コーヒー3杯で効率アップ 朝・昼・晩、仮眠 目覚め良好
勤務中、眠気覚ましや気分を変えようとコーヒーを飲む人は多いだろう。
ただ、飲み過ぎるとコーヒー内のカフェインの効果で気分が悪くなることも。飲む適切なタイミングや量はあるのだろうか。
仕事の効率改善につながるコーヒーの飲み方はあるのだろうか。
東京都内のベンチャー企業で働く男性会社員(26)はコーヒーの香りが好きで、毎日3杯ほど飲むが「カフェインを取り過ぎると身体に良くないと聞く。どれくらいが適量なのか不安」という。
専門家は朝、昼、晩の3杯程度を勧める。
まず朝は朝食とともに1杯。
1日の始まりにカフェインを摂取してやる気を高めよう。
2杯目は昼食後で眠気を緩和できる。
カフェインの効き目や持続性には大きく個人差があるが、目が覚める覚醒効果は飲んでから30分ほどで表れ、4時間ほど持続するとされる。
昼食後にコーヒーを飲んでから20分ほど昼寝をすると、起きた時にはカフェインが効き始め目がさえやすくなる。
カフェインを摂取してから仮眠を取ることで目覚めが良くなる。
仮眠を取るとき、ベッドではつい眠りすぎてしまう。
椅子に腰掛けた状態で壁にもたれるなど頭を固定して寝ると、深すぎない睡眠をとりやすい。
寝つくまでに5分、浅い睡眠を15分の計20分が効果的という。
夜はカフェインが入っていないコーヒーに切り替えよう。
カフェインに感受性が高い人や睡眠が浅くなりがちな人は、夕方以降にカフェインはとらない方がよい。
カフェインが無くてもコーヒーの香りやポリフェノールなどの成分は大きく変わらない。
コーヒーの適量はどれぐらいだろうか。
日本に明確な規定はないが、欧州食品安全機関(EFSA)は、成人が摂取しても健康に影響がないとみられる1日のカフェインの最大量を400ミリグラム、体重1キログラムあたり5.7ミリグラムまでに設定している。
コーヒー1杯150ミリリットルに含まれるカフェイン量はおよそ80~90ミリグラム。
日に3~5杯ほどが適量の範囲内となる。
店舗によってもコーヒーのカフェイン含有量は異なるようだ。
たとえば、大手カフェチェーンのタリーズコーヒージャパンのホットコーヒーは330ミリリットルに190ミリグラムのカフェインが含まれる。
スターバックスコーヒージャパンのドリップコーヒーは350ミリリットルに270ミリグラムだ。
軽食との組み合わせも楽しみたい。
味がつよい深煎りコーヒーにはチョコレートや煎餅など味がしっかりしたものが合うという。
酸味のある浅煎りのコーヒーにはフルーツが良い。
ベリー系の風味のするコーヒーにはフルーツを、ナッツ系のコーヒーにはくるみなどがお薦めだ。
ただ、カフェインの取り過ぎにはくれぐれも注意が必要だ。
農林水産省によると、カフェインは神経を落ち着かせる作用をもつアデノシンという物質と化学構造が似ている。
アデノシンが本来結合する場所にカフェインがとりつき、アデノシンの働きを阻害することで神経が興奮し、眠気が無くなる仕組みだ。
過剰にとると、めまいや心拍数の増加、震えなどが起こるほか、消化器管の刺激で下痢や吐き気につながる恐れがあるという。
1日3杯程度で、飲むタイミングをうまく見計らえれば仕事の効率を改善することができそうだ。
コーヒーとうまく付き合おう。
カフェイン 適量に個人差
コーヒーに合まれるカフェインの効能は個人差があるが、過剰にとり続けると中毒症状が出ることもある。
最近はエナジードリンクと呼ばれるカフェインが多く入った飲料の人気も高い。
Q コーヒーなどのカフェインを摂取すると身体にどのような反応が起こるのでしょうか。
A カフェインは体の中枢神経を刺激する。
脳の活動が高まるため、眠気や体のだるさが改善しやすい。
利尿作用や、心臓の筋肉を刺激する作用もある。
そのため頻繁にトイレに行きたくなるほか、脈が少し速くなった感覚がする。カフェインはコーヒーやエナジードリンクなどの飲み物以外に、風邪薬や鼻炎薬などにも含まれる。
Q コーヒーを飲むと動悸などの症状がでることもあります。
身体への悪影響はありませんか。
A 1日に数杯であれば問題ないだろう。
1日のカフェイン摂取量が500ミリグラム(コーヒー5~6杯分)を超える場合に注意が必要だ。
錠剤や飲料などでカフェインを大量にとると、心拍が異常に速くなる心室頻拍など命に開わる不整脈がでる危険性がある。
Q カフェイン中毒とは何ですか。
A 中毒とは薬や毒物の摂取によって身体に異常反応が起こることだ。
カフェインをとり過ぎると、脳の嘔吐中枢が刺激されて吐くほか、イライラして落ち着きが無くなる。
激しい動悸や不整脈もでる。
こうした症状はカフェイン中毒だろう。
Q コーヒーなどカフェイン飲料に気をつけるべきことはありますか。
A カフェインの感受性には個人差がある。
何杯飲んでも大丈夫な人もいれば、1,2杯で気分が悪くなるほか動悸
がする人もいる。
飲む頻度や回数、体格、子どもと大人でも反応に違いがでる。
自分の体質に合わせて適量を判断してほしい。
また、1度に大量のカフェインをとらない方がよい。
カフェイン中毒につながりやすいためだ。
多く飲みたければ時間を空けて少量ずつ飲むべきだ。
もし大量にカフェイン飲料を飲んで気分が悪くなったら、血中のカフェイン濃度が下がるまで時間を空けてほしい。
参考・引用一部改変
日経新聞・夕刊 2020.6.23
<関連サイト>
コーヒーの飲み方