腎臓では、体液から代謝老廃物を排泄する機能や水分量の調整、ホルモン様物質の合成など様々な機能を持っています。
何らかの原因によりこの腎臓の機能に障害が発生している状態を腎不全といいます。
腎不全では、腎臓機能の低下により尿毒症と呼ばれる病気(疾患)を引き起こします。
また、様々な合併症(高血圧による心筋梗塞など)を引き起こす恐れもあります。
数日から数週間で急に腎機能が低下した場合を急性腎不全、数年以上かけてゆっくり低下する場合を慢性腎不全と呼びます。
腎不全では、腎臓機能の低下により尿毒症と呼ばれる病気(疾患)を引き起こします。
また、様々な合併症(高血圧による心筋梗塞など)を引き起こす恐れもあります。
数日から数週間で急に腎機能が低下した場合を急性腎不全、数年以上かけてゆっくり低下する場合を慢性腎不全と呼びます。
最近ではCKDという呼び方で腎臓病を早期発見して早期治療をしようという機運が高まって来ています。
腎臓病というと何だか関係ないような気がしますが、実際は高血圧症や糖尿病で通院中の方は大なり小なりCKDがしのびよって来ている場合が多く他人事ではありません。
2週間ほど前の新聞にこんな記事が載っていました。
#腎不全の症状軽減、京大が有望手法 たんぱく質の作用妨げる
京都大の柳田素子講師らは遺伝子の異常から腎不全になる「アルポート症候群」の症状の軽減に有望な手法を考案した。
腎臓で働く特定のたんぱく質の作用を妨げるのが特徴で、マウス実験では効果が確認できた。
糖尿病で腎不全になった患者の治療にも役立つ可能性があるという。
米医学誌に9日、発表した。
京都大の柳田素子講師らは遺伝子の異常から腎不全になる「アルポート症候群」の症状の軽減に有望な手法を考案した。
腎臓で働く特定のたんぱく質の作用を妨げるのが特徴で、マウス実験では効果が確認できた。
糖尿病で腎不全になった患者の治療にも役立つ可能性があるという。
米医学誌に9日、発表した。
研究チームは、腎不全の進行を止めるたんぱく質「BMP7」にくっつき、その働きを邪魔する「USAG―1」というたんぱく質に注目。
遺伝子を操作してUSAG―1ができにくい同症候群のマウスを作り、観察したところ、BMP7がきちんと働き腎不全にならず長生きした。
USAG―1を抑える抗体の投与が治療に有望という。
遺伝子を操作してUSAG―1ができにくい同症候群のマウスを作り、観察したところ、BMP7がきちんと働き腎不全にならず長生きした。
USAG―1を抑える抗体の投与が治療に有望という。
<コメント>
何だか難しいですね。
アルポート症候群は名前は有名ですが、私自身経験したことがありません。
この記事は「糖尿病で腎不全になった患者の治療にも役立つ可能性がある」といったところがミソです。
何だか難しいですね。
アルポート症候群は名前は有名ですが、私自身経験したことがありません。
この記事は「糖尿病で腎不全になった患者の治療にも役立つ可能性がある」といったところがミソです。
「BMP7」が善人、「USAG―1」は悪人。
いずれも蛋白で悪人の「USAG―1」を減らす手法で腎不全の進行を防ごうというわけです。
いずれも蛋白で悪人の「USAG―1」を減らす手法で腎不全の進行を防ごうというわけです。
どうしてここで疾患としては珍しい「アルポート症候群」なのかが今一つわかりません。
実験マウスが「アルポート症候群」を起こすタイプのマウスなのでしょうか。
実験マウスが「アルポート症候群」を起こすタイプのマウスなのでしょうか。
共同通信社 2010.2.9には
糸球体障害が進行し腎不全になる先天性疾患のアルポート症候群のマウスでも、このタンパク質ができないようにしたマウスを交配し遺伝子改変マウスを作製すると、腎不全にならず、生存率も高くなっていた。
と出ていました。
またこの記事の中で
USAG-1は尿細管から出ており、BMP7を抑制する結果、糸球体の障害を悪化させる分解酵素の働きが活発化することも明らかにした。
と詳しく紹介されていました。
<腎不全 関連サイト>
腎不全
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/disease/renal_failure.html
(国立循環器病センターのサイトです。)
慢性腎不全
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec11/ch143/ch143c.html
腎不全【倦怠感、息切れ、むくみ、血清クレアチニン濃度が高い】
http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000800/hpg000000768.htm
高血圧と腎臓病
http://www.gik.gr.jp/~skj/ht/ht-kidney.php3
腎不全
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/disease/renal_failure.html
(国立循環器病センターのサイトです。)
慢性腎不全
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec11/ch143/ch143c.html
腎不全【倦怠感、息切れ、むくみ、血清クレアチニン濃度が高い】
http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000800/hpg000000768.htm
高血圧と腎臓病
http://www.gik.gr.jp/~skj/ht/ht-kidney.php3
<番外編>
#わさび辛みに老化防ぐ効果 中部大、線虫の実験で
わさびの辛みの成分が人の老化や疾病を防ぐ一定の効果があることを解明したとして、中部大(愛知県)の三輪錠司(みわ・じょうじ)教授(応用生物学)の研究チームが17日、米科学誌プロスワン電子版に発表した。
#わさび辛みに老化防ぐ効果 中部大、線虫の実験で
わさびの辛みの成分が人の老化や疾病を防ぐ一定の効果があることを解明したとして、中部大(愛知県)の三輪錠司(みわ・じょうじ)教授(応用生物学)の研究チームが17日、米科学誌プロスワン電子版に発表した。
研究チームの実験で、土壌に生息する体長約1ミリの線虫に酸化ストレスを加えると、6時間後、AITCを与えた線虫は6割弱の生存率だったのに対し、与えなかった線虫は2割弱の生存率だったという。
三輪教授は「古くからわさびは体によいと伝えられてきたが、科学的に証明できた」としている。
出典 共同通信社 2010.2.17
読んでいただいて有難うございます。
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