五十肩:謎の痛み

五十肩については2008.5.8のこのブログでとりあげました。



きょうは、少し違う角度で新聞記事からもう一度紹介します。



五十肩:謎の痛み 骨など異常なく、原因も不明

◇安静が第一 痛み引いたら適度な運動を
スーツを着ようとすると右肩が痛くて上がらない。
寝るとき、右半身を下にすると痛む。
男性会社員(43)は、昨年秋からこんな症状に悩まされた。
痛みは次第に増し、今年3月、近くの病院で診察を受けた。
レントゲン撮影では骨折は発見されなかった。炎症や上腕骨と肩甲骨をつなぐ腱板
(けんばん)の断裂もなかった。

医師から「これといった異常はない。典型的な五十肩ですね」と言われ、痛み止め薬
と湿布を処方された。
同時に、「痛みがやわらいだら意識的に肩を動かしてください。今回のように半年も
放置しないように」と注意された。
男性は「異常がないのに強い痛みを伴う。不思議だ」と思った。

●江戸時代から
このような症状は、「四十肩」「五十肩」と呼ばれる。
江戸時代中期の辞書には「五十腕」という項目があり、「五十腕とも五十肩ともいう。
また長命病という」と説明されている。
当時は平均寿命が50歳以下で、「肩が痛くなったら長生きの証拠」と考えられて
いたとみられる。

医療現場では「五十肩」と呼ばれることが多く、「明らかな起因を証明しにくい初老
期の疼痛(とうつう)性肩関節制動症」と定義される。
海外では、「フローズン・ショルダー(凍結肩)」と言われる。
一般に、まず「痛みが強く動きにくくなる時期」があり、続いて「動きが制限される
時期」、やがて「動きが回復する時期」と推移する。

江戸時代から人々を悩ませてきた痛みだが、実態は今もよく分かっていない。
「40-50歳の人に多い肩関節の動きが制限される痛み」であることは明確だが、
なぜ起きるのか、原因となる生活習慣があるのか、男女で違いはあるのか、なぜ回復
するのかなど、未解明部分が多い。

肩関節のトラブルに詳しい高岸憲二・群馬大教授(整形外科)は「五十肩の患者を
検査しても、これといった異常が見つからない。ただ、肩関節を包む袋(関節包)
が厚く、硬くなっており、結果として肩が動きにくくなったり、痛みが生じるよう
だ」と説明する。
また、糖尿病や高脂血症の人に五十肩が多く、治りにくいといわれる。これらの病気
の患者は末梢(まっしょう)血管に障害が出やすいことが関連している可能性がある。

五十肩の症状が出たら、どう対処すればよいのか。
高岸教授は「痛みがひどいときは安静に、痛みが少しやわらいだら、肩を動かせる
範囲で動かした方が回復は早い」と話す。

ひどい痛みのときは、なるべく肩を動かさないようにし、三角巾(きん)を使うこと
も勧められる。
重い荷物は厳禁だ。患部を温めると、痛みがやわらぐ。
我慢ができない痛みが続く場合は、ステロイドヒアルロン酸、大量の生理食塩水を
注射する治療法もある。

肩が少し動かせるようになったら、痛みが出ない範囲で動かすことを心がける。
イラストのような運動も効果があるとされる。
夜の痛みは、日中の活動が過剰な場合に出やすいので、運動量などの目安にすると
よい。

●整形外科受診を
放っておいても、多くの人が1-2年で治る。
ただ、高岸教授が164人の患者を対象に実施した調査では、1年以上たっても
運動や作業をする際に痛みが残っている患者が3割いた。
「五十肩と思っても、腱板断裂など別の障害が起きている可能性がある。自分で
判断せず、整形外科の診察を受けてほしい」と高岸教授は呼びかける。

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■こんな時に痛むと五十肩が疑われる

・シャツや上着を着る

・髪をとかしたり結う

・帯を結ぶ

・腕を真上に上げる

・腕を頭の後ろに回す

・腕を背中に回す

出典 毎日新聞 2009.6.5
版権 毎日新聞社


新型インフルエンザ関連サイト>

タミフル:現場に難しい判断…結論あいまい 厚労省調査

2年に及ぶ厚生労働省タミフル服用による異常行動調査は、因果関係の有無を明確
にできないまま終了する。
厚労省は現在、異常行動が相次いだ10代への処方を原則中止しているが、報告を踏
まえ、処方解禁とはしない方針だ。
だが、この日の作業部会でもデータの解析方法や解釈をめぐり異論が出るなど不透明
感を残した。
 
2007年3月、当時の研究班員らが輸入発売元の中外製薬から寄付金を受けていた
ことが判明した。前研究班の1万人分のデータを引き継いだ広田良夫班長大阪市
大教授)は「服薬、異常行動発生の時間経過などデータの信頼性が不十分」と指摘
するほどだった。
 
一方で、タミフルは世界で流行している新型インフルエンザに効くとされ、より強毒
新型インフルエンザ発生時にも効果が期待されている。
あいまいとなった結論で難しい判断を迫られるのは医療現場だ。
厚労省は新型についてはリスクを勘案して使用するとの方針だが、どういう条件の
患者で使用するかなどを示すべきだろう。
 
また、今回の調査ではインフルエンザに感染すると異常な行動を起こす可能性のある
ことが示された。患者の家族は、服用の有無を問わず、子どもを注意深く見守る必要
がある。
毎日 jp  毎日新聞 2009年6月4日 0時03分
http://mainichi.jp/select/science/news/20090604k0000m040156000c.html?inb=yt
<コメント>
現場はいつも置き去りにされています。

胃がん「取扱い規約」改訂(案)
<自遊時間>
http://wellfrog3.exblog.jp/11622480/


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結婚パーティー、9人が2次感染=狭い部屋での会話が原因?-新型インフル

厚生労働省は5日、東京都内で先月開かれた結婚パーティーで、新型インフルエンザに
2次感染した参加者はこれまで9人に上ったことを明らかにした。
米国に渡航歴がある墨田区の女性から感染した可能性があるという。
想定より感染者が多く、都や区の担当者は「狭い場所で大勢が会話したためでは」
「飲料の回し飲みでうつった可能性がある」などと分析している。
 
厚労省墨田区によると、先月30日に披露宴と2次会、3次会が行われ、計100人程度
が参加。このうち同区の女性が翌31日に、ほかの9人が今月1~3日に発症した。
9人は東京都、千葉県、神奈川県に住む20~30代の男女。
 
同区によると、披露宴は参加者同士の距離が遠く、感染の恐れがある濃厚接触はなか
ったと認定した。
しかし、2次会では飲食店の1部屋に、定員を上回る90人が集まって立食、3次会では
飲食店の小さいテーブルに着き、6人が会話していた。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090605-00000206-jij-soci
 時事通信  6月5日21時55分配信
<コメント>
随分盛り上がったパーティーですね。
しかし、「飲料の回し飲みでうつった」って本当なんでしょうか。

新型インフルの発症、5月5日が最も早く

厚生労働省は4日、国内で確認された新型インフルエンザ感染者(検疫分を除く)
のうち、最も早く発症したのは神戸市在住の男子高校生の5月5日だったと発表
した。

高校生に海外渡航歴はなく、別の感染者からうつされたとみられる。
成田空港の検疫で初めて感染者が確認された同9日よりも早い同月初めの段階で、
国内の感染が始まっていたことが確実になった。

同省によると、男子高校生は5月5日にインフルエンザに似た症状が表れ、翌6
日に医療機関を受診。
簡易検査の結果、A型インフルエンザの陽性反応が出たが、渡航歴がないため
遺伝子検査は行われなかった。

16日に神戸市で初めて感染者が確認されたため、20日に遺伝子検査した結果、
新型と確認されたという。

国内の流行のピークは17日の73人で、その後は急激に減少。22日以降は一
けた台で推移している。
読売新聞 2009.6.5