甲状腺の病気 バセドウ病

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動悸や息切れ 疲れやすく

診断技術進み早期発見も
毎年20万人以上発生
甲状腺の病気バセドウ病になると、動悸(どうき)や息切れ、体が疲れやすくなるなど、
全身に様々な体調変化があらわれる。
ただ、こうした症状の多くはほかの病気でもよくみられ、確定診断が難しかった。
検査技術が向上し、血液中のホルモン量の微妙な増減をとらえて、早期発見も可能にな
ってきた。

札幌市の大学教員Tさん(31)はある曰、実験中に突然手が震え、器具が扱いにくい
ことに気づいた。
真冬にもかかわらず雪が降る戸外にいても暑くて汗が出てくる。
「不安になったせいか、普段より怒りっぽくなった気がした」とTさん。

新陳代謝活発に
最初は神経の病気を疑い神経内科を訪れたが異常が見つからず、内分泌内科を紹介
された。
血液検査で甲状腺のホルモン値が少し高いことがわかり、バセドウ病と診断された。
甲状腺ホルモンを抑える薬を飲み始めると、約1カ月で症状も気分も徐々に落ちつ
いてきた。
1年経過すると薬を飲まなくてもホルモン値は正常に戻った。
 
バセドウ病では新陳代謝が活発になる。
まるでジョギングをしているような状態で動悸が激しく、息切れし、汗が出やすい。
食欲は変わらないのにやせてきたり、甘い物を中心に食欲が旺盛になって太ったり
することもある。
Tさんのように体の調子がいつもと違うことからいらだち、神経が過敏になる人もいる。
 
最も特徴的な症状が目が飛び出る眼球突出。
ただ、実際にこの症状が出るのは患者の2~3割。
甲状腺の腫れも専門の医師でないと気が付かないこともある。
 
動悸や息切れなどの症状はほかの病気でもよく見られる。
ゆっくり進行するので、初期の段階だと見逃されたりほかの病気と間違えられたりする
ケースも多かった。

ここ数年で診断技術が進化して、専門病院で監査をしてもらえばすぐに診断がつくよう
になった。

若い女性に多い
バセドウ病は毎年20万人以上が発症しているとされる。
女性が男性の約4倍で20~30代が特に多い。
ただ、甲状腺の病気を専門とする伊藤病院(東京・渋谷)の伊藤公一院長は「最近は
男性や高齢の女性にも増えている」と話す。

主な治療は過剰なホルモンの分泌を抑える薬を飲む。
患者のおよそ8割が対象となる。
約1カ月で症状は改善するが、最底1年は飲み続ける。

ただ「再発しやすい病気なので、薬が必要なくなっても定期的に検査を
受けてほしい 」と金地病院(東京・北)のY院長はアドバイスをする。

薬が効きにくい場合は、腫れた甲状腺の一部を手術で切除するか、「放
射性ヨード(アイソトープ)療法」で放射線をあてて細胞を死滅させる。
いずれも患者によって向き不向きがある。

少しでも気になる症状がある人は、甲状腺専門病院に早めに相談して
みるとよいだろう。

出典 日経新聞・夕刊 2008.3.11
版権 日経新聞

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