人は何歳まで生きられる?

世界各国の平均寿命が毎年発表されます。
そんな記事を見た時に誰もが思うのが、人はいくつまで生きられるのか?という疑問dす。
ちょうど100m走の記録がどこまで伸びるのかという話に似ています。

人間はガン、心臓病、脳血管疾患が克服されれば、男性で8.31歳、女性で7.21歳寿命がのびるといわれています。

敬老の日ができた1963年、これは東京オリンピックの1年前にあたります。
その年の時点は100歳以上の人は153人しかいませんでした。
しかし、その後は毎年延びてきて、2006年には2万8395人と急増しています。
人口統計学で推計すると、250年の日本人の100歳以上は、200万人近くになる可能性があるそうです。
現在の若い人たちのファーストフードなどの外食や飽食を考えると俄には信じられません。



イメージ 1




■1997年に亡くなったフランスのジャンヌ・カルマンさん(女性)が史上最高齢といわれている。
■その人が何歳まで生きられるかは親からの遺伝の影響が大きい。
■長寿の家系は長寿の人が多い。
遺伝によってその人の最大寿命が決まる。
ただ、実際の寿命は遺伝だけでは決まらない。
■必要な栄養を食事でしっかり取らないと病気になりやすい。
体が弱くなるとその分、老化が進みやすく寿命も短くなる。
■つまり、長生き出来るかどうかは遺伝と、生まれた後の生活の2つで決まる。
■健康な生活を心がければ、遺伝で決められた最大寿命に近づける。
■命には回数券がある。
体の単位である細胞は生まれ変われる回数が決まっている。
人間では50回ほどといわれている。
■生きている限り細胞は生まれ変わり、回数券の残りがだんだん少なくなっていく。
したがって人の寿命には限りがある。
■動物によって回数券の上限は決まっていて少ない動物は寿命も短い。
例えばネズミは約10回だから寿命は約3年、ゾウガメは約120回だから寿命も約200年。
命の回数券が多い動物は寿命も長い。
活性酸素は老化の原因の一つである。
カロリーを多く取るとその分消化しないといけないから、活性酸素が多く生まれる。
したがって過食すると老化が早まり寿命も短くなる。
■単にカロリーを少なくすればいいのではなく、過剰なカロリー摂取を控えたうえで、栄養バランスのとれた食事が原則である。


<まとめ>
*人の寿命は最長で120歳ぐらい。
細胞が生まれ変わる回数により、上限がある。
*寿命を決めるのは遺伝と生活。
生活を改善すれば遺伝で決まった最大寿命に近づける。
*長生きするにはカロリー制限が有効。
ただし、栄養バランスの良い食事が原則。

出典 日経新聞・朝刊 2010.3.13
版権 日経新聞



’’’<関連サイト>’’’
Health Net Media/ヘルスネットメディア:人は何歳まで生きられるか
http://www.health-station.com/topic-121.html

人間は何歳(さい)まで生きていられるんですか?
http://pks.panasonic.co.jp/kyoushitsu/library/lib08age/l08016.html

人間は何歳まで生きられる? 性機能成熟年の6倍説
http://news.ameba.jp/special/2009/10/48409.html
■これまで世界最高齢を記録した人々をみても、だいたい120歳くらいが寿命の限界のようである。
■しかし近年では、衛生環境の改善や医療の進歩のおかげで、人間の平均寿命は毎年伸びている。
もしそうだとすれば、世界の最高齢もそれに伴い、どんどん伸びていくことになるのだろうか? 
それとも人間の限界はやはり120歳程度と決まっているのだろうか?
■難しい問題だが、科学的見地から見ると、たとえ人間全体の平均寿命が伸びたとしても、最高齢はやはり120歳程度が限界であると推測されている。
その理由は他の動物と比較して考えてみるとわかる。
■普通動物の限界年齢は、大人になった(性機能が成熟した)年齢のおよそ6倍までと言われている。
たとえば犬ならば2~3年で大人になるから、寿命は15~20年程度である。人間の場合、大人に成熟するのが15~20歳であるから、限界寿命は100~120歳くらいと算出されるのだ。
いくら人間の環境が進歩したとしても、150歳などという限界寿命には到達できないとされている。
■寿命に関しても、遺伝子の突然変異や体調の変化などが起これば、限界を遥かに超えて生き延びることができる人間がいるかもしれない。


’’’<ちょっとはずれた関連サイト>’’’ 
動物の年齢入力し、「人間では何歳」が分かるサイト
http://news.ameba.jp/weblog/2008/05/13633.html
(動物を飼っておられる方には参考になります)

動物の年齢入力し、「人間では何歳」が分かるサイト
http://www.satooya1122.com/agecalc.html

好きなものの匂いを嗅ぎすぎると寿命が縮むとの研究発表
http://news.ameba.jp/special/2007/11/8433.html
日刊アメーバニュース 2007.11.10
(このサイトは時間がたつと削除されてしまうようなので内容を記載しておきます)
■最近の研究では、おいしい食べ物の匂いを嗅ぎすぎると、将来の寿命に変化が起こる可能性が示唆されている。これは、かつて問題となった番組のような怪しげな実験に基づく結果ではなく、『サイエンス』という権威ある科学専門誌に掲載された重要な研究成果だ。
■これまでのいくつかの研究成果から、ダイエット、カロリー制限は人間を含む多くの動物で延命作用があることがわかってきている。
すなわち、食べ過ぎのカロリー超過は、寿命を縮める。しかし、食べ過ぎではなく「嗅ぎ過ぎ」だけでも、寿命に影響を与えるのではないかというのが、今回の研究から得られた仮説だ。
■この研究では、ショウジョウバエというハエの1種を実験に用いている。ハエの好物であるイースト菌を餌として与えた動物群は、与えなかった動物群と比べて、寿命がおよそ50日から30日に縮まった。
これだけなら、これまでの食事制限の研究からも当然予想された結果だが、なんと匂いを嗅がせただけでもハエの寿命は40日程度に縮まったという。
■それでも、カロリー制限をしなかったハエよりは長生きしたので、研究グループは「カロリー制限をしている状況下では、匂いはそのカロリー制限の延命効果を少なくするかもしれない」という解釈が妥当であるとしている。
■この結果が、人間にも通用するかどうかということは、科学者でも未だ議論が分かれている。
ハエと人間が同じであるとするにはあまりに早急な結論であるが、ハエも人間も嗅覚系の根本となる遺伝子は似ている部分が多いことや、脳にかかるストレスという面を考えると、まったく軽視はできない話である。


読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。
井蛙内科開業医/診療録(4)
http://wellfrog4.exblog.jp/
(H21.10.16~)
井蛙内科開業医/診療録(3)
http://wellfrog3.exblog.jp/
(H20.12.11~)
井蛙内科開業医/診療録(2)
http://wellfrog2.exblog.jp/
(H20.5.22~)
井蛙内科開業医/診療録 
http://wellfrog.exblog.jp/
(H19.8.3~)
(いずれも内科専門医向けのブログです)
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログです)