新型感染症の予防接種、公費で負担…法改正へ

##新型感染症の予防接種、公費で負担…法改正へ
厚生労働省は25日、現行の予防接種法新型インフルエンザの流行に対応できなかったことから、抜本改正する方針を固めた。

新型インフルのような新たな感染症が流行した場合、国民により広くワクチン接種できるよう接種費用を公費負担し、副作用被害の補償額も大幅に引き上げる。
予防接種行政そのものも根本から見直す。来月召集される通常国会で公費負担などを先行して改正し、予防接種行政は1年間議論した上で再改正する方針だ。

現行法で行政が接種を呼びかけて費用負担しているワクチンは「定期接種」と呼ばれ、接種に努力義務を課したポリオや百日ぜきなど8疾患(1類疾病)と、努力義務のない65歳以上の季節性インフルエンザ(2類疾病)からなる。
その他の年齢層の季節性インフルや他の感染症は対象外で、接種は任意。費用も自己負担で副作用の認定も厳しい。
新型インフル用ワクチンも任意のため、接種費用(1回)は3600円だ。

現行法では、緊急性が高い感染症について接種を呼びかける「臨時接種」という対策も規定しているが、新型インフルは感染力が季節性とほとんど変わらなかったため、法的な扱いを65歳未満の季節性と同じ法の枠外にするよう適用を見送った。
代わりに国の事業として低所得者の接種費用を公費で肩代わりし、副作用の補償も特別措置法を作って2類疾病並みにした。

それでも補償額は死亡時で最大約2380万円と、1類疾病の約4280万円に比べて約1900円も低く、接種を円滑に進めるには同法の改正が欠かせないと判断した。
改正法で臨時接種の対象疾患も広げ、感染力が高くない病原体も対象にできるようにする。

予防接種行政の見直しについては、接種で副作用が出た場合も接種にあたった医師を免責することを検討。
新型用ワクチンを輸入する際に海外2社に認めた免責を国産メーカーに広げることも討議する。

厚労省の予防接種行政を担う部局が複数にまたがるため、責任の所在があいまいで意思決定に時間がかかっているとの批判もあることから、ワクチンの承認や接種スケジュールなどワクチン行政を包括的に決める米国同様の諮問機関の新設も議論する。

◆臨時接種=流行防止が必要だと厚労相が認めた感染症について、都道府県知事が対象者や期間を指定してワクチン接種できる仕組み。実施主体が国と都道府県の場合は接種費用を2分の1ずつ、市町村が加わる場合は3分の1ずつ、それぞれ負担する。
アジアかぜが流行した1957~58年に東京都で実施された。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091225-OYT1T00634.htm
出典 YOMIURI ONLINE 2009.12.26
版権 読売新聞社

厚生労働省は、全額自己負担が原則の新型インフルエンザワクチン接種を、予防接種法に基づく公費負担に改める検討を始めた。25日に新設した厚生科学審議会の予防接種部会で専門家に諮り、来年の通常国会での法改正を目指す。
同じく原則自己負担の水痘(水ぼうそう)、ヒブ(インフルエンザ菌b型)、肺炎球菌などのワクチンの扱いも議論する。

予防接種法などで「定期接種」の対象とされる疾病は現在10種類あり、麻疹(ましん)(はしか)や風疹など9種類は原則無料、65歳以上を対象とした季節性インフルエンザは一部負担でワクチンを打てる。
新型インフルエンザワクチンは対象外の「任意接種」だったため、低所得者を除き1回3600円の費用がかかっていた。
http://mainichi.jp/select/science/news/20091226ddm012040014000c.html
出典 毎日新聞 2009.12.26 東京朝刊
版権 毎日新聞社


<関連サイト>
予防接種行政に必要なのは日本版ACIP
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02857_03
(医療関係者向けのサイトで内容は難しいのですが、原理・原則などの理念の無い日本の予防接種行政が浮き彫りにされています)


<番外編>
#ビール大瓶毎日1本以上、乳がんリスク1.75倍に
飲酒が乳がんのリスクを高めることが、厚生労働省研究班(主任研究者、津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)の研究で分かった。
全国5万人の追跡調査で、週に150グラム以上のアルコールを摂取する女性が乳がんを発症する割合は、全く飲んだことがない女性の1.75倍だった。

1週間で150グラムとは、日本酒なら約7合分に相当。ワインなら約14杯分、ビールでは大瓶約7本分、ウイスキーは約7杯分になるという。
研究班は1990年代から、5万人の女性の生活習慣と健康状態を追跡。追跡できた期間は平均13年間で、うち572人が乳がんを発症していた。

発症率は、週の飲酒量が150グラム以下の人は飲まない人の1.06倍であまり変わらなかったが、150グラムを超す人では1.75倍になった。

飲酒が口腔(こうくう)、食道、大腸、肝臓などの各がんのリスクを高めることも、報告されている。がん予防に詳しい田島和雄・愛知県がんセンター研究所長は「がんには様々な要因があるが、その一つが確認できたことは意義がある。女性の飲酒は増えており、注意喚起が必要だ」と指摘する。

イメージ 1

出典 asahi.com 2009.12.25
版権 朝日新聞社


<きょうの一曲>
シューベルト ピアノ三重奏曲1番
(メニューイン兄・妹&モーリス・ジャンドロン)
(1/2) Schubert - Piano Trio No.1 - I. Allegro moderato
http://www.youtube.com/watch?v=ZR5pWFZpx2g&feature=related
(2/2) Schubert - Piano Trio No.1 - I. Allegro moderato
http://www.youtube.com/watch?v=k8HIzv61ZKE&feature=related
Piano Trio No. 1 Schubert - andante con moto
http://www.youtube.com/watch?v=GBuHBQaYZoU



イメージ 2

マチス タイトル不詳
http://dognorah.exblog.jp/1155658/
ピカソが買ったマチスの絵。彼は死ぬまでそれを手元においていたので、今はパリのピカソ美術館にあるとのコメントがついています。




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