グルコサミン  その2(2/2)

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3月24日にグルコサミンをとりあげさせていただきました。
きょうはその後編です。
グルコサミン  その1(1/2)
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/archive/2008/03/24

企業絡む研究「有効性大」

1990年代後半からブームとなった米国では国立補完代替医療センターがスポンサー
となって調査を実施。
論文が2006年、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに
発表された。

40歳以上の患者1500人余りを、①グルコサミン ②コンドロイチン ③グルコサミン
+コンドロイチ ④消炎鎮痛薬 ⑤形状などを似せただけのプラセボ(偽薬)の5組に
分けて半年間追跡した。
痛みなどの指標の改善率はどの組も大差なかった。

日本医科大の中村洋准教授(リウマチ科)は、プラセボ組でも、痛みの指標が2割以上
も良くなった人が約6割にのぼる点を挙げプラセボの有効率は通常3割程度なので高す
ぎる」と指摘する。
「総合的にみると、サプリメントが全く作用していないとはいえない」

プラセボを使った比較研究は一般に信頼性が高いとされる。
ただ、痛みの評価はどうしても主観に基づく。
「有効性を立証するには、痛みを客観的に評価できる新たな指標を開発する必要がある」
と中村さん。

戸田整形外科リウマチ科クリニック(大阪市)の戸田佳孝院長は「少なくとも都合のいい
データだけで『科学的な裏付けがある』と主張するのはおかしい。研究と企業のかかわり
が見逃せない」と指摘する。
 
米国のグループは昨年、15本の論文を総合的に検証し、米医学専門誌に発表した。
おしなくてみると、小~中程度の有効性があったが、ただ、グルコサミンの製造・販売
企業がかかわらない研究に絞ると、有効性はほとんど認められなかった。
企業がかかわると、効果が高めに出がちだった。
    
   ■ □ ■

有効性が「ある」研究と、「ほとんどない」研究。
日本でも小規模な調査があるが一定の結論は出ていない。
こうしたサプリメントとどう付き合えばいいのだろう。
 
慢性的なひざ痛には、体重を減らしてひざへの負担を軽くし、太ももの筋肉を鍛える
運動療法(図)が効果的とされる。
痛みが厳しいときは、鎮痛薬やヒアルロン酸の関節注射。
ステロイド剤の関節注射もある。
「日本では色々な治療や薬が医療保険で受けられる。費用対効果で考えるとメリットは
少ない」と戸田さん。
 
中村さんは「重症だと難しいが、ある程度の効果はあると考えていい」と言う。
鎮痛薬を多用すれば胃腸障害が起きることもあり、「効果や副作用、費用の面で他の
治療に比べて検討する必要がある」と話す。
 
横浜市立大の齋藤知行教授(整形外科)は「効果があるかもしれないという考えを簡単
に捨てるべきではない」と話す。
積極的には勧めないが、患者からの相談にはデータを紹介し、「少し続けてみては?結果
を聞かせてください」と応じている。
 
グルコサミンを様々な成分と一緒にしたものもあるが、組み合わせの効果もほとんど
わかっていない。
使うかどうか。
現状ではいろいろなデータを理解し、納得した上で決めるしかなさそうだ。


日本では2005年、整形外科医や医学研究者、獣医師、企業などが「グルコサミン
研究会」を設立し、作用や効果の仕組みなどについて研究発表を行っている。
人間以外にも、関節症の犬やウサギに与えた効果などが報告されている。
 
研究成果は「グルコサミン研究」1~3巻として発刊されている。
問い合わせは、順天堂大医学部整形外科学講座内にある同研究会事務局(電話O3・
3813・3111代表)。

出典 朝日新聞・朝刊 2008.3.30
版権 朝日新聞社   



「グルコサミン研究会」
http://www.glucosamine.jp/about.html
グルコサミン研究会が開催され、研究内容を発表
http://www.e-expo.net/news/2006/02/post_56.html

グルコサミン研究会 / 民間企業も参加、第1回研修会を順天堂大学にて開催
http://www.e-expo.net/news/2006/09/20060906_01.html

<自遊時間>
昨朝、NHKの番組、「生活ほっとモーニング」でフジコ・へミングさんがゲスト
出演していました。
一緒に観ていた女房の一言。
「あんなに指が太っててよくピアノが弾けるね」

「指先は多分太っていないよ」と言おうと思いましたが、言えば反撃が待っている
ので・・・。


この人にトキメキっ! フジコ・ヘミング
ゲスト:フジコ・ヘミングさん(ピアニスト)
http://www.nhk.or.jp/hot/onair_old/index.html
苦難の人生を乗り越え、今や世界的に活躍するピアニスト、フジコ・ヘミングさん。
スタジオでの演奏をまじえ、人生のこと、母親への思い、恋愛についてまでたっぷりと
伺いました。
●世界を舞台に活躍中
現在、パリと日本で一年の半分ずつを過ごし、ヨーロッパやアメリカでも世界的なオーケス
トラや演奏家との共演が続いています。
フランスの人気バイオリニスト、ローラン・コルシアさんと行った4月のコンサートの様子
を見ながら、音楽にかける思いを伺いました。
●母への思い
フジコさんの母親・投網子(とあこ)さんもドイツ留学経験のあるピアニスト。
子供のころのレッスンの厳しさはなみなみならぬものがありました。性格が合わず、
今でも恨みに思っている部分があるという一方で、大きな演奏会がある時には、
必ず今は亡き母親に語りかけるというフジコさん。複雑な母親への思いを伺いました。
●天国から地獄へ
ウィーン留学中に、世界的指揮者バーンスタインの後援を得て、ソロ演奏会を開くこと
になったフジコさん。
その直前に風邪がもとで聴力を失ってしまいます。
天国から地獄へ突き落とされるような状況の中で感じたこと、人生観の変化を
お聞きしました。
●スタジオ実演♪
耳が聞こえなくなった失意の日々の中でよく弾いていたという、ベートーヴェン
ピアノソナタ第17番「テンペスト」第3楽章をスタジオで演奏していただきました。
●愛するものに囲まれて
人気が爆発し、世界的に活躍するようになっても、住み慣れた東京・世田谷区の自宅で
愛するものに囲まれたつつましい暮らしを続けているフジコさん。ご自宅を取材させて
いただいた映像を見ながら、思い出の品や愛する猫たちに囲まれたプライベートライフ
について伺いました。
生涯で一番幸せな時だったという過去の恋愛エピソードもお話しいただきました。