無理な運動、ひざ痛のもと

ランニングや登山で、ひざを痛める若者や中高年が増えています。
体力を過信せず、運動後のケアを怠らないよう、医師ら専門家は注意を呼びかけています。

以下は新聞記事の紹介です。


#体力不足、誤った方法原因 筋トレ、十分なケア心がけて
東京マラソン直前の2月中旬、40代の男性が東京都内の整形外科医院を訪ねた。
男性は両ひざに故障を抱える市民ランナーで、通院を始めて1年。
ベストタイムを1時間縮めようと、専属コーチを雇うほどの入れ込みようだ。
痛みがひどいときは、消炎・鎮痛効果のあるヒアルロン酸をひざに注射してもらう。
担当医は「痛みが強い時は、走らない勇気を」と伝えるほかないという。

運動が原因となるひざ痛は、関節内の潤滑液(関節液)が減って軟骨がすり減る変形性ひざ関節症のほか、半月板や靱帯(じんたい)の損傷が代表例だ。
たまにしか汗をかかなくても、1回当たりの運動量が多いと、ひざを壊しやすいという。

健康商品を販売する「エスエスエルヘルスケアジャパン」(東京都渋谷区)が20歳以上の男女816人にインターネットで尋ねたところ、「ジョギングを月に1回程度」という回答者の40.0%と、「月に1回未満」の43.3%がひざ痛を抱えていた。

     ◇   ◇

運動具メーカー、ミズノの旗艦店「エスポートミズノ」(東京都千代田区)。
連日、多くの市民ランナーが訪れて、ランニングシューズを求めるが、競技者仕様の上級モデルを好む初心者が少なくないという。

同店フロア長のIさん(37)は「競技者仕様の多くは軽量で底が薄く、上級者が使えばいいタイムが出る。でも、体力の備わっていない初心者が使うと、地面からのショックを靴で吸収できず、ひざに負担が増す。まさにけがのもと」と言い切る。

痛みをおして走りたいという客も多く、サポーターを勧めたり、効果的なストレッチの方法をアドバイスしたりしている。
「デザインや価格が気に入らなくても、ランニングを長く楽しんでいただくためには、けがを避けることが大事です」

     ◇   ◇

登山の場合、下り道でひざに違和感や痛みを覚えるケースが多い。
歩き方が悪いと、体重と担いだ荷物の重量が一気に片方のひざにかかるためだ。

日本整形外科学会認定のスポーツ医で、整形外科を開業するH医師(44)は「一度痛んだひざは、再び痛みやすい。再発防止のため、大腿(だいたい)四頭筋という筋肉を鍛え、ひざを安定させることが大切」と話し、可能ならば、スクワットなど筋力トレーニングを勧める。

健康志向雑誌「ターザン」(マガジンハウス)の元編集長で、編集制作会社経営のOさん(55)も筋トレで両ひざ痛を克服した。
20代後半から始まった痛みが30代半ばで悪化。
整骨院で勧められた脚の筋トレに励んだところ、40代になって痛みがなくなった。
「いまでもジムで脚を鍛えています。ひざを守るには一番いい」と話す。

ひざを痛めず好きなスポーツを続けるにはどうしたらいいだろう。

東京医科歯科大大学院運動器外科学のM教授(56)は「少しでも痛みを感じたら、自分には素質がないと思い、運動をセーブすること。特に、若いころ運動選手だった人は、体が思い通りに動いた昔の記憶に引きずられる傾向がある」と指摘する。

出典 毎日新聞 2010.3.19(一部改変)
版権 毎日新聞社

<コメント>
山登りやトレッキングなど、路面が凸凹している場合に膝を傷めやすい印象があります。
変形性ひざ(膝)関節症については、文中に「関節内の潤滑液(関節液)が減って・・・」と、あたかもこれが原因のように書かれています。
しかし、実は原因はさまざまでよくわかっていないというのが正直なところです。


<変形性膝関節症 関連サイト>
変形性膝関節症って何?
http://www.tmg.gr.jp/hokensinpou/040201-hizakansetusyo.html

変形性膝関節症
http://www.e-chiken.com/shikkan/hiza.htm



<自遊時間>
文芸春秋2010.4に加藤清史郎君が投稿していてびっくりしました。
タイトルは「こども店長おおいに語る」です。
内容もしっかりしているのには大いに感心しました。

以前、司馬遼太郎氏は「この国のかたち」を連載されたいた巻頭の部分は、阿川弘之氏が担当しています。
最長齢者と最年少者が同じコーナーを飾っていたのは不思議な気持ちにさせてくれました。

ところで、阿川先生の、「水交座談会」の連載はいつまで続くのでしょうか。
文壇の長老としての「白鳥の歌」ということでいずれは単行本となって発刊されるのでしょうが、いささか退屈です。
戦争中の軍の内部を大所高所というより高所(この場合は上目線という意味)から見ているようで些か鼻につきます。
どうして開戦に至ったかという大所(この場合は本質、本論という意味)を押さえるのが大切なような気がします。
「敗軍の将」が小所(私のにわか造語です。この場合は瑣末、各論という意味)から語っているような気がするのは私だけでしょうか。

今月の文芸春秋で気づいたことがもう一つ。
表紙のタイトルにもなっている「天皇の執刀医が小沢一郎に直言する」です。

陛下のご体調を慮って、つい義憤に駆られての投稿と思います。
しかし、医師はこのような政治的(しかもきわめてデリケートな問題)な発言をプライベートはまだしも投稿などしないのが一般常識です。
問題はそれだけではありません。
陛下の手術のご様子を始め、治療のすべてを白日の下に晒しているのです。
これこそ医師の守秘義務、すなわち医師法違反の可能性はありませんか。
(これこそデリケートな問題ですが重大な問題を含んでいます。宮内庁の見解を知りたいものです。何よりも陛下のお気持ちはいかがなのでしょうか。)

「東大名誉教授」、「陛下の執刀医」ということがこういった言動に走らせたのでしょう。
しかし、そうであればこそ、この投稿は自重されたほうがよかったのではないかというのが私の率直な感想です。

言っておられることは恐らく正しいことだろうと思います。
しかし、立場というものもあります。
読後、何だかすっきりしないものが残りました。

天皇陛下、がん手術で入院 告知、同意は一般並みに行われる予定
http://www.gulf.or.jp/~houki/iryou/byouki/prostata/heikanogan.htm

君側の奸・羽毛田信吾宮内庁は陛下の健康を気遣っていない?
http://www.asyura2.com/10/senkyo76/msg/342.html
(かなり過激な内容で紹介が躊躇われますが参考にはなると思いますので勇を奮って紹介します)



<追加>
文中に陛下のノロウイルス感染のことが触れられています。
ある週刊誌の見出しに「東大病院で感染されたのでは?」と書かれていたのを俄に思い出しました。


読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。
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