経皮的椎体形成術

骨粗鬆症が原因で、背骨(脊椎)が圧迫骨折を起こすと、強い痛みが生ずること
があります。
この圧迫骨折は癌の転移などでもみられます。
脊椎圧迫骨折が起きやすい部位は胸腰椎移行部(第11胸椎~第2腰椎)で外傷
がなくても起こります。
従来、このような脊椎圧迫骨折の痛みに対しては、鎮痛剤の投与や安静、
コルセットの使用、外科手術などが行われたり、また、癌の転移による痛みの場合
には放射線治療が行われてきました。
脊椎圧迫骨折の多くの人では骨折そのものは自然に治ります。
しかし、骨癒合が生じず、いつまでも骨折部が離れていて、腰や背なかの痛みが
続いている人に対しては、経皮的椎体形成術により疼痛を軽くする方法もあります。

この経皮的椎体形成術は、脊椎圧迫骨折による痛みの治療法として、1980年代
後半からヨーロッパを中心に行われるようになった新しい治療法です。
1990年代後半より世界的にその有効性が認められるようになり、我が国でも
数年前より一部の医療機関で実施されるようになりました。

「経皮的椎体形成術」は、背中の皮膚から潰れた背骨(脊椎圧迫骨折)に太い針を刺
し、そこから練り歯磨きのような「骨セメント」を注入することで潰れた背骨
(脊椎圧迫骨折)を固める治療方法です。
圧迫骨折を起こした背骨を骨セメントで補強することにより、痛みをやわらげ背骨
の変形を少なくすることが出来ます。

たくさんの骨セメントを注入すると、それが骨の割れ目から外に漏れだして周囲の
神経を圧迫して運動麻痺(動かない)や感覚麻痺(さわってもわからない)を起こす
ことがあります。

多くはありませんが、その他の合併症としては、背骨の中に充填した骨セメントの
一部が血管内に入り、血流にのって肺にまで到達して肺梗塞を起こしたり、体質に
よっては骨セメントが身体に強く反応して血圧が下がってショック状態に陥った例
などが報告されています。

経皮的椎体形成術後は、脊椎の痛みが術後数時間から2日以内に軽くなり、ベッド
から起きあがれるようになります。
退院は、術後3、4日目で可能です。

一方、骨折した背骨が神経を圧迫して痛みが出現している場合には、経皮的椎体
形成術の治療対象にはなりません。
この場合には、神経を圧迫している骨を摘出あるいは削ることにより神経を圧迫から
解放し、その後、人工骨を用いて背骨の固定を行います。

<関連サイト>
骨粗しょう症の治療について(具体的症状・治療方法・薬剤など)のQ&A
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=骨粗鬆症 圧迫骨折&btnG=Google+検索&lr=&aq=f&oq=&aq=f&oq=

椎圧迫骨折に対するセメント治療:経皮的椎体形成術
http://www.takedahp.or.jp/closeup/item6.html

一泊入院圧迫骨折矯正術
http://www.itoortho.jp/spine/fracture/about/



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出典 朝日新聞・朝刊 2008.11.8
版権 朝日新聞社

<自遊時間>
週刊朝日 2009.2.6 
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