外反母趾の予防と対策

外反母趾は一定以上まで進行すると、ヒールをはかなくても、歩くだけで進行して
しまいます。
きょうはこの話題をとり上げてみました。

外反母趾とは

外反母趾(がいはんぼし)は、足の親指が変形し、外側(小指の側)へ曲がっている
状態をいいます。
身体の中心線から見て、親指が外側に曲がっているために外反母趾と呼ばれています。
逆に足の小指が親指の方向に曲がってしまう症状は内反小趾(ないはんしょうし)と
いいます。

外反母趾はハイヒールなどの靴が原因で起こる」とよく言われます。

立ったまま行なう仕事が増えたことも原因の一つです。
そして家族性に発症する傾向があるともいわれています。
女性に多いのはハイヒール以外の原因として、関節が柔らかく、筋肉の発達も弱い
ためになりやすいと考えられます。
親指の長さが足指でもっとも長い場合にも外反母趾になりやすいとされているよう
です。

軽い例も含めれば中高年の女性の約半分が外反母趾で男女比は1:10と圧倒的に女性
に多い病気です。
頻度は多くないのですが、ハイヒールを履かない子供や男性にも見られます。
原因の多くは足の横アーチを形成している中足関節の靭帯が緩くなるためです。
ハイヒールなどの靴は二次的要因で、足指の機能が低下して弱った足先がいつしか
靴型に合わされてしまうのです。

ちなみにヒールが高くなればなるほど、足先にかかる体重の割合は増え、多い場合
には体重の80%から90%の負荷が足先にかかるといわれます。
一方、普通の靴で立っているときには、踵と足先の両方で体重を支えています。
従って両者の体重負荷の割合は、5対5から6対4になり、体重の50%から60%
の負荷ですみます。

外反母趾の予防と対策

ハイヒールをどうしても履かなければならない女性は、靴の選び方と靴の履き方に
注意します。
足がなるべく前に滑らない、そして立ったときにも指先にゆとりがあって指が動く
ハイヒールを選ぶ必要があります。
ヒールが低ければ足が前に滑りにくいのは当然として、踵から土踏まずの形状が踵
をしっかり包み込んでいて、靴の内側の材質も滑りにくく、靴の甲革が出来るだけ
足を覆っている(足の指より深い)ハイヒールを選ぶのがいいようです。
そして甲革の形が三角形よりはスクエア型、さらには靴の先端が中指寄りよりは
親指寄りの方がよいということです。

さてウイズって言葉をご存知ですか。
私は知りませんでしたが、何でも親指と小指の付け根をむすんだ辺りの足の周りの
長さのことをいうようです。
理想はこのウイズがぴったりでその先の足の指が少し動く感じがいいとのことです。
さらに細かいことになりますが、夕方は足は0.5cmむくんで大きくなるという
ことで靴を選ぶときは夜、店で選ぶとよいといわれています。
これって、常識かも知れません。

時と場所、機会に応じてこまめに靴を履き替えるなど、少しでもハイヒールを履く
時間を短くする工夫も大切です。
通勤にはスニーカーを、会杜では指が自由に動くパンプスを、そして必要な時だけ
ハイヒールを履くというようにするといいかも知れません。
無理かも知りませんがハイヒールを履いたら、出来るだけ長く歩かないことです。


足の変形が頭痛、肩こり、腰痛、膝痛、肥満まで引き起こしてしまう?
外反母趾がひどくなると、足が痛くて歩けなくなり、足の変形のために普通の靴が
履けなくなります。
痛みのために無理な歩き方をしていると、脚が疲れやすく、膝や股関節に負担が
かかってまで膝痛や股関節痛が起きてしまいます。
膝や腰が痛い、肩こり、頭痛がするのに、その部分には異常が認められない時、
まず足を疑ってみる必要があります。

外反母趾になると、足の一部分に無理なねじれや体重が集中し、身体に
アンバランスが生じます。
足指が地面から浮いたり、縮こまったりして足の指に力が入らず、ますます不安定
な歩き方になります。
一度、外反母趾になると、ハイヒールをやめて痛みが軽くなっても油断できません。
それは親指の曲がりは、歩くだけで自然に進行するためです。

外反母趾の原因は、「女性、素質、ハイヒール」と言われています。
今までの話のようにハイヒールだけが原因というわけではありませんが、ハイヒール
や先細の靴を履くのを止めるということだけが、自分で出来る外反母趾の予防対策
ということになります。

外反母趾のステージ分類

外反母趾の時期は、可逆期、拘縮(こうしゅく)期、進行期、終末期に分けられます。
可逆期(代償期)
足の親指が外側に曲がっていても、内側に曲げようと自分で力を入れたり、外から力
を加えれば、簡単に指の位置が元に戻る時期です。
拘縮期(非代償期)
この時期になると、内側の関節包や靱帯が縮んで固まってしまいます。
親指を外側に曲げる内転筋も短くなり、拘縮が起き、外転筋や手の指で、足の親指を
正常な位置に戻そうとしても、元に戻らなくなります。
進行期 (増悪期)
親指のつけねの関節が、親指を曲げる母趾屈筋腱の上から、内側に外れてしまいます。
立っているだけでより外に曲がって行くようになります。
終末期
親指は第二指の下にもぐり込み、親指のつけねの関節は脱臼します。

外反母趾のセルフチェック

最後にセルフチェックの方法を紹介します
■白紙の上に自分の足をのせます。
■できるだけ体重をかけた状態で、親指の付け根を中心に足の前と後ろに定規を当
てて線をひきます。
■そして分度器で、親指が曲がっている角度を測ります。
■その角度が15度以上なら、外反母趾の可能性が高くなります。

<関連サイト>
外反母趾の治療と対策
http://gaihan.fn69.com/info/



外反母趾の治療法ガイド 外反母趾を矯正して楽になりましょう!
http://gaihan.reisik.com/



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