メタボ健診ってなに?

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このメタボ健診。
われわれ医療界の人間はもちろん、一般の皆さんも医療費抑制につながるかは疑問
に思っている方がたくさんみえます。
結局、国民の健康を願って、というより医療費抑制が眼目ですから動機が不純です。
今週の「週刊朝日2008.5.30」の特集記事に「崩壊!ニッポンの医療 これが元凶だ」
というのがあります。
この中で「経済財政諮問会議」も元凶の一つとしてとりあげられています。

人間の命より道路が大切な政治。

新聞社も○崎県民などが道路と医療や福祉のどちらを真に望んでいるか世論調査
早急に実施して、その集計結果を報道すべきではありませんか。

国に陳情する知事のバックには県民ではなく建築業者がいるのではありませんか。
その証拠に、特定道路財源で一般県民が直接陳情なんかしないじゃないですか。


さてここからは新聞記事からです。(日経新聞



いわゆる「メタボリックシンドローム内臓脂肪症候群)」を調べるための健
診制度が4月に始まった。
メタボ健診の内容や狙いは何なのか。
太っている人だけでなく、多くの国民に影響を及ぼす可能性もありそうだ。

メタボって、そもそもどんな状態のことですか。
「太っていると健康に悪いと昔からいいますが、最近では特に内臓脂肪による肥満
生活習慣病に大きくかかわっていることがわかってきました。
メタボリックシンドローム』とはこの内臓脂肪による肥満に加えて、高血圧、
高血糖、脂質異常のうち2つ以上が該当する状態を指します。
内臓脂肪肥満の基準は腹囲が男性八十五センチ以上、女性90センチ以上です」

「こうした状態は糖尿病などの生活習慣病の一歩手前で、脳卒中や心臓病にも
つながりやすいのです。そこで健康診断を実施して該当者やその予備軍を探し出し、
生活習慣の改善指導を受けてメタボ脱出を目指してもらうことになりました。
これが4月から始まった特定健診・特定保健指導、通称『メタボ健診』です」
 
メタボ健診の具体的な内容は?
「対象は40~74歳の全国民です。企業の健康保険組合、市町村の国民健
康保険など公的医療保険の運営者が健診・指導を実施します。会社員の場合は、会社
で実施している健康診断に腹囲の測定が加わると考えればいいでしょう。問題は国保
に入っている自営業者や会社員OBの人たちです。受診券を送付して近所の医療機関
などで受診してもらうようですが、会社員のようには進まないでしょう。健保組合
などでも従業員の扶養家族にどう受診してもらうかが難題です」

「健診の結果、メタボ症候群に該当することがわかると生活習慣の改善指導を受けます。
最初に面談や講習を受け、その後も3~6月にわたって定期的に専門家から面談や電話
でアドバイスを受けることになります。腹囲は基準以上だったが、そのほかに数値が悪
かったのが一項目だけの場合は最初の面談だけとなります」
 
健診のそもそもの狙いは?
生活習慣病の予防による医療費の抑制です。きちんと健診を受けてもらい、成果を出す
ために新しい仕組みも導入します。健診や指導の受診率などが低い健保組合や国保は、
高齢者医療のために払う支援金を増やすという内容です」

健診結果はどう保管されるのですか。
「各医療保険運営者には健診結果を電子情報として蓄積することも義務化されました。
国民の健康状態が把握しやすくなります。また、この健診情報と患者が病院で治療を受
けたときの診療情報を併せて分析し、どのような医療行為が効率的であるかといった研究
を進める思惑もあります」
 
関連ビジネスも生まれそうですか。
「検診結果情報のデータベース作りなどはIT(情報技術)産業の大きなビジネス
チャンスになります。フィットネスクフブをはじめとして健康指導サービス
を請け負う企業なども増えました。メタボをキーワードとした健康食品も目立って
います」

今後、どうなりそうですか。
「メタボ健診は壮大な実験という面があります。生活習慣病の予防が進み、医療費を
減らすことができるのか、確たる根拠はないためです。健診の受診率を高められるか、
健康指導によって生活習慣を変えられるかなど、まだ不透明な部分がかなりあります」

「データベース化された個人の情報が外部に漏れる危険性もあり、安全対策が必要です。
腹囲85センチ以上の男性は珍しくなく、膨大な数のメタボ症候群患者が現れる可能性
もあるので今後、制度の見直し気運が高まるかもしれません」

出典 日経新聞・夕刊 2008.5.12
版権 日経新聞


<ブログ紹介>
メタボ健診スタートで医療費削減?、ええペナルティで『後期高齢者医療制度』への財政負担を削減するつもりです・・・
http://blogs.yahoo.co.jp/buginnose/32078810.html
メタボ健診 総合的な予防医療政策を (岐阜新聞・社説)
http://blogs.yahoo.co.jp/haruhiro8181/20467453.html

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