フライバーグ病(第2ケーラー病)

病気には最初に見つけた人の名前がつけられた病気が数多くあります。
普通、自分の名前をつけるには抵抗があるのですが、多分論文を書いた時に自分で
つけちゃうんでしょうか。
中には第1、第2とかまでの名前がついているものまであります。
足が痛む病気の中にも医師の名前がつけられた病気があります。

きょうは、その中のフライバーグ病(第2ケーラー病)をとりあげてみました。

どんな病気か
1914年、フライバーグにより報告されたのでこの名がついています。
1915年、ケーラーもこの病気を報告しており、を第2ケーラー病と呼ぶことも
あります。
(「1908年、ケーラーにより報告された」という記載もあります)

繰り返し圧迫力がかかることによって中足骨骨頭部(ちゅうそくこつこつとうぶ)
 http://health.goo.ne.jp/medical/data/p0367_fig30_300x304.html)
への血行が一時的に障害されて生じる足部骨端症(そくぶこったんしょう)(無腐性壊死
(むふせいえし))のひとつです。
専門的には足の甲の内側にある舟状骨(しゅうじょうこつ)に発生します。
中足骨のなかでも、歩行時に最も圧力がかかるとされる第2中足骨に発生しやすく、
第3中足骨にみられることもあります。
まれに第4中足骨にもみられます。

初期治療が大切で、早期より徹底した治療がなされなければ関節変形を来し、疼痛が残り
やすいので注意が必要です。

症状の現れ方
�発病の経緯
外傷に続発することもありますが原因不明のことが多い病気です。
徐々に強くなる足前方の荷重時の痛みで始まります。

�年齢・性別・左右差
好発年齢は12~18歳で、女性は男性より3~4倍ほど多く、側の発生が多いのですが
両側例が10%程度にみられます。
両側例では時期をずらして左右の両側に発生する場合もあります。
(「4~8歳前後の男児に多く発生」という記載もありますが、これは第1ケーラー病
ことかも知れません)

�症状
踏み返しの時に患趾(かんし)の付け根の関節に疼痛があるため、その部位への荷重を避け
た歩き方をします。罹患(りかん)した中足骨骨頭に一致する疼痛・圧痛・腫脹(しゅちょう)
がみられます。
趾の軸方向に力を加えると疼痛を訴えます。
関節の可動域制限があります。第2中足骨が最も多い傾向にありますが、他の中足骨が
罹患する場合もあります。

検査と診断
ごく初期には単純X線上の異常はありませんが、数週間を経過すると変化が出てきます。
2年ほどの経過でX線上では治ってきます。
放置例や治療開始が遅れた例では骨頭が変形し疼痛を残します。
中足骨疲労骨折、リウマチ性関節炎との鑑別が重要で、X線像が鑑別に有用です。
このX線像では、舟状骨に骨の透亮像(黒く抜けて写る像)、硬化像、扁平化を認めます。

治療の方法
足部骨端症のなかでは、フライバーグ病だけが早期診断・早期治療が重要な病気です。
中足骨頭を変形なく治癒することが治療の目的です。
そのためには、血行が再開し骨頭が修復されるまで中足骨頭への荷重を避けることが
重要です。
 
初期の疼痛が強い時期には、3~4週間ギプスを巻いて(ギプス固定)荷重を避けます。
その後も、罹患した中足骨頭の除圧のための工夫をした靴敷きを、数年にわたって
使用します。
踵(かかと)の高い靴の使用、ランニングや長時間の歩行などは厳禁です。
痛みが強い時期には、松葉杖歩行をします。
関節に障害を残した例や治療開始が遅れた例で著しい変形が残る場合はは、手術治療も
考慮されます。

他の骨端症と同様、最終的には修復が進んで変形は改善し、問題を生じることはほとんど
ありません。

<参考および引用サイト>
フライバーグ病(第2ケーラー病
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10182200.html

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出典 朝日新聞・朝刊 2009.2.1
版権 朝日新聞社


<関連サイト>
フライバーグ病(第2ケーラー病)に関する質問集
http://tamamed.web.infoseek.co.jp/dr-m/j_freiberg.html
足の裏の違和感 第2ケーラー病
http://www5b.biglobe.ne.jp/~mddmsci/nosinkei/52116109345025.html
成長痛について
http://www.k4.dion.ne.jp/~fuu/top11.htm
ケーラー病(舟状骨壊死)について - 教えて!
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1031539.html

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新型インフルエンザ関連>
タミフル>異常行動との因果関係不明 厚労省研究班
インフルエンザ治療薬「タミフル」(一般名リン酸オセルタミビル)について、
厚生労働省・安全対策調査会の作業部会(鴨下重彦座長)は3日、服用と異常行動
との因果関係を示唆する調査結果は得られなかった、との結論をまとめた。
近く調査会に報告されるが因果関係の有無は不明だった。厚労省は異常行動の
目立った10代に処方を控えるよう医療機関に通知したが、方針変更の根拠は
得られなかったとして、その措置は継続する方針を明らかにした。

作業部会では、06~07年の流行期にインフルエンザと診断された18歳未満
の患者約1万人を対象に調べた厚労省研究班の最終報告書が示された。

それによると、約1万人のうち、異常行動を起こしたのは12%で、飛び降りなど
重度の異常行動を起こしたのは0.4%だった。

異常行動を起こした患者のうち、タミフルを服用していた場合の発生率は、
非服用に比べ0.6倍と低かった。重度の異常行動を起こした10代に限定すると、
服用した方が1.5倍だったが、報告書は対象者が11人と少なく、「統計的に差
はない」と結論づけた。

厚労省によると、販売開始(01年2月)から今年3月末までにタミフルの副作用
で異常行動を起こしたと報告されたのは353人。また、服用者が増加傾向にある
リレンザ(一般名ザナミビル)では167人だった。

タミフルをめぐっては、10代の患者がベランダなどから飛び降り転落死する事故
が相次ぎ、07年3月、厚労省は10代への処方を原則中止する通知を出した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090603-00000107-mai-soci
出典 毎日新聞 2009.6.3 20時54分配信
版権 毎日新聞社


タミフル異常行動「関連ないとはいえない」 厚労省研究班
インフルエンザ治療薬のタミフルと異常行動の因果関係について調査している厚生
労働省の研究班(班長・広田良夫大阪市立大教授)は3日、「服薬と異常行動の間
に関連がないとはいえない」とする研究結果を報告した。
因果関係が否定できなかったため、厚労省は10代への使用再開について「結論は
出せないだろう」としている。
(以下 略)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090603-00000651-san-soci
出典 産経新聞2009.6.3 21時42分配信
版権 産経新聞

<コメント>
「関連ないとはいえない」と「関連あるとはいえない」では言葉のニュアンスが
全くことなります。
最後の結論に作為が働いているとすれば、初めに結論ありきになってしまいます。

新型インフルエンザの特例として10代へのタミフルが許可されています。
異常行動という点であまり問題になっていないリレンザは10代への投与は禁止
されていません。

神戸の例では「10歳代の36例のうち、タミフル内服が13例(36.1%)、リレンザ吸入が20例(55.6%)、非投与が3例(8.3%)であった」ということです。
しかしどうしてわざわざリレンザではなくタミフルを使用したのかいささか不思議です。
2009年5月19日現在の神戸市における
新型インフルエンザの臨床像(暫定報告)
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/2009idsc/clinical_epi_kobe.html

新型インフルにも効く「万能薬」開発へ宇宙実験
どんなタイプのインフルエンザにも効く「万能型」のインフルエンザ治療薬開発を
目指して、高度400キロでの宇宙実験が始まる。国際宇宙ステーション(ISS)
の日本実験棟「きぼう」で、7月から予定されているタンパク質結晶生成実験。
その一つとして、インフルエンザウイルスを構成するタンパク質を、無重力状態の
宇宙空間で結晶化し、創薬につなげる構想だ。
実験を計画しているのは横浜市立大大学院生命ナノシステム科学研究科の朴三用
(パク・サンヨン)准教授らの研究グループ。
宇宙実験の目的は、インフルエンザウイルスが体内で増殖するときに重要な働きを
するRNAポリメラーゼというタンパク質の高品質の結晶を得ることだ。

国内で感染が拡大している新型インフルエンザ(H1N1型)や毒性の強い高病原性
鳥インフルエンザ(H5N1型)などインフルエンザの型は、ウイルス表面の
タンパク質の種類によって決まる。表面タンパク質は頻繁に変異を起こすため、
型に合わせて開発されたワクチンや治療薬は、新型に対して効かないケースが多い。

豚由来の新型インフルエンザには、今のところ抗インフルエンザ薬「タミフル」や
リレンザ」が有効だが、鳥由来のH5N1型ではタミフルが効かない耐性ウイルス
が現れている。
これに対して、RNAポリメラーゼは「変異を起こしにくい性質を持っている」
(朴准教授)という。このタンパク質の働きを阻害する薬剤が見つかれば、どんな
タイプが現れても、ウイルスの増殖を抑える効果が期待できる。

RNAポリメラーゼは3つの部品(サブユニット)がそろった状態でしか機能しない。
朴さんらは地上での研究で、部品の結合部の構造を解明。
タンパク質の立体構造に合わせた新薬の設計、創薬に向けた次のステップが、結晶の
生成だ。
宇宙空間では溶液の対流や沈降が起きないため、不純物や欠陥の少ない良質な結晶が
得られる。

宇宙航空研究開発機構はこれまで、ISSのロシアの施設を“間借り”して、タンパク質
の結晶生成実験を行ってきたが、7月からは自前の実験棟「きぼう」で本格的な実験が
スタートする。
「メード・イン・宇宙」のタンパク質結晶が、人類を新型インフルエンザの脅威から
解放してくれる日が来るかもしれない。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/science/258253/

配信元:産經新聞 2009.5.25 23:06
<コメント>
新型インフルエンザについての久しぶりの明るいニュースですね。