抗体カクテル療法を承認へ 第4のコロナ薬、19日審議
厚生労働省は12日、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補の「抗体カクテル療法」について、19日に部会を開いて国内での製造販売を審議すると発表した。
部会の判断を受けて月内にも承認する方針。
主に軽症や中等症を対象とする国内で初めての薬になる見通し。
国内で承認されている新型コロナの治療薬としては四つ目となる見込みだ。ウイルスが細胞に感染するのを妨げる二つの中和抗体「カシリビマブ」と「イムデビマブ」を組み合わせた点滴薬で、海外の臨床試験(治験)では、入院はしていないがリスクが高い新型コロナ患者に対し、入院や死亡のリスクを7割減らすことができたとされる。
米製薬企業リジェネロンがつくり、国内での販売などは中外製薬が担う。
中外製薬は今年3月から国内治験も実施し、6月に特例承認を求めて申請。
政府と2021年分の供給契約を結んでいる。
米国では昨年すでに緊急使用許可が出ている。
トランプ前大統領が新型コロナに感染した際に投与されたことでも知られる。
新型コロナの治療薬として国内で承認されているのは3製品。
「レムデシビル(DNAやRNAを構成するヌクレオチドの類似体)」「デキサメタゾン(ステロイド系の抗炎症薬)」「バリシチニブ(関節リウマチ治療薬)」で、いずれも主に中等症や重症の患者が対象となっている。
参考・引用一部改変
朝日新聞・夕刊 2021.7.12