳以上)
などの指標から見極める。
血中の酸素濃度が低下すると、他の臓器にも障害が出てくる。
重症化しやすいのは、病気で免疫力が落ちている人や、慢性の呼吸器疾患がある人。
中国で報告されている重症例の多くは糖尿病、高血圧、心臓の病気などの持病がある人や高齢者とされる。
2018年の人口動態統計によると、肺炎は日本人の死因の5位で、年間約9万4千人が亡
くなっている。
参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2020.3.12 別刷り