子宮頸がんワクチン

ご存知の方も多いことと思いますが、今年のノーベル医学生理学賞は、AIDSを引き起こす
ウイルスを発見したリュック・モンタニエ氏とフランソワーズ・バレシヌシ氏、ヒトパピ
ローマウイルス(HPV)が子宮頸がんの原因であることを突き止めたハラルド・ツア・
ハウゼン氏の3氏に贈られました。
子宮頸がんの原因が、このヒトパピローマウイルス(HPV)であることを、ハウゼン氏の
受賞の新聞記事で知った方も多いのではないでしょうか。
きょうは、この「子宮頸がん」をとりあげてみました。

子宮にできるがんを子宮がんと呼んでいますが、子宮がんは、がんができる場所によって
子宮頸がんと子宮体がんの2つに分けられます。
このうち子宮頸がんは子宮の入り口に出来るがんです。
日本では、この子宮頸がんが圧倒的に多く、子宮がん全体の約70~80%を占めています。
子宮頸がんと子宮体がんは全く異なるがんで、できる場所が異なるだけでなく、原因やなり
やすい年代も異なります。
子宮頸がんは子宮の入り口(頸部)にできるがんで、がんになる原因が解明されています。
最近では20~30歳代の若い女性に急増しています。
また子宮頸がんは検診により、がんになる前に発見することができるので、定期的に検診を
受けることがとても大切です。
子宮がん検診と一般的にいわれているのは「子宮頸がん」の検診に相当します。
したがって、正しくは「子宮頸がん検診」と呼ぶべきものなのです。
一方、子宮体がんは赤ちゃんが育つ場所(体部)にで きるがんで、閉経後の女性(50歳~)
に多く見られます。


まず子宮頸がんの症状についてお話します。
初期の子宮頸がんはほとんど自覚症状がありません。
当然のことながら、がんが進行すると症状が現れます。
月経でないときの出血(「不正出血」といいます)や、性交渉の際に出血がみられる
こともあります。
その他には茶褐色、黒褐色のおりものが増えたり、月経の量が増えたり長引いたり
するような異常が出ます。
場合によっては下腹部や腰が痛むといったような非定型的な症状が出る場合もあります。

子宮頸がんの治療上の特徴は予防のための「子宮頸がんワクチン」があることです。

子宮頸がんの予防ワクチンはアメリカをはじめ世界の100ヵ国以上で承認され2006
年以降多くの女性に使用されています。
非常に残念なことですが、我が国では現在のところこのワクチンは承認されていません。
万有製薬(メルク社)とグラクソ・スミスクライン社が厚生労働省に承認申請をして
いるところです。
早く承認されるといいですね。

子宮頚がん関連の記事の紹介です。
イメージ 1

出典 朝日新聞・朝刊 2008.11.16
版権 朝日新聞社

<子宮頸癌 関連サイト>
子宮頸癌
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%90%E5%AE%AE%E9%A0%B8%E7%99%8C


子宮頸がん・症状と検査
http://xn--v8jxh957j0ka469w.taya8.info/

財団法人国際医学情報センター:がん Info / 子宮頚部がん
http://www.imic.or.jp/cancer/c2013.html
(以下のまとめがのっています)
・子宮頚がんは、子宮頚部の組織に悪性(がん)細胞が認められる病気です。
・ヒトパピローマウィルス(HPV)感染が子宮頚がんの発生する主要なリスク
 因子です。
・通常、早期の子宮頚がんには顕著な症状はみられませんが、毎年の定期検査で
 早期に発見できます。
・子宮頚がんを疑う症状としては、性器出血、下腹部の痛み、腰の痛みなどが
 あります。
・子宮頚がんを発見し、診断するために子宮頚部の検査を行います。
・諸条件により治療法や予後(治癒の可能性)が異なります。

オレンジクローバーキャンペーン 子宮頸がんに私はならない!
http://www.orangeclover.org/


<きょうのサイト>
ノーベル賞 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E8%B3%9E
ノーベル賞受賞者は受賞後にノーベル・レクチャーと呼ばれる記念講演を行うのが通例
になっている。
その後、ノーベル賞受賞者ストックホルム大学やストックホルム経済大学などの大学の
学生有志団体が毎年持ち回りで行うパーティーに出席し、そこで大学生らと希望する受賞者
はさらなる躍進を願っていっせいに「蛙跳び」をするのが慣例となっている。
<コメント>
ノーベル賞受賞者が「蛙跳び」をするって本当なんでしょうか。
大抵そんなことが出来ないような高齢者のような気もします。
アキレス腱を切ってしまった受賞者はいないんでしょうか。