睡眠不足でも肥満

皆さんの睡眠時間は何時間ですか?
そして太っていませんか?

昨日の
トランス脂肪酸と女性
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/archive/2010/03/24
では、「ちょいデブ」が長生きできるという話題をとりあげました。
きょうは「睡眠時間と肥満リスク」の話題です。
この記事の中には肥満の程度は述べられていません。
そして肥満「傾向」の人が長生き出来ないということをみたものではありません。
減量が必要な人は睡眠時間も気をつける必要がある、という警鐘です。



寝不足でも、寝過ぎでも、内臓脂肪たまる傾向 米の研究

寝不足の人も寝過ぎの人も、肥満になったり、内臓脂肪が蓄積したりする。
そんな傾向が、米ウェークフォレスト大などの研究で示された。
生活習慣病につながる内臓脂肪の蓄積は、食生活の影響が大きいと思われているが、睡眠の影響も無視できないようだ。
「暁を覚えず」の季節。お寝坊もほどほどに……。

専門誌「スリープ」3月号の論文によると、18~81歳のアフリカ系アメリカ人とヒスパニックの男女計1107人に睡眠時間を尋ね、脂肪の蓄積をCT(コンピューター断層撮影)で調べた。
その結果、夜の睡眠時間が5時間より短い人は、肥満がちで内臓脂肪の蓄積も明らかに多かった。
8時間以上の人も、程度は低いものの同様の傾向があった。
これらは40歳未満の人に見られた特徴だった。

同大のクリスティン・ヘアストン助教は「寝不足だと食欲を高めつつ代謝を減らすホルモンが増え、寝過ぎると体を動かす時間が少なくなっている可能性がある。一般的には毎晩6~8時間の睡眠を取るべきだ」と言っている。

ただ今回の研究は、肥満や生活習慣病が比較的多いアフリカ系アメリカ人とヒスパニックが対象。
日本人に同じことがいえるかどうかは、まだはっきりしていない。
http://www.asahi.com/health/news/TKY201003180128.html
出典 朝日新聞・夕刊 2010.3.18
版権 朝日新聞社

<コメント>
今回の研究が、単に「脂肪の蓄積」をみるためだけにCTを行ったとすれば問題です。
要するにCTには放射線被曝の問題がありからです。
他の目的があってCTを行い、その際に睡眠時間のアンケートもとって、そのデータを今回の解析の回したということなら理解出来ます。

「肥満や生活習慣病が比較的多い」「アフリカ系アメリカ人とヒスパニック」といった内容も何だか「後付け」のような気もします。

対象者には被曝の話をして理解を得ているのでしょうか。

メタボ健診といわれる「特定健診」が一昨年から始まり、健康保険組合単位でも実施されるようになりました。
その際に、今話題になっている某自動車メーカーの健康保険組合が、肥満度チェックを目的としたCTを導入したという記事が出ていました。
この時は組合員の健康を本当に考えているのだろうか、顧問医は何をかんがえているのだろうかと疑問にに思ったのを思い出しました。

現在再評価の動きもある「腹囲測定」ですが、CTでの内臓肥満の評価が腹囲測定で代用出来るという多くの研究成果がもととなって採用されたものなのです。

健診でCTをとったら、何のための研究成果の積み重ねだったのかと思ってしまうのは私だけではないはずです。

話は脱線しますが、無床診療所でCT装置を設置するクリニックも多くなりました。
当然、大病院の装置の方が高性能です。
異常が見つかった患者さんは、大病院にし紹介され、再度被曝することになります。
無床診療所でMRI検査を行っているところも今では珍しくありません。
初期投資を回収するために、不必要な症例にまでこういった検査を行うドクターがいるかも知れません。
MRI検査は被曝はないのですが、CTと同様、大病院に紹介された場合には再検査となります。
コストという面では侵襲的検査ということになります。


<関連サイト>
睡眠不足の3歳児、中1までに肥満のリスク大
http://yaplog.jp/fuji-chan/archive/443
■睡眠時間が短い幼児は、肥満の中学生となるリスクが高いことが、富山大グループの研究で分かった。睡眠時間が9時間未満の3歳児は11時間以上の3歳児に比べ、中学1年生までに肥満になるリスクが1.59倍になるという。
睡眠時間が10時間台と11時間以上の3歳児はいずれも中1までに約12%が肥満になったが、9時間台では15%、9時間未満では20%になった。

睡眠不足に肥満リスク 5時間未満だと1.3倍 
http://www.program-architect.com/t-kurobekai/
■睡眠が5時間未満だと肥満リスクが高く、寝不足でも寝過ぎでも糖尿病になりやすい──。
日大の兼板佳孝講師(公衆衛生学)は眠時問が生活習慣病に関連するとの研究結果をまとめ、12日発表した。
兼板講師は「生活習慣病を防ぐには適度な睡眠をとることも大事」と指摘している。
日経新聞2008/03/13の記事の紹介です。すでにいわれていたことだったんですね。)