便秘

イメージ 1

きょうの話題は「便秘」です。

便秘には便が柔らかくても出にくい「弛緩性便秘」と固くてコロコロの便が出る
「けいれん性便秘」があります。
いずれにしても便秘を解消するポイントはきちんと腸を動かすようにすることです。
そのためには
1.ビフィズス菌などの善玉菌を増やす工夫をする。
ビフィズス菌は腸の働きを活発にし、消化・吸収を促進して便秘を防止します)
2.食物繊維を1日20~25グラムと多目に摂取するように心がける。
(穀類、豆類、野菜類、海藻類、きのこ類、果物等)
3.水分をたっぷりととる。
4.朝食は抜かない。
5.朝食後に排便する習慣をつける。
便意がなくても決まった時間にトイレに行きましょう)
6.便意を我慢しない。
便意をもよおしたらすぐにトイレに行くようにしましょう)
7.運動する習慣をつけて腹筋などを鍛える。
(体を動かすことで腸の蠕動運動も直接促し、腹筋をつけることで排便をスムーズ
 にさせます)
8.下剤をできるだけ常用しない。
9.ストレスを溜めない
(ストレスなどで緊張すると、腸も緊張して痙攣を起こし、便秘がひどくなること
 があります)
10.十分な睡眠
(睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こし、その結果として身体のリズムが狂い
 やすくなり、便自体が作られにくくなり便秘になってしまいます)
11.朝起きがけにコップ一杯の水を飲む
(コップ一杯の水や冷たい牛乳で刺激を与えます)
12.一日三回規則正しい食生活
(規則正しい食生活が便秘解消の第一歩です)
13.3食しっかり食事を摂ることで便の量が増え、便意のリズムを整えます。

ビフィズス菌などの善玉菌は、腸に侵入した病原菌や悪玉菌などを減らし、腸のぜんどう
運動も活発にしてくれます。
そして食物繊維は大事な善玉菌が増えるのに必要で、食物繊維自身、便の量を増やして
くれます。
日本食には食物繊維が豊富でしたが、欧米食の普及で、肉食中心になった昨今、私たちの
体は食物繊維が不足状態になっています。
ダイエットなどで食事の量を減らすと、便を作る材料も減って便秘になりがちなので
ダイエットの際には心得ておく必要があります。


<排便時の注意>
同時におへそのまわりを20回なでるようなマッサージをすると効果的。
トイレに座る時間は5分を目安に毎日続けることが大切。
たいていの人は朝食後に反射的に便意をもよおします。
これは胃に食べ物が入ることで胃・結腸反射といいます。
この反射で大腸が大きく動きます。
このために、特に朝食後には便意がなくてもトイレに座る習慣をつけましょう。
   
<関連サイト>
ツヤ肌・理想ボディのための便秘解消術
http://allabout.co.jp/fashion/antiaging/closeup/CU20080628A/index3.htm
(おなかのマッサージ法が出ています)

食事メモし不摂生気づいて

「ここ何日か、おなかが張って仕方がない。トイレに行ってもすっきりしない」。
便秘に悩む人は、汗をたくさんかく夏に増え、重症化しやすいといいます。

   ■ □ ■

便秘は、便が大腸に長くとどまり、水分が吸収されて硬くなった状態だ。
 
「ただ『長く』は何日なのか、定義はありません」。
こう話すのは、国際医療福祉大教授で、同大熱海病院副院長の川口実さん(消化器内科)。
「一般的には3,4日以上便が出ず、おなかが張ったり便の残留感があったりする場合
を言います」

どうすればいいか。
実は、便秘の予防策や解決策はよく知られている。
 
カゴメが今年2月、女性を対象に実施したインターネット調査で、回答した412人の
6割が、「規則正しい生活」「バランスのよい食生活」と答えた。
だが、「実行できている」のは半数以下だった。
 
予約制の便秘外来を開設している松生クリニック(内科・胃腸科、東京都立川市)の
松生恒夫院長のモットーは「難しいこと、値段が高いものは続かない」。
便秘外来で患者の話をじっくり聞き、腸の動きを適切に保つ食事のメニュー(イラスト)
や、1日の過ごし方を紹介している。
 
「食べることで腸を活発に動かすのです」。
外来を受診する人の9割は女性。
ほとんどがダイエットに挑んだ経験がある。
その結果として、胃腸の動きが鈍る。
 
1日1.5~2リットルの水分をとり、食物繊維や、硬水や岩塩などに多いマグネシウ
ム、オリーブオイルなドのオレイン酸オリゴ糖を食事に上手に取り入れるよう助言
する。
 
歩いたり、仰向けで腹部を右から左にマッサージしたりするのも有効という。
 
便秘と痔に悩む患者を診るマリーゴールクリニック(肛門科、東京都港区)の山口トキコ
院長は「便通は体調のバロメーター」と言い、「便通メモ」を勧める。
 
いつ排便があったか、何を食べたかなどを記す。
「不摂生が続いた、といったことがわかり、軌道修正するきっかけになる」
 
胃腸の動きは、食事の際によくかんで唾液が多く出る時や、副交感神経が働いてリ
ラックスした時に良くなる。
ゆっくりお風呂につかることや、寝る前に腹式呼吸をすることも改善につながる。
 
「体調や気分は曰々、変わります。『ああ、今曰も出なかった』と自分を追い込まず、
自分なりの方法を一つ決め、『これさえすれば私は大丈夫』と自己暗示にかけて習慣付け
てみて」と山口さん。

  ■ □ ■
  
ただ、気をつなければいけないのは、慢性便秘の中には、大腸がんや腹腔内の腫瘍とい
った病気が原因の場合もあることだ。
国際医療福祉大の川口さんは「いつ、どんな症状が始まったのか。きちんと医者は問診
をしなければいけません」と話す。
 
病気ではないと磯認した上で、腸を刺激したり便を軟らかくしたりする下剤を使うが、
「薬は飲み続けるうちに量を増やさないと効かなくなる。やはり食事や日常生活を改善
してほしい」。

出典 朝日新聞 H19.9.16
版権 朝日新聞社

<コメント>
食物繊維には、水に溶ける水溶性と、溶けない不溶性があります。
たとえば水溶性の代表例には、ニンニクやドライフルーツ、昆布、もずくなどに多く
含まれます。
この水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを整えます。
不溶性は、ゴボウなどの根菜、木の実や豆などです。
こちらは大腸を刺激し、ぜん動運動を活発にします。
食物繊維を不溶性ばかりでとると便が固くなるので、不溶性と水溶性を2対1の割合で
とるとよいといわれています。

読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。

井蛙内科開業医/診療録(2)
(内科専門医向けのブログです)
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科開業医/診療録 
http://wellfrog.exblog.jp/
(~H20.5.21)
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログです)