白内障

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年をとれば誰もが大なり小なりなると言われている白内障
つまり大部分の白内障は病的なものではなく皮膚のシミやシワと同じような老化現象
ということになります。
治療には点眼液もありますが、はっきりいってほとんど効果は期待できません。
白内障の治療は最終的には手術ということになります。
この白内障の手術。
手遅れになるということはありません。
はっきり見えないと生活で困るとか人生観で自分で決めればよいのです。
よく「眼科の先生にはまだやらなくてもいいといわれた」とかいう話を聞きます。
しかし、あくまでも納得してから自分で手術を決断すればよいのです。
それには自分で十分な知識を持っていることが大切です。


手術30分、水晶体とレンズ交換

鮮やかだった庭の緑が、なんだか曇っているような気がする。
視界にそんな違和感を感じたら、白内障を心配したい。
 
白内障は、目のレンズの役割を果たしている水晶体が白く濁ってくる病気だ。
水晶体はたんぱく質でできているが、年をとるにつれ、たんぱく質が変化し
て白くなる。
東京歯科大のB教授(眼科学)は「目の老化現象です。80歳以上なら、だれでも
なっていると思っていい」。

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白内障は、症状によって見えづらさに差がある。
 
かすみやまぶしさが気になり始めたら、周辺からくさび状に濁り始める皮質白内障
これが最も多い。
老眼だったのに近くが見えるようになったら、水晶体の中心から濁る核白内障を疑おう。
ある部分が見えなくなり始める緑内障や、ある部分にかすみがかかったように感じる網膜
剥離(もうまくはくり)などとは違い、全体的にぼやけるのが特徴という。
 
「見えづらくなった」といっても、視力検査ではなかなか診断がつかない。
目の病気の有無まで調べる眼科検診を受けることが大切だ。
Bさんは「50歳を過ぎたら、積極的に受けてください」と勧める。

症状が軽いと、進行を抑える目薬をさす治療法もある。
しかし、白内障は一度白くなると元に戻らない。
加齢性だと進行はゆるやかだが、アトピー性皮膚炎の合併症や糖尿病による白内障だと、
1~2カ月で悪化することがあるので注意が必要だ。
今は手術が主流になっている。
手法はこの30年で大きく変わった。
以前は、麻酔注射をして大きく切開し、水晶体を取り出していた。
時間もかかり、術後の視力の回復度や安定性にも問題があった。
その後、超音波で水晶体を砕く手法が広まった。
切開部分が縮小し、手術時間も短縮したため、件数が増えていった。
    
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手術は、まず点眼薬で麻酔した後、瞳の表面の角膜の端を2,3ミリ切る。
そこから超音波の細かい振動を出す機械を差し込み、振動で水晶体を砕いて吸引機
で吸い出す。
その後、新しいレンズを入れる方法だ。
30分以内で終わり、年約100万件行われている。

それでも、「いきなりの手術は……」と二の足を踏む患者も少なくない。
だが、新しいレンズに入れ替えることで生活の質(QOL)も改善する。

筑波大学のO教授(眼科学)らが、両目の白内障手術を受けた110人(平均年齢、
70.4歳)を対象に、社会生活機能や心の健康などの変化を調べた。
すると、見えづらくて制限されていた車の運転ができるようになるなど、落ち込んで
いた心の健康が、手術後、健康な人と同程度まで改善していた。
大鹿さんは「手術への不安も分かりますが、手術を受けることで、生活や気持ちに
大きな変化が起きます。
みなさん、『よく見えるようになった』と、明るい表情で帰っていきます」と話した。
出典 日経新聞・朝刊 2008.5.19
版権 日経新聞


<参考ブログ>      
白内障と眼内レンズ手術
http://www.asahi-net.or.jp/~pd2k-nim/sub1.htm
知れば怖くない白内障の手術
http://www.hakunaisho.jp/index.html
白内障講義
http://www.hitomi-news.com/hitomi15.html
白内障の症状と治療
http://www.santen.co.jp/health/hakunai.shtml
目の病気・白内障(はくないしょう)
http://www.hakunaisyo.com/haku-1.html


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