血管年齢

以前、「肺年齢」をとりあげました。

実は血管にも「血管年齢」というものがあります。
血管は、大切な脳、心臓、腎臓などの大切な臓器はもちろん、体中の臓器に酸素を運ぶ
ための建物でいえば水道管です。
水道管(血管)が狭くなったり詰まったりしてしまえば、もはや建物(体)として十分
機能しなくなります。
いわばライフラインなのです。

この「血管年齢」は、動脈硬化と同じではないかと思われますが、少し違います。
詳しく言うと、「動脈硬化」は血管そのものが硬くなる、器質的な硬さです。
その原因は、加齢、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙などです。
もう1つは、血圧の上昇、ストレス、喫煙などによる血管収縮が起こるよいな一時的な
血管の硬さです。
これを機能的な硬さといいます。
これも続くと来質的硬さの原因となります。


検査でわかる動脈硬化
CAVI(キャビ)検査って?
自覚症状がないことから「沈黙の殺人者」と呼ばれる動脈硬化ですが、簡単に発見できる
方法があります。それが「CAVI(キャビィ)検査」です。
この検査では、あお向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。時間は
5分程度で、血圧測定と同じ感覚でできる簡単な検査です。

結果もすぐに出るので、その場で医師からの診断が受けられます。

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この検査では、つぎの3つを測定します。

1.動脈のかたさ
動脈のかたさを表すのが「CAVI」です。動脈は血液を全身に送るポンプの役目を果たして
いますが、ポンプの内側の圧力(血圧)が変化したときのふくらみ具合をみることによっ
て、ポンプのしなやかさ、つまり動脈のかたさがわかるというものです。
動脈硬化が進んでいるほど、「CAVI」の値は高くなり、9.0を超えると約半数が脳動脈
か心臓の動脈である冠動脈に動脈硬化を発症しているという研究結果もあります。

2.動脈の詰まり
足の動脈の詰まりを表すのが「ABI(エービーアイ)」です。足首の血圧を横になった
状態で測定すると、健康な人では腕の血圧と同じくらい、あるいは少し高い値となります。
しかし足の動脈が詰まっていると、腕の血圧に比べて足首の血圧は低くなります。
そのため「腕の血圧」と「足首の血圧」の比をみて足の動脈の詰まりを診断するという
もので、その値が0.9未満であると詰まっている可能性が高く、その値が低いほど重症
になります。

3.血管年齢
同じ性別、同年齢の健康な方の「CAVI」平均値と比べることで、「血管年齢」が
わかります。
「CAVI」が9.0未満であっても「血管年齢」の高い方は動脈硬化の進行が早いと考えられ
ます。 


その他に頸動脈エコー検査も血管年齢をみるのに有用な検査です。
頚動脈エコー検査とは
http://www.domyaku.net/arteriosc_echo.html


<参考および引用サイト>
検査でわかる動脈硬化
http://www.domyaku.net/arteriosc04.html



動脈硬化の検査(CAVI検査)ができる医療機関
(当院もこの中に紹介されていますよ)

血管年齢
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http://was.fukuda.co.jp/medical/solution/arteriosclerosis/vascular_age.html
動脈硬化の危険因子を持たない人たちの平均値と対比することで、血管年齢を評価する
事ができます。
同年齢の健常者よりCAVIが高い場合は、それだけ動脈硬化が進んでいると考えられます。
動脈硬化を促進する糖尿病や高血圧などを合併しないよう、生活習慣病を是正すること
が望まれます。

あなたの血管年齢は?
http://ichijinkai-soyokaze.blogspot.com/2006/10/blog-post_4935.html
■人は血管とともに老いる」ともいわれ、加齢とともに血管は硬くなりますが、動脈硬化
は初期段階では症状がなく、血管が徐々に硬くなり、最終的に脳卒中や心血管疾患を
発症すると考えられていますので、その予防と検査が重要になります。
動脈硬化を進行させるといわれている生活習慣の悪い点は直ちに修正しましょう。
肥満、高脂血症高血糖、高血圧、高尿酸血症脂肪肝等がある人は、しっかり食事
療法を行い、標準体重まで減量し、適度な運動を心がけてください。
動脈硬化の予防は治療と似ていますが、主に食事と運動を中心とした良い生活習慣が
重要です。
食事では、
 ①野菜で食物繊維を十分に摂取する
 ②低脂肪を心がける
 ③食塩を1日6g未満にする
 ④適切なカロリー摂取(表)
運動では、有酸素運動(全力の40~60%で、1回20~30分程度、回数は多く、
疲れが残らないようにする運動)が効果的です。もちろん、禁煙は言うまでも無く、
小さなことにくよくよせず、、悩みを相談したり、笑うなどしてストレスをため込ま
ないことも大切です。

「血管年齢チェック」解説コラム
http://www.karadakara.com/sindan/step/041.html
■血管年齢とは、主に血管の動脈硬化の進行度合いを指しています。
血管の壁が厚く硬くなってしまい、血液が流れにくくなることを動脈硬化と言い
ます。
若い人の血管は血管の壁が薄いけれど柔軟性があってしっかりしています。
しかしこれが年齢を重ねるごとに血管の壁が厚くなり、徐々に硬くなって弾力性を
失ってもろくなってしまいます。
さらには血管の内側にコレステロール中性脂肪などが蓄積して血液が流れるところ
が細くなり、ますます血液が流れにくくなってしまいます。
実年齢とともに血管も歳を取ることは仕方がないことです。
しかし最近は、実年齢よりも10歳から20歳以上も血管が先に歳をとってしまって
いる人が急増してきたのです。

からだと心相談室:血管年齢、改善しますか?
68歳女性です。血管年齢を測ってもらったら80歳でした。実年齢まで改善しますか?
http://mainichi.jp/life/health/QandA/news/20090307ddf012070031000c.html
(一部改変)
■動脈血液の流速は健常人でも年を取るにつれ速くなりますが、健常人の値よりも速い
スピードで流れている人を血管年齢が高いということになります。
■加齢、糖尿病、高血圧症、高脂血症脂質異常症)、喫煙、肥満、閉経などの動脈
硬化危険因子が組み合わされて、血管内皮が増殖したり、コレステロールなどが沈着
する変化が起き動脈硬化となり、さらに血管の内腔(ないくう)が狭くなり狭窄
(きょうさく)という状態になります。
■改善策としては、
(1)高血圧の高い方は、降圧薬を欠かさず服用します。
そして、血圧を130/80ミリhg未満にコントロールすることです。
最近の降圧薬や脂質異常症治療薬は血管内皮を強化する作用もあります。
(2)食習慣の改善=ダイエット、減塩食、たんぱく質は魚、豆類(豆腐など)を中心
にとるようにします。
(3)運動に励む=1週間に3回、30分程度、笑顔で会釈できる程度の強さで歩行、
ランニングします。
3階くらいはエレベーターなどを使わず階段を上り、下りは脚に負担をかけるのでエレ
ベーターで降りるようにします。
(4)飲酒=ビールは中瓶1本あるいは日本酒1合程度に抑え、禁酒日を作ります。
(5)ストレスの回避=無理としか言いようのない現状ですが、笑顔を忘れないように
心掛けます。
これらの改善策の効果を、随時の血圧、脈拍数のチェック、年2~3回の血液検査、
生理検査(心電図、心エコー、頸動脈(けいどうみゃく)エコー、血圧脈波など)で
評価していくことも重要です。


<参考記事>
NHKテキスト 「きょうの健康」2007.8

<インフルエンザ 関連サイト>
90歳以上が抗体保有か=新型インフル-東大など
東京大医科学研究所の河岡義裕教授らの研究チームは、90歳以上の高齢者は
新型インフルエンザに対する抗体を持っている可能性が高いが、それより若い
世代はほとんど持っていないことを明らかにした。論文は13日付の英科学誌
ネイチャー(電子版)に掲載された。
 
河岡教授らは、マウスやカニクイザルなどのモデル動物を使い、新型イン
フルエンザウイルスの増殖性や病原性を調査。通常のインフルエンザに比べ
て肺での増殖効率が高く、重篤な症状を引き起こしやすいことが分かった。
 
さらに、新型ウイルスが登場する以前の1999年に採取された血清を使い、
新型ウイルスへの抗体を調べたところ、スペイン風邪が流行した1918年以前
に生まれた世代のみ、抗体を保有していた。
 
また、研究チームは、抗インフルエンザ薬タミフルや、現在開発中の抗
ウイルス薬が新型ウイルスに効くかどうかも試し、いずれもウイルスの増殖
を抑制できることも明らかにした。
 
一方、国立感染症研究所の小田切孝人インフルエンザウイルス研究センタ
ー第1室長は13日、70~100歳代の高齢者30人の血液を調べたところ、4割
に当たる12人が、新型インフルエンザに対する抗体を持っていたと発表した。
過去に今回と似たウイルスに感染した可能性があるという。

20~30歳代の30人では、抗体があったのは1人だけだった。
また、季節性インフルエンザのワクチンの接種後も抗体反応は強まらないと
分かった。
季節性ワクチンは、新型には効果がないとみられる。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090713-00000185-jij-soci
出典 時事通信 2007.7.13 23時2分配信


<自遊時間>
最近読んだ週刊誌のグラビアに「ちりもん」が出ていました。
「ちりめんじゃこ」の中に入っている小さい海の生物、つまりモンスターという
わけです。


不純物の多いシラスボシ
http://fruitbat.at.webry.info/200709/article_7.html