新型インフルエンザワクチン 2009.10.3

新型インフルエンザワクチンの具体的な接種方法が大詰めを迎えました。
当院でも受付が電話での問い合わせの対応で本来の対応に支障を来しています。
近隣の小児科では昨日だけで100本の電話があったそうです。
その院長は保健所やワクチンを供給する製薬会社に直接電話して具体的方法を訊ねてみたそうです。
しかしどちらも報道以上の情報は持ち合わせていないとのことです。
現場は大混乱を来しています。

皆さんが関心を持っています。
以下の記事は重複も多いのですが、現時点でわれわれが共有できる最大の情報です。




#新型ワクチン接種、政府方針を決定
政府の新型インフルエンザ対策本部は1日、ワクチン接種に関する基本方針を正式決定した。
接種は10月19日の週から始める。
医療従事者と重症化の危険性が高い人など計5400万人に順次接種していくが、児童・生徒や高齢者など大半の対象者は年明けの接種になり、流行のピークに間に合わない恐れもある。

基本方針では、接種目的として感染者の重症化を防ぎ、医療体制を維持することを明示した。接種するかどうかは対象者自身が決め、接種費用(2回接種で計6150円)は自己負担となる。
生活保護世帯を含む市町村民税非課税世帯は、無料にする。

ワクチンは来年3月までに1385億円をかけ、国産2700万人分と海外産4950万人分(計7650万人分)を確保するとした。
副作用が起きた人に対して行う救済措置は、季節性インフルエンザワクチンの定期接種と同等にする新たな制度を作る。
また、海外ワクチンメーカーが副作用の免責を求めているため、副作用被害者が企業を相手取って訴訟を起こした場合、企業側の訴訟費用や賠償金を政府が肩代わりする制度創設に向け、特別措置法案を今秋の臨時国会に提出する方針だ。

ワクチンはできた分から順次出荷されるため、優先順位に従って接種する。
医療従事者や妊婦など優先接種対象者には国産を、健康な児童・生徒と高齢者は来年1月から海外産を接種する。
このうち小学校低学年については重症化する症例が多いため、優先接種対象者に組み入れた。




イメージ 1

(クリックすると拡大します)
出典 朝日新聞・朝刊 2009.10.2
版権 朝日新聞社



イメージ 2

(クリックすると拡大します)
出典 日経新聞 2009.10.2
版権 日経新聞


#小4~中学生も国産ワクチン…厚労省方針
厚生労働省は2日、新型インフルエンザ対策で、小学4年生~中学生に対しても国産ワクチンを接種する方針を明らかにした。

国産ワクチンはこれまで、医療従事者や妊婦、小学3年生以下の小児などの優先接種対象者だけに使用する予定だったが、製造工程の見直しで、供給可能量が増えた。国産ワクチンは、従来の季節性インフルエンザのワクチンと製造方法が同じで、免疫を高める添加剤を使う輸入ワクチンより安全性が高いと考えられている。

国産ワクチンは、今月19日から接種が始まる。
現段階では2回接種を想定しており、来年3月までに5400万回分供給できる見通し。
厚労省の計画では、今月後半に118万回分のワクチンが供給され、まず最優先対象者の医療従事者(100万人)に接種する。
11月には妊婦や基礎疾患のある人への接種が始まり、12月からは1歳~小学3年生へ接種が行われる。

小学校高学年は来年1月後半、中学生は2月から接種を始める計画。

一方、高校生や健康な高齢者には今年12月下旬以降に供給される輸入ワクチンを使う予定だが、可能な場合は国産ワクチンの接種も検討する。

現在、接種対象外の健康な成人らに対しても、ワクチンの在庫状況を見て、輸入ワクチンを来年以降、接種できるよう検討する。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091002-OYT1T00949.htm
出典 読売新聞 2009.10.2 19:49
版権 読売新聞社


#【新型インフル】妊婦ワクチン接種、11月以降
新型インフルエンザのワクチンについて、妊婦の本格的な接種時期が11月下旬になることが2日、厚生労働省がまとめた事業実施要綱案で分かった。
同月中旬までに接種可能なワクチンが277万回分にとどまるためだ。同日、各都道府県の担当者らを集めた担当課長会議で公表した。
 
厚労省が過去の季節性インフルの動向などから推計した「シナリオ」では、流行のピークは10月下旬から11月上旬で、今回の流行にワクチンは間に合わない可能性が高い。
 
同案によると、10月中に接種可能となるワクチンは118万回分。
7日以上の間隔をあけて1人2回の接種が必要なため、医療関係者(100万人)の1回目の接種にほとんどが使われることになる。
 
妊婦(100万人)や持病のある人(900万人)は11月上旬に出回るワクチンから接種が可能だが、この時点ではまだ159万回分だけ。
11月下旬には385万回分、12月には575万回分が出回る予定で、本格的な接種開始は11月以降になるという。
 
妊婦については保存剤が使われておらず、安全面で懸念の少ないワクチンが優先されるが、出荷を待つと接種は11月下旬以降となる。
乳幼児や小学校低学年は12月後半、小学校高学年、中高生、高齢者は2月ごろに1回目の接種が始まる見通し。
 
接種を行う医療機関は各都道府県が9日までに取りまとめ、今月中に各自治体のホームページや広報誌などで公表する。
原則予約制で優先対象者であることを証明する母子健康手帳や学生証などが必要。
持病のある人の中で、接種を最優先する対象も正式に決定。「呼吸器疾患」では、通院中のぜんそくや肺結核の患者。
「腎臓病」では透析中や透析前の腎不全患者や腎移植を受けた人を対象とした。
http://sankei.jp.msn.com/life/body/091002/bdy0910022229002-n1.htm
出典 産経ニュース 2009.10.2 22:27
版権 産經新聞


<番外編>
新型インフル死者の3割、細菌に同時感染
新型インフルエンザの死者の約3割が細菌に同時感染していたとの調査結果を米疾病対策センターCDC)が1日の週報で発表した。

5月~8月に新型インフルで死亡した77人から組織を採取して検査したところ、22人が肺炎球菌などの細菌にも感染していた。

肺炎球菌は、免疫力が落ちると増殖して、肺炎を引き起こし、患者が死亡する一因となる。

CDCは「細菌は検出が難しいため、見逃されている可能性がある」と指摘、同時感染が疑われる場合は抗生物質による治療を検討するよう勧めている。

出典 読売新聞 2009.10.2 19:06
版権 読売新聞社


<自遊時間 その1>
東京都は随分無駄遣いをしてくれました。
誰が考えても東京やシカゴではなかったのです。
前中田横浜市長は「開国博Y150」の閉幕前に辞任(敵前逃亡?)しました。
石原都知事は器が違います?!

IOC委員の投票動向
■1回目
リオデジャネイロ=26、マドリード=28、東京=22、シカゴ=18(※落選)
■2回目
リオデジャネイロ=46、マドリード=29、東京=20(※落選)
■決選投票
リオデジャネイロ=66、マドリード=32(※落選)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091003-00000003-spnavi-spo

<自遊時間 その1>
新型インフルエンザワクチンをめぐっては週刊文春 2009.10.8号に裏話が載っています。




<きょうの一曲>   Early Morning Rain
Peter Paul & Mary - Early Morning Rain (1966)
http://www.youtube.com/watch?v=0OCnHNk2Hac

Peter Paul & Mary - Early Morning Rain (Tonight In Person 1965)
http://www.youtube.com/watch?v=IWu5FrCjLL4

Early morning rain ~ 朝の雨
http://www.youtube.com/watch?v=j5upcMzZ62I


Gordon Lightfoot - Early Morning Rain (Live in Chicago - 1979)
http://www.youtube.com/watch?v=KP_MDIYhPH0




読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。
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