冬のかゆみ

冬になると、皮膚がかさついて、あちらこちらがかゆくなることがあります。
ひどい場合にはかゆくて、睡眠が障害されたり、かいた結果として湿疹(注1)
ができることがあります。
症状が強くなる前に対策することが大切です。

対策の主なものとして、保湿剤を使う、皮膚に刺激を与えない、部屋の湿度
に気をつける、といったことがあげられます。
この中で、きょうはスキンケアとしての保湿剤の使い方、と皮膚への刺激を避
けるという2点についてお話します。

1)保湿剤
皮膚の表面に、人工的な膜をつくることにより外部からの刺激を受けないよう
にし、さらに水分の蒸発を防ぎます。
1週間ほど使ってみて、効果がありそうな保湿剤を続けます。
○ 朝晩、たっぷり塗る
使用量が少ないと十分な効果が得られません。
塗る回数も最低朝晩の2回は塗るように心がけてください。
○ 入浴後10分以内に塗る
入浴直後は角層に水分が吸収されているので効果的です。
時間をあけると水分が短時間で蒸発してしまうため、入浴後10分以内に塗ります。
入浴1時間後は入浴前より、かえって皮膚角層の水分量が減っていることが知られ
ています。
○ 強い力ですり込まない
皮膚になじませるように、手のひらでやさしく塗ります。
強くすり込むとかえって皮膚を刺激してしまいます。
○ 冬の間は続ける
途中で中止すると、再び皮膚が乾燥することがあります。

2)皮膚に刺激を与えない
○ ごしごし洗わない
タオルやブラシで体を強くこすると、当然のことながら角層が乱れます。
石けんの泡でやさしく体を洗うようにします。
湯の温度はあまり高くないようにします。
高いと、皮脂膜や角質細胞間脂質が湯に溶け出して失われたり、入浴後に体がほてっ
てしまってかゆくなります。
長湯もよくありません。
イオウ入りの入浴剤はかえって肌を乾燥させます。
湯に入るだけで汚れは落ちるの、皮脂や汗の少なくなる冬は、石けんを使用するのは
週に1~2回にします。

○ 衣類に気をつける
静電気がかゆみの原因になることがあります。
静電気の起きやすい素材を重ね着するととくにかゆくなります。


保湿剤を使っても症状が改善せず、かえって悪化する場合、春になっても改善しない
場合は受診が必要です。
そのような場合は、皮膚科の病気としては「アトピー性皮膚炎」「じんましん」「白癬
(みずむし)」「乾癬」の可能性があります。
内科的な病気としては「肝硬変」「腎不全」「糖尿病」「胃がん・肺がんなどのがん」
白血病・貧血などの血液の病気」がかんがえられます。

(注1)
乾燥から起こる湿疹には
皮脂欠乏性湿疹
貨幣状湿疹
自家感作性湿疹
などがあります。

イメージ 1

小泉守邦・湖の朝・サムホール
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<切り抜き帖>
■吾々はとかく馬になりたがるが、牛には中々なり切れない。
  (夏目漱石
朝日新聞・朝刊 2008.1.3 「天声人語

■米国は、21世紀初めに単独行動主義と市場万能主義でつまづいた。
朝日新聞・朝刊 2008.1.3

<診察椅子>
正月明けそうそうに珍しい患者さん(Aさん)が見えました。

私「どうされました?」
Aさん「年末に九州に帰省する途中で大阪によってひどい目に遭いました」
私「それで」
Aさん「名物のたこ焼きを食べて、口の中に大ヤケドをしました。何か
口内炎の薬を下さい」

大阪では知らない人のいないぐらいに有名な店だそうです。
当日も100メートルの行列が出来ていて家族に並ばせて、その間に目の
前のパチンコ屋でパチンコをやっていた後の出来事だったようです。
大きくて中がクリーミーな内容で、とても熱かったようです。
せっかく並んで手に入れたたこ焼き。
即座に吐き出すにはもったいな過ぎたようです。

パチンコは1000円が2万円になったとのこと。
悲喜交々(こもごも)の思い出深い大阪になりました。

かくいう私も、今朝の七草粥で口の中をヤケドしてしまいました。

七草粥のセットの説明書には正直に(?)自信なげに効能がかいてあります。

セリは消化を助け、黄ダン症状の改善を促すとか
ナズナは・・・とか
オギョウは・・・とか
ハコベラは・・・とか
ホトケノザは・・・とか
スズナは・・・とか
スズシロは・・・とか
このような言い伝えがあります。

本当に効くんかいなといったところです。

<自遊時間>
今朝のニュースの中で、アナウンサーが「城下町の街並み美化のために電柱の
埋め込み工事が始まりました」と言っていました。
もう一度言うかと耳を澄まして聞いていたら、2回目は「電線を埋め込み・・・」
と言っていました。
はたして空耳だったのでしょうか。

読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。
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