乳腺嚢(のう)胞症

自分で乳房を触ってしこりがあった場合、誰でもびっくりします。
しかし、しこりイコール乳がんではありません。
乳がんのほかに乳腺症、乳腺線維腺腫や乳腺のう胞症などの可能性も考え
られるからです。
同じしこりでも、触診時(さわったとき)の硬さやなめらかさ、痛みの
有無などによって違いがあります。
しかし、このようなことは一般の人にはわかりません。
しこりがみつかったら自己診断せず、かならず専門医の検査を受けること
が大切です。

乳腺症は、乳房にしこりができ、乳首から分泌物が出ることもあるため、
乳がんと間違えやすいのですが、良性のものなので心配はありません。
原因ははっきりわかっていませんが、女性ホルモンのバランスの乱れに
よるものといわれています。

乳腺症自体は全女性の約60%と言われているので、少なくはありません。

症状は、月経周期に伴って強まったり弱まったりを繰り返します。
多くは、月経前(2週間程度前)に症状が強くなり、月経がはじまると症状
が軽減します。

月経が不順気味の人や排卵のない人、授乳経験のない人などに起こりやすい
傾向がみられます。
年齢的には、30歳代~40歳代に多く、閉経後には少なくなります。

放っておいて自然に消えてしまうこともありますし、強い痛みなどがなけ
れば、特別に治療の必要もありません。

また乳腺症から乳がんに発展する可能性は、きわめて低いとされています。

この乳腺症の一種に乳腺嚢(のう)胞症というものがあります。
これは乳管の中に水が溜まった袋の状態のことをいいます。
医学用語で「嚢(のう)胞」は水がたまったしこりのことをいいます。
腎臓や肝臓では臓器の中に出来、多くの場合はしこりとしては触れること
はありません。

乳管が詰まり分泌物が溜まることが原因です。
超音波断層撮影の発達により、最近はよく発見されるようになり稀なもので
ないことがわかってきました。

治療は、嚢胞の小さいものは放置します。
手に触れるようであれば、注射針でせん刺して液体を吸引し、その吸引した
液体を調べて血性であれば摘出する方法がとられています。

乳がんのほかは良性なので、しこりが小さいときは治療の必要はありません。
乳腺線維腺腫などでも急速に大きくなった場合には、手術で摘出したほうが
いいこともあります。

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出典 朝日新聞・朝刊 2009.4.24
版権 朝日新聞社

<関連サイト>
乳腺のう胞症について
http://a1torenia.com/nyuno/


<番外編>
米で、豚?インフル7人感染「人から人」経路の可能性も
読売新聞 2009.4.24
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090424-00000678-yom-sci

疾病対策センターCDC)は23日、豚インフルエンザに感染した患者が全米
で7人見つかったと発表した。

患者は全員回復しており、CDCは「重大な懸念はない」としているが、その一方で、
患者はいずれも豚と接触がないため、通常は起こりにくい人から人への感染が起きた
可能性もあるとしている。

CDCによると、これまでに見つかった患者は、カリフォルニア州テキサス州
住む子供など。
父親と娘、同じ学校に通う16歳の男子2人などが含まれていた。
ウイルスの遺伝子を分析したところ、豚、鳥、ヒトのインフルエンザが混合したよう
な未知の型だった。

新型インフルエンザは、強毒性の鳥インフルエンザウイルスが人から人へ感染する
能力を獲得して、大流行することが懸念されている。

豚は鳥インフルエンザとヒトインフルエンザの両方にかかるため、豚の体内でも、
新型インフルエンザが生まれやすいが、一般に毒性は弱いと考えられている。

’’’<追加>’’’
今朝見た朝日新聞朝刊ではメキシコで死者60人とトップ記事で出ていました。
事はかなり深刻のようです。


’’’WHO緊急委開催へ メキシコの豚インフル’’’
メキシコ市を中心に豚インフルエンザの人への感染が多数判明したことを受け、
世界保健機関(WHO)は24日、感染状況の深刻度を評価するため、世界の
専門家で構成する緊急委員会を25日にも開く方針を固めた。
WHOでは、新型インフルエンザの大流行に備えて、6段階に設定されている
警戒水準を現行の「3」から「4」へ引き上げることも検討されているもようだ。

メキシコのコルドバ保健相は24日、豚インフルエンザの疑いがある死者は
68人、患者は1004人に達したことを明らかにした。死者のうち20人は
豚インフルエンザと確認されたという。

メキシコからの検体をカナダの保健当局が調査したところ、18件が豚インフル
エンザウイルスH1N1型と特定され、うち12の検体が米カリフォルニア州
発生した人への感染事例と同じ遺伝子構造であることが確認された。