重症化リスクある人、インフル予防接種を

重症化リスクある人、インフル予防接種を コロナ同時感染も警戒

新型コロナウイルスが収束しないなか、冬に向けて、インフルエンザの流行も心配される。

専門家は、感染したときに重症化する恐れのある65歳以上の人らに予防接種を受けるよう呼びかけている。

 

予防接種には、法律にもとづき市区町村が主体となって実施する「定期接種」と、希望する人が各自で受ける「任意接種」がある。

インフルエンザは、65歳以上の高齢者、60~64歳で心臓などの機能に障害があり「身の回りの生活を極度に制限される人」などが定期接種の対象だ。

 

厚労省は、今シーズン、約6300万人分のワクチンが供給されるとの見通しを発表。

重症化リスクの高い定期接種の対象者、続いて、医療関係者、持病のある人、妊婦、子ども(生後6ヵ月~小学2年生)への優先的な接種を促す方針だ。

 

ただ、接種の時期は、早ければ早いほうがよいというものではない。

 

ワクチンを接種してから約2週間で抗体ができ、3~5ヵ月保たれる。

インフルエンザは12~3月ごろに流行することが多いため、早すぎるとシーズン中に効き目が切れる恐れもある。

流行前の10月~11月に受けるとよいという。

コメント;

文脈が少し理解しにくい内容になっています。

文章の流れからは、あまり早いのは良くないということなのに「流行前の10月~11月に受けるとよい」という書き方は「肩すかし」の感があります。

9月中に接種したいという方がいても、そんな早い時期にはワクチンは流通していません。

余計な心配です。

 

今シーズンの流行に備え、厚労省は「重症化リスクの高い定期接種の対象者」には、例年より早い10月1日からの接種(例年は10月15日)を推奨しています。

私を含め、多くの医療関係者は10月1日からワクチンが確実に供給されるのかということだけでなく、10月1日からの接種は早過ぎるのではないかという懸念です。

「ハイリスクの方に確実に接種してあげたい」という気持ちはわかりますが、効果が担保されていないと裏目になっています。

実は、インフルエンザワクチンの効果の持続期間『3~5ヵ月』と書かれているように、実はよくわかっていないのです。

個人差もあるため当然といえば当然です。

少し前は「そのシーズンの間」という極めて曖昧なものでした。

高齢者への接種は原則1回限りですので、より慎重に接種のタイミングを見極める必要があります。

 

感染対策の徹底で、今年はインフルエンザがあまりはやらないとの見方もあるが、断定はできない。

「重症化のリスクがある人は、ぜひ接種を」と専門家は呼びかける。

 

日本感染症学会は8月3日、この冬のインフルエンザと新型コロナの同時流行に備えた提言を出した。

この中で、インフルエンザが流行する冬に新型コロナの大きな流行も予想

されること、両方に同時にかかり重症化した例もあることを指摘。

症状だけでどちらかを診断するのが難しいケースも多いため、医療現場の混

乱を防ぐことが必要だ、とした。

 

接種には数千円かかり、定期接種の対象者には、費用を助成している自治体が多い。

接種率を上げるため、助成対象を広げる動きもある。

コメント;

幅広く「助成対象を広げる」とハイリスクの方に接種するワクチンが不足するという事態となります。

ワクチンが無尽蔵にあるということなら別ですが、そうでないわけですから今シーズンはハイリスクの方に絞って助成額を増やして接種率を上げる方がいいのではないでしょうか。

ワクチンの生産量が増えないのは、国側が余剰生産分の買い取り保障を製造メーカーに行っていないからです。

利益追求を行うメーカーが大量生産を渋るのは市場原理からいえば当たり前のことなのです。

これはインフルエンザワクチンに限ったことではありません。

様々なワクチンが不足して医療現場が混乱するのは年中行事になっています。日本が「ワクチン後進国」といわれる理由の一つです。

 

 

栃木県那須塩原市は、65歳以上への全額補助に加え、今年は生後6カ月から64歳の人にもほぼ半額にあたる2200円を助成する方針だ。

議会や地元の医師会の要望を受けた対応という。 

コメント;

このような助成が全国に広がれば、ワクチン接種の優先順位が崩れてしまう可能性があります。    

 

参考・引用一部改変

朝日新聞・朝刊 2020.8.28

 

<関連サイト>

インフルエンザウイルスと新型コロナ感染症の違い

https://aobazuku.wordpress.com/2020/08/30/インフルエンザウイルスと新型コロナ感染症の違/