こむらがえり

「こむら返り」については、今までにも2回とりあげました。



朝日新聞・朝刊2009.2.23の「体とこころの通信簿」に掲載されて
いましたので、再度とりあげてみました。


眠っているときに、急に足がつって跳び起きる。
多くの人は経験済みの症状だと思いますが、何度も繰り返すと不安になる
ものです。

こむら返りは正式には「腓腹筋痙攣(ひふくきんけいれん)」と呼ばれます。
腓腹筋(ふくらはぎ)や神経が自分の意思と無関係に異常な緊張を起こ
します。
筋肉が収縮したまま弛緩しない状態になり、痙攣などを起こし、激しい
痛みを伴う症状です。

ランニングや水泳などの激しいスポーツを長時間した後や運動中に起こる
ほか、立ち仕事の多い人やお年寄りなどにも多くみられます。

運動で大量の汗をかき、水分補給が追いつかなくなると、脱水症状になり
ます。
そういった状況では、体内のマグネシウムやカルシウムなどの電解質
バランスが崩れたところに、筋肉の疲労が重なります。
その結果、筋収縮がスムーズにいかなくなり、結果としてけいれんが起き
やすくなります。

こむら返りは普段使っていないふくらはぎの筋肉(腓腹筋)の運動神経が
正常な機能出来ず、筋肉の異常収縮を起こしてしまう現象で、運動を長時間
続けて疲れていたり、運動不足などで筋力が落ちていたりする時に起こり
やすくなります。

予防としては、十分な水分補給に加え、普段からふくらはぎのストレッチや
マッサージを心がけ、筋肉の疲労を最小限に抑えます。

もし起きてしまったら、片手でふくらはぎをつかみ、もう一方の手で、ゆっ
くりと足の指全体をすねの方に反らせるようにして伸ばします。
ゆっくりと行うのが重要で、無理に伸ばすと肉離れを起こすことがあります。

この様なある筋肉の異常収縮は、ふくらはぎだけでなく、全身の筋肉で起こり
えるものです。


高齢者は、慢性的な運動不足のために常に腓腹筋が緊張した状態にあり、少し
足を伸ばしたり、少し運動をしただけでもこむら返りを起こすことがあります。
カルシウム不足を起こす妊娠中も起きやすくなります。

また腰椎異常(椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など)が原因で、脊髄神経
を圧迫するために神経の異常な興奮が起こりやすくなり、こむら返りを起こす
ことがあります。
糖尿病や肝硬変そして動脈硬化症や下肢静脈瘤などの血管の病気がある人にも
起きやすいことが知られています。


<参考記事>
イメージ 1

出典 朝日新聞・朝刊2009.2.23
版権 朝日新聞社

<関連サイト>
こむらがえりの原因、治療と予防
http://www.geocities.jp/local_cre1/cause.html

こむら返りはなぜ起きる? (05/10/27)
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/404/404652.html




読んでいただいて有難うございます。
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