脳ドック

春は健診の季節です。
最近は、人間ドックだけではなく、脳ドックの受診にも助成金を出す健康保険組合や共済組合が増えています。

55歳を過ぎたら一度脳ドックを受けてみるとよいという専門家もいます。
親や血縁のある身内で脳梗塞脳出血を患った人、特にクモ膜下出血になった人がいる場合は、40歳でも一度は受診が勧められます。
脳ドックで最も見つかる可能性が高いのは「隠れ脳梗塞」と呼ばれる自覚症状のない脳梗塞や、脳・頸動脈の硬化や狭窄、および脳動脈瘤などです。

脳ドックで異常を指摘された場合、脳内に爆弾をかかえたような気分になってしまいます。それが怖くて脳ドックへの足が遠のき勝ちになります。
しかし、50~60代の日本人なら、小さな脳動脈瘤や隠れ脳梗塞、微小出血は珍しくありません。
異常が見つかっても生活習慣の改善や経過観察で済むことも多いので、検査を過度に怖がる必要はないのです。

脳ドックとは?
厚生労働省による人口動態統計では、脳卒中で亡くなられた方の半分以上が脳梗塞で、くも膜下出血が11%を占めることを示しています。
脳梗塞は脳の動脈硬化が原因となります。
一方、くも膜下出血は血圧が高いということがきっかけとなり脳動脈にできたコブ(動脈瘤)から出血して起こります。

これらの動脈の変化をあらかじめ知っておけば、かなりの部分は対策が立てられ予防ができます。
しかし、今までは脳の血管をみることは大変困難でしたが、新しいMRI、MRAの技術はそれを解決しました。
皆さんの脳の血管がきれいに画像としてとらえられるのです。
動脈硬化の程度や動脈瘤の有無がわかります。


#今、なぜ「脳ドック」か?
今、脳の健康管理の重要性が認識され、脳の病気の早期発見や予防を目的とした「脳ドック」が注目を集めています。
 
第一線で活躍されていた方が、定期的に人間ドックを受診されていたにもかかわらず、脳の病気で突然倒れてしまうケースが非常に多く、年間14万人が脳卒中で死亡する現状があります。(脳卒中の総患者数は推定170万人で脳梗塞が6割、脳出血が3割、クモ膜下出血が1割の頻度)

また、脳ドックにおいて自覚症状のあらわれない無症候性脳梗塞(受診者の20%~30%にみられます)や高齢化社会の進む中で認知症およびクモ膜下出血の原因となり得る脳動脈瘤も見つかっています。
最新鋭の診断機器により詳しい脳の状態を把握し、早期発見、早期治療が可能となってきました。

どんな人が検査を受けるのでしょうか?
http://www.jichi.ac.jp/braindock/sub2.htm
(図入りで詳しく解説されています。)

<参考および引用サイト>(一部改変)
脳ドックとは?
http://www.jichi.ac.jp/braindock/sub1.htm

<参考記事>
脳ドック

動脈瘤の手術の判断
動脈瘤が発見されても、サイズが5ミリ以下の小さいものなら破裂する確率は年間約0.5%です。
手術した方がいいかどうかは、こぶの大きさや部位、形状によって異なります。
手術には、開頭してこぶの根元を縛る方法(クリッピング術)と、太ももの動脈からカテーテルを通して細いプラチナコイルを鼓舞の中に詰め、血流を遮断する血管内手術の2つがあります。
どちらも治療成績は同じで、年々向上しています。

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出典 日経新聞・朝刊 2009.4.4
版権 日経新聞


<関連サイト>
脳ドックの料金 脳の検査に保険は効くの?
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=脳ドックとは&lr=&aq=f&oq=&aq=2&oq=脳ドック

あなたの脳は大丈夫?
http://www.nrh.jp/

脳ドックを受ける前にご覧ください~脳ドック 命を守る自己検診~
http://www.artafricanaimports.com/brain/



脳ドック/代表的な異常所見に対する対応
http://www.hn-neuro.com/medical2-2.html
①無症候性脳梗塞
無症候性脳梗塞は症候性脳梗塞(麻痺、ろれつ障害、意識障害など何らかの神経症状を呈する脳梗塞)を生じやすいことが知られています。
加えて生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症痛風、肥満)などの危険因子と重複して存在する場合は脳卒中発症の危険がさらに高くなります。
このような場合は危険因子を積極的に取り除く必要があるためこれらの管理は必須です。
また心源性梗塞(心臓にできた血栓が原因の脳梗塞)の可能性が考えられる場合には専門医への受診が必要な場合もあります。

②無症候性脳主幹動脈閉塞・狭窄
これらは脳卒中の危険因子の一つとして認識すべきという考えもありますので、十分な経過観察が必要です。
場合によっては脳循環動態を評価するための二次検査やまた内服薬投与が必要なこともあります。

③無症候性頸部内頸動脈閉塞・狭窄
高度狭窄例において頸動脈内膜剥離術が低い合併症で行われた場合、将来の脳卒中発生を減少するという報告があります。
狭窄の程度によって内服薬投薬による管理または頸動脈内膜剥離術の適応を検討し、手術が必要な場合は専門医に御紹介いたします。

④未破裂脳動脈瘤
破裂するとくも膜下出血をきたし致命的となる可能性があるため、発見された場合は慎重な治療方針の検討が必要となります。
おもな治療法として開頭クリッピング術や瘤内塞栓術(血管内治療)などがあります。
手術適応はそれぞれの症例について判断されますが一般的には
  1. 動脈瘤が硬膜内(頭蓋内)にあり
  2. 大きさが5mm前後より大きく
  3. 年齢がほぼ70歳以下の場合
は、その他の条件が手術を妨げない限りいずれかの治療が勧められます。
手術が行われない場合は脳動脈瘤の大きさ、形の変化の観察が必要であり観察間隔に関しては確実な知見はありませんが、さしあたり1年以内に経過観察を行い、増大を認めた場合には手術を検討します。

⑤びまん性白質病変
現時点では脳血管性病変とする積極的根拠はありませんが、高度な変化は何らかの病的意義を持つことが推測され、経過観察を行う必要があります。

⑥拡大血管周囲腔
加齢による変化と考えられており、その変化に対する特別な対応は不必要ですが、その他に脳卒中の危険因子があれば、その対処が必要なことがあります。

⑦脳腫瘍
腫瘍性病変を認めた場合その大きさ、場所、臨床所見(神経症状)の有無により 治療方針は異なります。
また臨床所見(神経症状)を認めなくても腫瘍の種類によっては手術が必要なこともあり、個々の症例によって慎重に検討致します
検査の結果、画像所見に異常所見を認めないからといって安心はできません。
それは現時点での所見であり将来的にその誘因である生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病、痛風など)を認めた場合はその管理が脳卒中の予防につながりますので油断はしないようにしましょう。


脳卒中などの脳の病気の危険因子を発見するための健康診断?
http://www.noudok.net/brain/



脳ドックとは?
http://www.okinawa.med.or.jp/old/ippan/saijiki2/sai70.htm
脳ドックの盲点
頭部MRI検査には、大さく分けてふたつの検査法があります。
ひとつは脳自体を観察するのを目的とし、もうひとつは脳の血管を観察することを目的としています。
前者をMRI検査、後者をMRA検査と言います。
 
MRA検査では、脳血管撮影に比較して正確度に欠けることです。
動脈瘤を例にとると、その大ささが4ミリ以上のもので、通常の場所(脳動脈瘤の約90%は脳底部という限られた空間に存在)にあれば、 通常のMRA検査で、ほぼ発見可能です。
米国のデータでは人口の約5%に脳動脈瘤が存在するとされ、その大ささは1ミリ以下から数センチのものもあります。
破裂を生じる脳動脈瘤は4ミリ以上のものと考えられており、その意味ではMRA検査は十分にその役割を果たしています。
 
それでは、MRA検査で脳動脈瘤が発見されなければ安心してよいかと言うと、実はそうでもありません。
MRA検査で脳動脈瘤が見つからないということは、4ミリ以上の脳動脈瘤が通常の場所にはないということで、4ミリ未満のものは存在している可能性があります。
動脈瘤は年齢とともに大きくなる傾向がありますが、未破裂のものであれぱ急激に大きくなることはないと考えられています。
 
ただし、脳動脈瘤の増大に関してはまだ分からないことも多く、動脈硬化その他の要因を考盧に入れて、 我々の施設では4年毎の検査で十分に脳動脈瘤のスクリーニングは可能と考えています。
いずれにしても、MRA検査にも限界があるということです。


<自遊時間>
麻生首相:2020年に実質GDP120兆円押し上げを-成長戦略
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003011&sid=adu0iKw7L8Qs&refer=jp_asia
新「三種の神器低炭素社会に向けた集中投資の対象として、「太陽電池、電気自 動車、省エネ家電は新たな『三種の神器』になっていく」として、エネ ルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を「2020年には世 界最高水準の20%に引き上げたい」との決意も強調した。

<コメント>
昨夜のテレビのニュースで麻生総理が、日本記者ク ラブで会見している光景が放送されました。
三種の神器』を「さんしゅのしんぎ」とのたまっていました。
読み書きの能力のなさは「底なし」です。