がんPET検診 ~ がん早期発見への近道 その3(3/6)

増えている女性のがん 早期発見をすれば怖い病気ではない

女性には乳房、子宮、卵巣など女性特有の臓器のがんの心配も。
以前は日本人に少ないとされていた乳がん卵巣がんがここ十数年の間に急激に増加しています。
ご自身も27年前に乳がんを経験なさったコスモス女性クリニック(神奈川県川崎市)院長の野末悦子先生(婦人科医)に、早期発見・治療の重要性をお話しいただきました。

早期なら90%以上は治る
女性の主ながんには乳がん、子宮頚がん(子宮の入り口にできるがん)、子宮体がん(子宮の奥にできるがん)、卵巣がんがありますが、早期に発見をして適切な治療を受ければ十分に根治が望めます。
 
たとえば乳がんの場合、しこりの大きさとリンパ節転移の有無によって進行度を0~4期に分けており、早期乳がんと言えるのは1期まで。0期(非浸潤がん)であればほぼ100%、1期(しこりが2センチ以下でリンパ節転移がない)でも90%以上の生存率が期待できるのです。
 
私自身も45歳の時に乳がんになりました。
1期で切除したあと27年、再発・転移することなく、今も元気に仕事をしています。
がんになっても早期に発見して治療すれば助かる、という見本です。
 
すべてのがんに言えることですが、早期であればあるほど生存率は高くなりますし、治療の負担も少なくて済みます。
最近は20代の子宮頚がんも増えてきていますので、若いうちから気をつけていただきたいのです。


女性のがん検診は不十分
ほとんどのがんはある程度大きくならないと目立った自覚症状が現れないので、ごく早期で見つけるには定期的な検診が非常に重要になります。
乳がんには主な検診法として視触診のほか、マンモグラフィー(乳房X線)、エコー(超音波)という画像診断がありますが、日本では1987年に自治体による乳がん検診が開始されて以来ずっと視触診のみの時代が続いていました。
2000年にようやく「50歳以上の女性に対し、2年に1回のマンモグラフィーと視触診による検診を行なう」というガイドラインが出され、画像診断もあわせて実施されるようになったのです。
(現在では「40歳以上の女性に対し、2年に1回のマンモグラフィーと視触診による検診を行なう」というガイドラインが出され、画像診断もあわせて実施されるようになっています。)
 
ところが自治体によって対象年齢や検診頻度、採用している検査法などにばらつきがあり、希望者全員がマンモグラフィーを受けられないところもあるのです。
またガイドラインどおりに検診を受けたとしても、若い世代の乳がん患者が増えていることや、2年の間にがんがかなり進行することを考えれば、不十分と言わざるを得ません。
 
乳がんばかりでなく婦人科系の検診も同様で、子宮がん検診で行われている細胞診は入り口にできる頚がんの発見には適していても、子宮の奥側にできる体がんは見落としてしまうこともあります。
さらに深い位置にある卵巣は膣から細胞診ができず、エコーで異常がわかるころにはかなり進行しているのです。
手遅れの悲劇を防ぐためには、若いうちから自分の健康を意識し、有効な検診を受診していくことが求められています。
有効な検査のひとつとして、現在注目を集めているのがPET(ポジトロン断層撮影)です。
今後、PETを従来の検診に加えていくことで、多くの女性のがんを早期に発見できることが期待されます。

出典 http://ps.nikkei.co.jp/hlthpet/pet_03.html
(NIKKEI いきいき健康)
乳がん、子宮頚がん、子宮体がんの病期別生存率を見ることが出来ます。)
版権 日経新聞社 


イメージ 1


息子が京都のお土産といって渡してくれました。
蘊蓄(うんちく)には
「ふくろうは、首が180度も回りそのことから、見通しがきき商売繁盛につながるといわれています。さらに『福を呼ぶ縁起の良い』鳥との呼ばれています。あなたにも、きっと幸運が訪れることでしょう・・・」
と書かれていました。



他に
井蛙内科開業医/診療録(4)
http://wellfrog4.exblog.jp/
(H21.10.16~)
井蛙内科開業医/診療録(3)
http://wellfrog3.exblog.jp/
(H20.12.11~)
井蛙内科開業医/診療録(2)
http://wellfrog2.exblog.jp/
(H20.5.22~)
井蛙内科開業医/診療録 
http://wellfrog.exblog.jp/
(H19.8.3~)
(いずれも内科専門医向けのブログです)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログです)
「葦の髄」メモ帖
http://yaplog.jp/hurst/
(「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版です)
があります。