デルタ型に効果、ワクチン2回接種が必要 仏研究
フランスの研究によると、新型コロナウイルスワクチンが感染拡大が深刻となる変異ウイルスのインド型(デルタ型)に対して効果を発揮するために、2回のワクチン接種が必要であることがわかった。
1回のみの接種では効果がほとんどないという。
査読付きの論文が8日、英科学学術誌「ネイチャー」に掲載された。
同研究は仏パスツール研究所などが進めた。
2回の接種が求められる米製薬大手ファイザー製と英アストラゼネカ製のワクチンを接種した人の血液サンプルを分析した。
デルタ型や英国型(アルファ型)、南アフリカ型(ベータ型)に対して、接種後に体内で生成されウイルスの働きを抑える「中和抗体」がどの程度効果を発揮するか調べた。
その結果、デルタ型とベータ型に対しては1回目の接種後に10%でしか中和抗体の効果が確認されなかったのに対し、2回目の接種後は95%だったという。
アルファ型と比較しても、効果は大きく低下した。
中和抗体の働きに対して抵抗力を持つことがわかった。
これを踏まえて論文は「ファイザーまたはアストラゼネカのワクチンを1回接種した場合、デルタ型とベータ型に対しては効果が低い、あるいは全くない」と結論づけた。
デルタ型は従来型に比べて感染力が強く、世界で感染拡大が深刻となっている。
米疾病対策センター(CDC)の推計によると、米国でも6月20日~7月3日の新規感染の
52%をデルタ型が占めるまで拡大している。
参考・引用一部改変
日経新聞・夕刊 2021.7.9
<コメント>
米製薬大手ファイザー製と英アストラゼネカ製のワクチンとは、mRNAとウイルスベクターを利用した、全く異なるワクチンです。
別々に検討すべきところ、同じ扱いにして統計処理をするというのは乱暴過ぎます。
超一流誌の英科学学術誌「ネイチャー」に掲載されたこと自体が実に不思議です。