タミフル耐性インフルエンザ

現在、日本列島全体にインフルエンザが猛威を振るっています。
今年の話題は何といっても「タミフル」の効かないウイルスが高頻度で検出
されたことです。

以下は最近の日経新聞の「サイエンス」欄の記事の一部抜粋です。

国立感染症研究所の集計(2009年1月16日現在)
「Aソ連型(H1N1型)」と呼ばれるウイルスの98%がタミフル耐性だった。
(昨年は2.6%)
■「リレンザ」には耐性は見つかっていない。
■Aソ連型は、今冬の流行ウイルスの約3分の1を占めていす。
■この耐性ウイルスは昨冬にノルウエーで最初に見つかり、すでに世界各地に広
がっている。
■ウイルスは遺伝子の本体であるRNAが内部に収められ、「HA」と「NA」と
いう2種類の突起状たんぱく質が並ぶ。
■ウイルスは人間ののどや鼻の細胞にHAを使って取り付き、内部に侵入。
■細胞内で自分の遺伝子を複製して増殖すると、もう一つのNAを使って外に脱出し
別の細胞に感染を広げる。
タミフルはこのNAと結合して働きを抑え、ウイルスが脱出できなくして増殖を防ぐ。
■インフルエンザウイルスは遺伝子を複製して増殖するとき高い割合でエラーによる
変異を起こす。
耐性ウイルスは変異によって、NAの構造が従来のウイルスとは少しだけ変わって、
タミフルがNAと結合できなくなり薬の効果がなくなる。
■今冬はタミフルへの耐性だけでなく、強い感染力も獲得したと考えられている。
新型インフルエンザになりうると警戒されている「H5N1型」の場合、鳥の体温
「セ氏約42度」で増殖しやすいため、人への感染力は強くない。
■ウイルス増殖時の複製エラーによる遺伝子変異を「マイナーチェンジ」とすれば、
これと別に、ウイルスは「フルモデルチェンジ」とも呼ぶべき大規模な遺伝子変異を
することがある。
■異なる2種類のウイルスが同じ細胞に感染し、細胞内で互いの遺伝子を交換しあって
混合ウイルスが誕生する。
■「スペイン風邪(1918年)」・・・マイナーチェンジ
  「アジア風邪(1957年)」「香港風邪(1968年)」・・・フルモデルチェンジ
で誕生したウイルスが原因だったといわれている。

新型インフルエンザ
鳥インフルのウイルスはHA(16種類)とNA(9種類)の組み合わせで自然界に
144種類が存在する。
■病原性の強いH5N1型のほか、H9N2型やH7亜型、H6亜型などの複数の
ウイルスが、新型への変異が特に警戒される。
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出典 日経新聞・朝刊 2009.1.25
版権 日経新聞

<番外編>
何気なく新聞の死亡欄を見ていたらこんな記事が載っていました。
これって「ビルマの竪琴」そのものではないんですか。
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朝日新聞・朝刊 2009.1.27

私は映画「ビルマの竪琴」を2回観ています。
旧作と新作(今は随分昔)の両方ともいまは亡き父と観た思いでの映画です。
父とはほとんど一緒に映画なんか観たことはありませんが何故だかこの映画だけは一緒
でした。
おそらく2回目は、旧作で覚えた感激を追体験しようと父に連れていかれたような気が
します。
映画の中で歌われる「埴生の宿」のシーンが私にとってのクライマックスでした。