毒ヘビにかまれたら

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これから野山に入る機会が増えます。
山で遭遇するのはクマや蜂だけです。
足元にも危険が待ち受けています。

私は都会に住んでいますが近くの公園の散策路の入り口には
マムシに注意」という看板が立っています。
公的機関が立てた看板です。
勿論公園も公共です。
もうそれだけでこわくて入れません。
私は正直、マムシを見たこともありません。
しかし世の中にはそのマムシを食べてしまう人もいることがわかり
ました。


強く締め付けず 早めの受診を

新緑をめでながらハイキングを楽しみたくなる季節です。
虫さされ対策もさることながら、忘れてはいけないのがヘビです。
マムシの被害が出始めるのが、ちょうどこの時期です。
かまれても、慌てるのは禁物、と医師や研究者は口をそろえます。
   
  ■ □ ■

佐賀県の70代女性は夏の日の夕方、畑でミョウガを取っていて、何かに指を
刺された感じがした。
近くの診療所に行ったが、痛みがひどく、手の腫れが治まらない。
佐賀大病院に運ばれ、そのまま入院した。
 
病院ではマムシにかまれたと診断した。
かまれた部分の痛みに腫れという、マムシにかまれた場合の特徴的な症状と検査
結果から判断した。
ただ、女性はマムシを見ていない。
「かまれた本人には、マムシかどうかわからないことが多いんです」と、T教授
(救急医学)は話す。
 
マムシにかまれた場合の腫れは数時間から1日たつと広がってくる。
マムシの毒は出血や壊死(えし)を招くほか腎不全を起こすこともある。
重症だと抗毒素で毒を中和する。
 
ヘビ研究機関・日本蛇族学術研究所群馬県太田市)の堺淳・主任研究員も
マムシの牙は短くて細い。チクッとするだけなので、虫さされや、とげが刺
さったと勘違いする場合も多いのです」と指摘する。

マムシの牙は2本なので、かまれると1センチほどの間隔で二つの跡が残る
はずだが、一つしかないこともある。
かまれるのは足より手が多い。
農作業のほか、都会に住んでいる人でも、山菜・キノコ採りなどに出かけて、
草むらに手を入れてかまれる。
年に10人前後が命を落としているという。
    
   ■ □ ■
 
堺さんによると、九州以北の毒へビは二ホンマムシとヤマカガシ、対馬
ツシママムシ
ヤマカガシは近づいただけではかまれることはほとんどないそうだ。
 
沖縄など南西諸島にいるハブはマムシより体が大きいので毒の量も多い。
ただ「沖縄県では2000年以降、ハブにかまれて死んだ人はいません」と、
県立中部病院(うるま市)のM副院長。
住民はハブの怖さを知っているので、かまれて1時間以内には病院に来るという。
抗毒素などを使った治療の仕組みも整っている。

毒ヘビにかまれたら、病院に行くまで、どういう応急処置をしたらいいか。
 
塀さんによると、ヤマカガシはかみつかれたままだと毒がたくさん入る危険が
増す。
すぐヘビを離し、再度かまれないようにその場所を離れる。
手が腫れて指や腕が締め付けられないよう指輪や腕時計を外す。
吸引器があれば毒を吸い出し、なければ傷口をぎゅっとつまんで押し出す。
 
毒を外に出そうとナイフで切ってはいけない。
血管や神経を傷つけるし、細菌などに感染する危険もある。
かまれた方の腕を強く縛って血行を止める必要はない。
かつて応急措置で傷口を切ったり、強く縛ったりしたが、いまは見直されている。

Tさんは「動脈血まで止めてはいけないが、皮下静脈だけ圧迫する程度に締めた方
がいいと考えている」という。
 
慌てて走ると毒が早く回って重症化の恐れが増す。
病院にはなるべく車で連れていってもらおう。
           
プラスα
動物にかまれて救急処置が必要になるのは、犬の場合が多い。
それも飼い犬がほとんどだ。
M副院長によると、傷を水洗いして、早めに病院に来てほしいという。
 
とくに子どもへの注意が欠かせない。
幼児の顔の高さは犬の口と同じくらいなので、犬にほおず
りなどをしてかまれることがある。
鼻をかまれ、形成外科で再建手術が必要になったこともあるという。
必ず大人が付き添って見守ってほしい。

出典 朝日新聞・朝刊 2008.5.11
版権 朝日新聞社



マムシを食べる
http://www.enoha.net/mamu.htm
マムシをたべてしまったお話です)
マムシ
http://www.ne.jp/asahi/mediart/takutaku/kabuchi/hachi2.htm
(これも食べてしまったお話です。へびって食べれるんですか!!)


<コメント>
きょうはちょっと怖い話になってしまいました。
でも咬まれてから読んでみても遅いということでご勘弁下さい。

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