子宮腺筋症

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滝沢直次 「果物満載」 F8
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強い月経痛、30~40代に多い

Bさん(43)は3年前ぐらいから月経痛がひどくなり、通常の鎮痛剤がまったく効か
ない。
超音波検査では子宮の前壁が分厚いとの所見を得ている。
子宮腺筋症の疑いがあるといわれた。
 
子宮腺筋症は子宮内膜症子宮筋腫とともに30代、40代によく見られる疾患だ。
子宮腫大から見ると子宮筋腫に似てるが、組織的には子宮内膜症と類似する。
 
子宮内膜症では子宮内膜が子宮以外の骨盤腔にあるのに対し、子宮腺筋症では子宮
筋層に層状に存在する。
月経時に同時に局所で炎症を起こすため、強い月経痛を伴うことは容易に想像できる。
また、炎症の繰り返しにより、子宮筋層は器質化し月経量が増える。
 
超音波検査では子宮筋腫とは異なり、境界不明瞭(めいりょう)な筋層の肥厚像となる。
磁気共鳴画像装置(MRI)では子宮のびまん性肥厚、点状出血、子宮内膜下の疎な部分
の消失が特徴的で、子宮筋腫とは明確に区別できる。

病変は閉経後に変性し、ほとんど無症状となる。
 
治療は出産・妊娠を希望するかどうかで異なる。
希望する場合は、不妊治療を優先、希望しない場合は軽症だと鎮痛剤、中等、重症の場合
プロゲステロン製剤の漸増的投与後に周期的投与、低用量ピルの投与を考える。
症状がひどく子宮摘出にふみきる場合も少なくない。

Bさんはプロゲステロン製剤の漸増的投与後に周期的に投与。
症状によっては手術も致し方ないと考えている。

(田坂クリニック院長  田坂 慶一)

出典 日経新聞・夕刊 2008.3.11
版権 日経新聞


<番外編>

がん予防、運動が効果 男性最大13%・女性16%低下

日常生活でこまめに体を動かしている人ほど、がんにかかりにくいことが厚生労働省
研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)の大規模疫学調査
で分かり、10日までに発表された。
男性の場合、がんのリスクが最大13%、女性は同16%低かった。
特に消化器系のがんは体を動かすことによる予防効果が期待できるという。

研究班の井上真奈美・国立がんセンター室長が、全国の45―74歳の男女約8万人を対象
に約8年にわたって追跡調査した。
アンケートをもとに、通勤や仕事などで1日に体を動かしている量を算出して男女別に
4グループに分類。がんになるリスクとの関係を調べた。
期間中に約4300人が何らかのがんと診断された。

身体活動量の算出には「メッツ時」という単位を使った。
例えば筋肉労働や激しいスポーツは4.5メッツで、1時間続けたときの活動量が4.5メッツ
時になる。歩いたり立ったりしているときは2メッツ。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080710AT1G1000E10072008.html
<コメント>
運動をすると、がん細胞の増殖作用があるとされるインスリン血中濃度が低くなります。
また、免疫機能が向上するなど、様々な要因が絡み合ってがんを予防していると考え
られています。
井上室長は、「激しいスポーツがどう影響するかはまだわからない」と言っています。

さらに運動以外にもコーヒーががん予防になるという報告です。
適度に体を動かし、コーヒーを飲む。
簡単なことのようですが・・・。

報告相次ぐコーヒー派のがんリスク低下

コーヒーを飲む人のがんリスク低下を指摘する調査報告が相次いでいる
コーヒーはカフェインが頭を刺激する働きが知られているが、最近は別の面でも健康
との関係が指摘され始めた。
がんだ。
コーヒーをよく飲む人は膵臓や腸、肝臓のがんにかかりにくい傾向があるという調査
結果が最近相次いで発表され、「眠気覚まし」以外の作用が注目を浴びている。

コーヒーを多く飲む男性ほど、膵臓(すいぞう)がんになる確率が低い・・・。
厚生労働省の研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が
日本がん学会で発表した調査結果だ。

具体的にはコーヒーを1日1~2杯以上飲む男性は、膵臓がんにかかるリスクが、
ほとんど飲まないグループより低かった。
1日3杯飲む男性の危険度はさらに低かった。この結果から見る限りでは、コーヒー
をよく飲む男性ほど、危険度が下がる傾向がうかがえる。

40~69歳の男女約10万人を対象にした大規模な調査の結果だ。
コーヒーを1日に3杯以上飲む人、1~2杯の人、1杯未満の人、ほとんど飲まない
人の4グループに分けて調べた。
平均約11年にもわたる追跡調査の期間中に膵臓がんになった人のコーヒー摂取量との
関係を分析した結果だ。

誤解のないように書き添えるが、この調査結果はコーヒーががん抑制効果をはっきり
持つと示しているわけではなく、コーヒーのどの成分ががんリスクと関係しているかを
明示してもいない。
「コーヒー=がん抑制」と直結して考えるのはいささか早とちりだろう。


本格的なコーヒーのいれ方を学ぶ人も増えてきた
厚労省研究班の別の調査では、コーヒーを1日に3杯以上飲む女性は、ほとんど
飲まない人に比べ、結腸がんにかかるリスクが約半分に下がるという結果が出ている。
女性で結腸がんができるリスクは、1日に3杯以上飲む人の方が、ほとんど飲まない人
と比べて56%低かった。
男性には顕著な関係性は見付からなかった。男性は喫煙や飲酒といった、コーヒー以外
の要因が大腸がんの発症と関係している可能性があるという。

コーヒーを1日に5杯以上飲む人は、ほとんど飲まない人に比べ、肝臓がんの発病率
が約4分の1に低下するというデータも、厚労省の研究班がまとめた調査結果だ。
ほとんど飲まない人の発病率を「1」とすると、毎日1~2杯飲む人は0.52、3~4杯
は0.48、5杯以上は0.24となり、調査の範囲では「多く飲む方が発病しにくい」という
傾向が見られた。
数字を仮にそのまま当てはめれば、コーヒーを毎日1杯以上飲む人は肝がんにかかる
リスクが半減していることになる。

コーヒーを飲む人に肝臓がんリスクが下がる傾向があるという調査結果は、その前に
東北大学の研究チームも発表している。
この調査では、コーヒーを1日に平均1杯以上飲む人が肝臓がんになる危険性は、
全く飲まない人の6割程度という数字が出た。

精神面でのリラックス効果は多くの人が認めるところ

これら2つの調査結果も、コーヒーのどの成分が直接的にそれぞれのがん防止に効果を
発揮するのかを明らかにはしていない。
統計的に見て因果関係がうかがえるという程度の分析であり、「コーヒーが○○に効く」
という短絡的な思いこみは禁物だ。

コーヒーには健康上のマイナス面もある。
カフェインは交感神経の働きを活発にするので、血圧や脈拍が上がりやすくなる。
血管系の重い病気を患っている人は避けるのが望ましい。妊娠中の女性も飲み過ぎは禁物だ。
もちろん、眠気を抑える働きがあるので、不眠を誘うおそれもある。

手軽に飲めるチルドカップ・タイプの商品が市民権を得た
全日本コーヒー協会のサイトでは、ほかにも、心臓の拍動を高めて血流を良くする効果や、
腎臓の働きを活発にして、老廃物の排泄を進める作用、二日酔いに伴う頭痛を和らげる
メリットなどが紹介されている。
しかし、ストレスの多い現代人にとってやはり一番ありがたいのは、コーヒーの香りが
もたらすリラックス効果だろう。
ストレスはあらゆる病を助長する源。
ふくよかな香りとまろやかな味わいでストレスから解放される一瞬は万薬にも代え難い。

調査会社のエルゴ・ブレインズが実施したアンケート調査によれば、コーヒーを飲む頻度
は「1日に2杯以上」が48%だった。
「1日に2杯以上」の割合は、年代別では50代以上が61%で最も高い。
次いで40代の54.9%。年代が上がるにつれて、コーヒーを「1日に2杯以上」飲む割合が
高くなる傾向が見られ、「大人ほどコーヒーを飲む」傾向が見て取れる。
http://waga.nikkei.co.jp/comfort/life.aspx?i=20071018g3000g3


読んでいただいて有難うございます。
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