子宮体がん(子宮体部がん)

乳がん術後で大学病院で抗がん剤を使用中の女性が、他の慢性疾患で
当院に通院中です。
ホルモン療法のため子宮体がんのチェックも必要とのことです。
手術後も厳格な観察が必要な乳がん
大変だなと思うとともに、子宮体がんも早期発見はどのようにして
行われているのだろうという疑問がわいてきました。

<関連サイト>
タモキシフェン
http://www.okusuri110.com/dwm/sen/sen42/sen4291003.html

タモキシフェンによる再発予防に
さらに継続治療を行うと効果的
http://www.gsic.jp/cancer/cc_18/hrm03/

がんナビ:タモキシフェンによる乳がん予防は投薬後も長期間続く
http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/news/post_346.html




ゾラデックス
http://www5d.biglobe.ne.jp/~ko-yam/hormon-2.htm
Leuprorelin (リュープリン) versus Goserelin(ゾラデックス)
http://breast.exblog.jp/5883954/

標準療法にZoladexを追加することで、閉経前早期乳癌患者に効果がある可能性
http://www.cancerit.jp/cancer_references/archive/No218_zoladex.html



きょうは子宮体がんのお話です。

■子宮の出口付近(膣に近い部分)を子宮頚部、子宮の上部つまり袋の部分
を子宮体部と呼び、それぞれの部位に生じるがんを子宮頚部癌または子宮頸
がん、子宮体部癌または子宮体がんとよび区別して考えられます。

■子宮体部がんの発生する率は子宮頚部がんに比べて少なく、以前は10%
未満でしたが最近は子宮体部がんの患者さんが増加傾向で子宮がん全体の2割
~3割程度になってきました。
ここ10年では全体の半分は子宮体がんという報告もあります。
子宮がん全体の患者数は大きな変化はありません。
子宮体がんは40歳代から増え始め50歳~60歳代で最も多く、閉経期前後から
閉経期以降比較的早い時期の疾患です。
最近では40歳代を中心に増えています。
閉経前にも起こりえます。

■子宮体ガンになる可能性が高いのは
1)閉経後の女性、
2)未婚の女性
3)妊娠・出産の経験がないか、または少ない女性
4)動物性脂肪を好む肥満体の女性
エストロゲンは体の脂肪組織でも作られます)

このような女性は同時に乳がんの発生率も高くなることがわかっています。
また乳ガン治療に使われるタモキシフェンというホルモン剤を長期間使って
いると子宮体ガンになる確率が上昇すると言われています。
子宮体ガンの発生には女性ホルモンのエストロゲンが大きく関与している
ことが分かっています。
このエストロゲンは子宮内膜の増殖に関連します。

■子宮体ガン(子宮体部ガン)の症状
子宮体ガンは比較的初期のうちから不正出血(月経以外の性器出血)が
起こります。
約9割にみられる症状です。

・月経以外におかしな出血が長く続く
・閉経期の頃月経の上がりが悪い
・閉経後に不正出血がある
こんな場合は、子宮体ガンを疑う必要があります。

不正出血の他にも、排尿痛または排尿困難、性交時痛、骨盤領域の痛み
などの症状が現れることがあります。


集団検診や市町村の子宮ガン検診というは、子宮頚部ガン検診のことです。
したがって子宮体ガンのチェックはできません。
思い違いしないようにして下さい。

子宮がん(頚がん、体がん)は早期に発見して治療を受ければ治る可能性
の高いがんです。
早期発見には定期的ながん検診が大切です。

<参考サイト>
子宮ガン.com
http://xn--a-zeu7j.sblo.jp/