基礎代謝で減量

雑誌などで注目の的 「基礎代謝で減量」は長期戦

#体重など、すぐには変化せず 筋力保って太りにくい体に
基礎代謝量を増やしてダイエット--。
健康雑誌女性誌などでそんな言葉が目につく。
体のエネルギーの中で一番大きいのが基礎代謝で、「減量」の照準になりやすい。
ただ、基本的には変動があまりなく、過度に期待しても効果は小さい。
長い目で見て太りにくい体をつくるととらえよう。

以下は、新聞記事の要旨。

■短期間で基礎代謝を増やしダイエットをしようということには無理がある。

基礎代謝とは「呼吸をする」「臓器が動く」「体温を保つ」といった生きるために最低限必要なエネルギー消費量のこと。
骨格筋や心臓、肝臓などの臓器ごとに1日1キログラムあたりのエネルギー消費量がほぼ決まっており、重さをかけた値の合計で算出される。
身長、体重などでほぼ決まるため大きな変動はない。
皮肉だが、基礎代謝量を上げるには「太るのが一番」。

基礎代謝量は横たわるなど筋肉を出来る限り使わない状態で測る。
筋肉1キログラムあたりのエネルギー消費量は小さいが、筋肉は脂肪を除くと体の約半分の重さを占めるほど量が多いので影響は大きい。

基礎代謝量が多い方が肥満を防止するという明確な証拠はまだほとんどない。
国立健康・栄養研究所で約40人を対象に基礎代謝量が高めの人と低めの人に分けて、6年間の体重を追跡した。
その結果、両者の体重の変動に差はなかった。
体重変動には食事や運動の量の影響が大きい。
基礎代謝量だけの影響が直接は出にくいのかも知れない。

■人のエネルギー消費量のうち基礎代謝量が5~7割を占める。

基礎代謝量の約30%は筋肉が消費し、筋肉量を増やせば基礎代謝量が上がると考えるのは正しい。
問題はその効率だ。

■筋トレなどで筋肉を1キログラム増やしても増えるエネルギー消費量は1日約50キロカロリーで、ごはん4分の1杯程度。
ちょっとカロリーの高い食事を取るとすぐに帳消しになる。
短期的には食事などの影響を受けてほとんど効果はみえない。

■ただ、一度ついた筋肉を維持すれば、毎日確実に50キロカロリーずつ消費してくれる。
1年、3年,10年経過すれば積み上がり、大きな消費量となる。

■人は加齢とともに基礎代謝量が減る。
男性の場合、20歳代で1日約1500キロカロリーだが、70歳以上になると同約1300キロカロリー弱となる。
主に筋肉量の減少が原因だ。

■食べる量は以前と変わらないのに、40歳代、50歳代となるにつれて太りやすくなった人の多くが、基礎代謝量の低下によって摂取カロリーがエネルギーの消費量を上回っている。
筋肉の減少を抑えれば、長期的な肥満予防対策につながる。

■これまで基礎代謝量向上には筋肉量アップにつながる運動以外に方法はないと考えられてきた。
ここにきて交感神経を活発にすることで、筋肉や脂肪細胞(褐色脂肪細胞)が燃えやすくなり、基礎代謝量の向上につながるという研究成果が出て来た。

■味の素が約70人を対象に米国で実施した研究結果によると、トウガラシ成分のカプシエイトを約3
か月間摂取し続けてもらうと、摂取しまい場合よりも1日あたり約50キロカロリー基礎代謝量が増えていたという。
胃などにある受容体がカプシエイトとくっつくと交感神経を活性化させていることもわかってきた。
長期間飲み続ければ基礎代謝量の減少を少しずつ食い止める効果が期待出来そうだ。

出典 日経新聞・朝刊 2010.9.19(一部改変)
版権 日経新聞

<私的コメント>
トウガラシの摂取量の多い隣国の韓国の人達は(韓ドラで見る限り)、肥満の人は少ない気がします。
このトウガラシは薄毛にも有効とのことですが、韓国の人達は薄毛の人が少なそうに感じます。
気のせいでしょうか?



<きょうの一曲>
Autumn leaves
http://www.youtube.com/watch?v=TzH4zt9Ei8g&feature=related




イメージ 1

2010.9.19 14:56  蓼科山山頂(2530m)より八ヶ岳連峰を眺望する



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