血小板減少

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血小板減少、除菌で効果も

「ぶつけた覚えもないのに青あざができる」「歯を磨くと出血しやすい」といった
症状が出たり、「健康診断で血小板が少ないと言われた」という人は特発性血小板
減少性紫斑病の疑いがある。
出血を止める働きをする血小板に対する自己抗体ができ、破壊されるために減少する
という。
 
日本には約2万人の患者がいる。
子どもだけでなく大人にも多い。
女性の患者が男性の3倍という統計もある。
慶応大学の池田康夫教授は「血小板が減る病気は多いので、まず専門医に正確な
診断をつけてもらうのが重要と指摘する。
 
診断が確定したら、副腎皮質ステロイドなどの薬で治療していく。
子どもの場合は急性型のことも多く、自然に治癒するという。
最近では胃がんなどとの関連性が強いとされる「へリコバクターピロリ菌」に感染
しているかどうかを検査し、除菌すると効果があることがわかってきた。
 
細かい仕組みは研究中だが、「もし陽性なら除菌するのがいい。除菌によって半数
以上の患者で血小坂数が増え、完全に正常数になる人もいる」(池田教授)という。

出典 日経新聞・朝刊 2008.12.7
版権 日経新聞


<関連サイト>
特集 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)
http://www.twmu.ac.jp/DNH/mce/geka/geka/news4_2/news4_2_2.html
ピロリ菌が影響する可能性のある病気

鉄欠乏性貧血の原因の一つかもしれない。
鉄が足りないための貧血のタイプの一つで大変ポピュラーです。生理のある年齢の
女性に好発します。
大抵は鉄剤の服用で治癒します。女性は生理の出血が多いためになりやすいのですが、
それらの原因を除去しても難治の貧血がたまにあり、その際ピロリ菌除菌で軽快した
との報告もあります。

血小板減少性紫斑病の原因の一つかもしれない。
皮膚に紫のあざがいっぱいできて口から出血、鼻血などもでます。
検査をすると血を止める働きをする血小板の数が激減している病気です。
原因不明のこともあり、今まではステロイド、免疫蛋白注射、手術(脾臓摘出)が
行われていました。
最近はピロリ菌除菌で治癒したとの報告が多くなっています。

じんましん、心筋梗塞の原因の一つかもしれない。
まだよくわかっていないのですが、心筋梗塞とピロリ菌の感染率の相関があること
からなにかピロリ菌が悪さをしている可能性が指摘されています。
また原因不明のじんましんに対して除菌し、治癒した報告があります。

一方、ピロリ菌がよいことをしている可能性があるということの一つに
食道癌を予防しているかもしれない。
ということがあります。
おそらく、ピロリ菌の出すアルカリ性の物質が胃酸を弱めて、胃液が逆流した時
食道をいためるケースが減少すると推測されていますが、ピロリ菌は胃癌の原因の
一つであると確信されているので、胃癌と食道癌の発生率を考えると、やはり
いない方のメリットが多いと思われます。


トピックス:ヘリコバクター・ピロリ
http://www.shiki-minami-cl.e-doctor.info/disease/pyrori.htm
ピロリ菌と胃以外の疾患
突発性血小板減少性紫斑病(ITP)との関連が有名で,ピロリ菌の除菌により血小板数
の増加がみられます。
60%の症例で有効とされ,ステロイド療法や脾臓摘出をすることなく,軽快もしくは
治癒が得られています。
その他,鉄欠乏性貧血や慢性蕁麻疹,虚血性心疾患などとピロリ菌との関係も次第に
明らかにされつつあります。