隣人祭り

日経新聞・夕刊2008.12.11のリレーエッセイ「あすへの話題」に分子生物学者の
福岡伸一先生が興味深いお話を紹介してみえました。
私は後半の細胞についての内容に特に興味を持ちました。

http://blog.goo.ne.jp/chorinkai/e/83d08425a79822701b2eb0d7cf6b8ffa
隣人祭り――分子生物学者・福岡伸一「あすへの話題」08.12.11日経新聞(夕刊)
でも、その記事を見ることができます。
以下は、その紹介です。

フランスから来日したアタナーズ・ペリファンさんにお会いした。
隣人祭り」の創始者だ。
この一風変わった名前のお祭りは、10年ほど前、同じアパートメントに住みながら
あまりにも交流がない隣人とのコミュニティを再生するため、気軽に、自由に集
まれる日をせめて年に1度持とう、とパリ17区で彼が始めたイベントだ。
その後、隣人祭りはヨーロッパ各地に広まった。
日本にも紹介され、始まりつつある。

ペリファンさんの話を聞いて、細胞の交流を思い出した。
私たちの身体は、脳細胞、
肝細胞、皮膚細胞という具合に専門化している。けれども、どの細胞も、もとから
自分の天命を知っていたわけではない。
DNAに細胞別の命令が書き込まれていたわけでもない。たったひとつ受精卵として
出発した細胞は、2分裂、4分裂、8分裂と倍々に増えていくが、最初のうち細胞は
どれも全く無個性で平等だ。

しかし細胞数がある程度増えると、細胞は互いに接触し、情報を交換しあう。
どんな会話がかわされているのだろう。
それはたとえていうならこんな感じだ。
君が脳の細胞になるなら、僕は肝臓の細胞になろう。そっちが皮膚を作るなら、
こっちはその下にある筋肉を作ろう。
細胞たちはコミュニケーションを通して、相互補完的に自分の役割を決めていく
のである。
つまり自分の役割を決めていくのである。
つまり自分のあり方は社会性に依存する。それゆえにこそ生命は柔軟で、可変的
であり、また適応的なのだ。
つまり細胞はいつも隣人祭りを心がけている。

ペリファンさんにならって、先日、私も地域の小さな隣人祭りに参画した。
会話の中にささやかな発見がたくさんあった。

出典 日経新聞・夕刊2008.12.11
版権 日経新聞

<関連サイト>
[PDF] パネルディスカッション「つながるくらし」
<緊急対談>田中康夫×アタナーズ・ペリファン
http://www.rinjinmatsuri.jp/main/images/stories/release/081201fujimi-cho.pdf

<コメント>
ペリファンさんの「隣人祭り」。
日頃交流がない隣人とのコミュニティといったところがミソかも知れません。
すでによく知っている隣人と仲良くするかどうかは、まったく個人の自由です。
隣人の場合もそうかも知れませんが、仲のいい隣国というのはあまり聞いたこと
がありません。
仲がよければ併合して一つの国になればいいのです。
仲がよくないから別の国かも知れないし、隣国も隣人も隣り同士故の利害関係
も生じます。

隣人の場合、ある程度どんな人かをお互いに知るのは大切です。
しかし、どんな人かわかって敬して遠ざけたい場合にはできるだけ接触を避ける
のが生活の知恵というものです。

ペリファンさんのいいたいのは、「とにかくお互いに知り合うことから始めま
しょう」ということなのでしょう。

<関連サイト>
隣人祭り発起人アタナーズ・ペリファンさん初来日を密着取材!!
http://www.rinjinmatsuri.jp/blog/?cat=36

隣人祭り」パネルディスカッション=東京
http://www.jiji.com/jc/c?g=jfn&k=2008112800192

<切り抜き帖>
荘子の「無用の用」は、役に立ちそうもない物事が実は有益という教えだ。
朝日新聞・朝刊 2009.1.28「天声人語

■(衆院参院は)醜院、惨院である。
朝日新聞・朝刊 2009.1.28「天声人語

<番外編>
揚げ物鍋かけたまま消防職員が出動、出張所ぼや 名古屋
1月28日夜、名古屋市○○区の○○消防署下之一色出張所から出火、網戸や窓、
壁などが焼けた。
同日深夜に緊急会見した同市消防局によると、出張所の消防職員は全員出動中
でけが人はなかった。
出動前に台所で揚げ物をしていた鍋の油に引火したのが原因だという。

同局によると、午後7時25分ごろ、出張所から南東130メートル付近の
住宅街で「火災が起きている」と通行人から通報があり、同出張所にいた
消防職員が出動した。
当時、この職員は出張所の台所でから揚げを作っていたが、出動時にコンロ
の火を消したかどうか確認しなかったという。

その後、無人になった出張所で油に引火し火事になり、別の通行人が通報。
誤報だった当初の通報の現場から戻った消防職員のほか、市内の別の消防車
が出張所に急行し、5分後に消し止めた。

出張所にはこの職員のほか4人が勤務しているが、4人は市内の別の火災現場
に出動していたという。

記者会見した○○消防部長は「防火を呼び掛ける立場であるのに、市民の皆様に
誠に申し訳ない」と謝罪。
○○消防署の○○署長は「職員らは消防署で自炊しているケースがほとんど。
調理法も含めて、再発防止を考えたい」と釈明している。
http://www.asahi.com/national/update/0129/NGY200901280008.html
出典 asahi.com 2009.1.29
版権 朝日新聞社
<コメント>
消防署で油を使った揚げ物をしているのには驚きました。
今時、自炊というのもなんだか不自然です。
調理法の検討ではなく、自炊禁止でいいのではないのでしょうか。
なんだか滑稽なニュースです。
テレビの記者会見していた署長も心なしか笑いをかみ殺しているようでした。

いつ出動するか判らない状態での唐揚げ作り。
勤務時間中の調理。
ナースにその話をしたら、全国の消防署で自炊をしているようで、テレビでも
そんな光景を見たことがあるそうです。
何でも、消防署のカレーはコツコツ煮込んでおいしいという評判とのこと

何よりも出動したら唐揚げがアツアツではなくなってしまいます。

このニュースで知りたいこと
1)消火器は近くに設置されていたのでしょうか。
2)火災報知器は設置されていたのでしょうか。
3)消防設備の法廷点検は行っていたのでしょうか。

消防設備の法廷点検義務
http://www.minakami.co.jp/newpage007.htm


<番外編>
朝青龍クビ覚悟しろ!理事長怒った!「高砂親方の考え方おかしい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090129-00000012-sph-spo
イメージ 1

土俵上でガッツポーズをする朝青龍両国国技館で2009年1月25日撮影
毎日新聞


読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。
井蛙内科開業医/診療録(3)
http://wellfrog3.exblog.jp/
(H20.12.11~)
井蛙内科開業医/診療録(2)
http://wellfrog2.exblog.jp/
(~H20.12.10)
井蛙内科開業医/診療録 
http://wellfrog.exblog.jp/
(~H20.5.21)
(いずれも内科専門医向けのブログです)
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログです)