朝食について

4月から大学生や社会人になって1人住まいをする人も多いはずです。
前の日の疲れが残っていて朝起きるのが遅くなると、朝食をとる時間もなくなって
しまいます。
朝食は、健康と活力を維持するのに不可欠なものです。しっかり食べて、新生活を
スタートさせましょう。

朝食の意味

私たちの体には太陽が出るとともに目覚め、太陽が沈むと眠るという生体リズムが
組み込まれています。
この生体リズムを崩さないことが、健康と体調を保つのに一番大切なことです。
そのためには、早起きと朝食が不可欠です。

ところが国民健康・栄養調査によると、20代の男性33.1%、女性23.5%が朝食を
しっかりと食べていません。

朝食は脳の働きとも深い関わりがあります。
人間の脳のエネルギー源は「ブドウ糖」という成分です。
睡眠中でもブドウ糖は消費されるので、朝起きたときには脳のブドウ糖は不足して
います。
だから朝食を食べないと集中力を欠いたり、イライラが募って仕事や勉強に支障を
きたすことになりかねません。
また朝食を抜くと、前日の夜から翌日の昼まで絶食となり、低体温が続いて基礎代謝
が低下します。
その状態で昼食や夕食を食べ過ぎれば、肥満にもつながります。


朝食をおいしく食べるコツ

朝は10分でも早めに起きて、食べる時間を作りましょう。
朝食を食べることが楽しみになれば、早起きも苦にならなくなるでしょう。

朝食をとる習慣がついたら、内容にもひと工夫を。
「主食・主菜・副菜」をそろえることが大切です。
朝に、はじめから調理しようとするのは大変なので、前日の夜に少しでも準備して
おきます。
たとえば、ゆで野菜を作っておけば、朝、具だくさんのみそ汁が簡単に作れます。
その中にご飯を入れたおじやもおすすめメニューです。
粥は日本では病気や2日酔いの時のものです。
しかし中国では、朝はまだ胃が目覚めていないという考え方から朝食は粥を好んで
食されます。
また、ゆで野菜を納豆に混ぜたり、食パンにチーズとともにのせてトーストにする
など、栄養バランスのよい朝食が簡単にできます。
果物や乳製品なども添えればより良いでしょう。
自炊を工夫することは健康管理のうえで大切です。

朝食から栄養をしっかりとって、新生活の好スタートを切りましょう。


<参考および引用サイト>
朝食の意味
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/soudan/20080409-OYT8T00653.htm
出典 読売新聞 2008.4.10
版権 読売新聞社

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<番外編>
朝食抜き、将来の健康心配…一人暮らし20代男性3人に2人
基礎代謝低下→肥満→糖尿病・高血圧

朝食を抜く人が増え、20歳代男性は3人に1人、一人暮らしでは3人に2人が
朝食を食べていないという。
朝食抜きは今だけでなく、将来的にも健康を害する危険が高まると指摘されて
いる。

全国の1万人弱を対象に、栄養状態、生活習慣などを調査する国民健康・栄養
調査が毎年行われている。
このほどまとまった2004年の調査では、特定の1日を対象に、その日の朝食
を食べたかを尋ねた。
朝食といっても、飲み物や菓子だけの場合、ビタミンなどの錠剤や栄養補助食品
は含まない。

その結果、朝食を抜いたのは20歳代男性で34%、同女性で22%。1977年
の20歳代男性は20%で、この間に1・7倍に増えた。

特に男性の一人暮らしでは朝食抜きが多く、20歳代では66%、30歳代は41
%、40歳代は25%に上った。

子どもの朝食欠食も多く、1~6歳全体で5%、7~14歳は3%、15~19歳
は12%だった。


朝食を抜くと何が問題なのか。
朝食に関する子どもの健康、生活への影響に関する国内外の研究では、朝食を食べる
方が、
〈1〉肥満が少ない
〈2〉テストの成績が良い
〈3〉体力測定の結果が良い
〈4〉非行が少ない
などの結果が出ている。

東京女子医大名誉教授の村田光範さん(小児科医)は「朝食を抜く弊害は、中高年
になって、より大きくなる」と指摘する。

エネルギー不足に体が慣らされると、体温が上がらず、じっとしている状態でもエネル
ギーを消費する基礎代謝が下がる。基礎代謝が下がると摂取した脂肪が分解されにくく、
肥満になりやすくなり、糖尿病や高血圧などの危険性も高まる。

朝食抜きは、生活習慣病になりやすい体を自ら作っているようなものなのだ。

朝食を食べるようにするには「生活習慣全体を見直し、まず早起きすること」と東京
社会保険病院副院長で小児科医の神山潤さんは提案する。「早起きすれば自然に夜は
早く眠くなり、体の機能を正常に保つのに重要なホルモンが夜間に多く分泌される」

早起きして朝の光を浴び、空腹を感じるころに朝食を食べる。そして1日の活動が始まる。
こうした自然のリズムを作るのに朝食は不可欠だ。

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<関連サイト>
“ソトアサ族”急増中! 日本の「朝食」が変わる !
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20080220/1007248/

仕事“脳力”は「朝食」で決まる
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/370/370688.html
■脳はとても食いしん坊な臓器です。体の中では、体重の2%の重さしかないのに、エネル
ギー消費量では18%も占めています。脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖ですが、脳は
ブドウ糖をためておくことができません。常に血液中からブドウ糖を補給してもらわないと
駄目なのです。
■血液中にあるブドウ糖の何と50%が、脳によって消費されているのです。
■脳に供給されずに余ったブドウ糖は、肝臓にグリコーゲンとして備蓄され、必要に応じて
またブドウ糖に変換されます。しかし、この蓄積も12時間が限界なので、血糖値は一日の
うちで朝食前に最も低くなります。つまり、朝起きたとき、脳はすでにエネルギー不足に
陥っているというわけです。

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出典 朝日新聞・朝刊 2009.3.30
版権 朝日新聞社