凍結マウスからクローン

理研、凍結マウスからクローン マンモス復活に道

理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの若山照彦チームリーダーらは、16年間
凍結保存したマウスの死体から正常なクローンマウスを作ることに成功した。
マンモスなど絶滅した動物を、現代に復活させる技術開発の足がかりになる成果だ。
米科学アカデミー
紀要(電子版)に4日、掲載された。
 
若山チームリーダーらは、クローン作りにマンモスが発見されるロシアの永久凍土のような
セ氏零下20度で保存したマウスを利用した。
凍結すると細胞は壊れてしまうが、脳をすりつぶして得た細胞の核を、別のマウスの核を
取り除いた卵子に移植。
これから万能細胞の胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を作り、さらに2度目の核移植など
してマウスの子宮に入れたところ、クローンマウスが生まれた。
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実験で生まれた4匹のうち2匹はすぐ死んだが、残りは正常だった。
凍結保存した期間が長くても正常に発育し、生殖能力にも問題はなかった。
脳以外の血液などでもクローンが作れるとみているクローン技術には卵子が必要になるが、
絶滅したマンモスを復活させる場合、種が近い象の卵子など使う方法が考えられる。
また海外では絶滅寸前のオオカミや水牛で、それぞれの近縁種である犬や牛の卵子を使って
クローン作りに成功した例もある。
若山チームリーダーは「マンモスを復活するには課題が多いが、道筋をつけることができた」
と話している。
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出典 日経新聞・夕刊 2008.11.4
版権 日経新聞

<コメント>
「死滅細胞からクローン」技術という内容のニュースです。
理論に追い付いたということでしょうが、どうしてもクローン人間を思い浮かべてしまいます。
何だか恐ろしい気もします。

マンモスなどの絶滅動物をクローン技術で復活させる考え方は、クローン羊ドリー誕生の発表
(97年)以来繰り返し議論されてきたことです。

しかし、完全に死んだ細胞からのクローンの作成は今まで技術的に不可能だした。

若山照彦理化学研究所チームリーダーは98年、世界初のクローンマウスを作った方の一人
です。
核を操作するガラス管や培養液の工夫など技術面で改良を積み重ねて今回の成果を得たと他の
報道解説でありました。

クローン技術は、ある細胞と同じ遺伝情報を持った細胞を作る手法として研究が続けられて
きました。
しかし、昨年の山中伸弥・京都大教授によるiPS細胞(人工多能性幹細胞)の開発で状況が
一変しました。
クローン技術は卵子を使うため、特にヒトへの応用面で倫理的な問題が指摘され、卵子
使わないiPS細胞はこの点で優位に立ちました。
人間の病気を治す再生医療用ではiPS細胞が間違いなく有利です。

一方、クローン技術の優位性が今でもあります。
それは同じ遺伝情報を持つクローンES細胞がiPS細胞よりはるかに容易に増やすことが
出来るからです。


<きょうの一曲> "ワインレッドの心"
53秒で聞く「ワインレッドの心」(安全地帯)
http://video.taggy.jp/detail/187181384
ワインレッドの心
http://jp.youtube.com/watch?v=HGy6AH-RR0U
ワインレッドの心
http://jp.youtube.com/watch?v=isLjC8na08Q&feature=related
安全地帯 「ワインレッドの心」
http://jp.youtube.com/watch?v=_X03u_MltGk&feature=related
ワインレッドの心 / 井上陽水
http://jp.youtube.com/watch?v=hQcJzYBxgkE&feature=related
ワインレッドの心 by 美空ひばり
http://jp.youtube.com/watch?v=zIWb685-RNY&feature=related


読んでいただいて有難うございます。
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