どうする? 夏の体臭

昨朝、NHKの「あさイチ」で体臭の話をしていました。
ちょうど、朝食中でしたが、この番組は昨年の番組改訂以来「朝からっ?!」ていうテーマでグングン押して来ます。

以下、番組の内容。


夏 どうする?!オンナの体臭

7月に入り汗ばむ季節。
この時期気になる汗のニオイから、40代から増えてくると言われる「加齢臭」まで、体臭の予防と対策について特集しました。
まずは加齢臭。男性だけのものと思われがちですが、実は女性も40代から出てくる人が増えてくると言われています。
加齢臭の主な原因物質は「ノネナール」という、皮脂から出る物質です。
この物質は食事からの影響も大きく、おもに脂肪分の多い食事の後は皮脂腺から盛んに出るようになり、加齢臭が強まることがわかってきました。
番組では対策として加齢臭を弱めるとされる食品や、さらに衣類や枕カバーにこびりついた加齢臭の重曹を使った対策もお伝えしました。
そして、もう一つ気になるのが汗のニオイ。汗には臭いやすい汗と臭いにくい汗があることをお伝えしました。
そして、臭いにくい汗になるための汗腺トレーニングや、体臭の対策グッズの効果的な使い方についてお伝えしました。

加齢臭の主な原因物質「ノネナール」発生のメカニズム
加齢臭の主な原因物質「ノネナール」は40代以降になると増えると言われる物質です。
男女ともに40代以降になると皮脂腺の中の脂質が活性酸素によって酸化されてできる過酸化脂質が出来やすくなります。
また皮脂腺から若い頃には出なかった中高年特有の脂肪酸が分泌されます。この2つが反応することでノネナールは発生します。
皮脂腺は全身にありますが、特に頭、額から鼻にかけて、胸、ワキ、耳の後ろから首筋、背中にかけて多く存在します。
加齢臭の対策として皮脂腺が多い場所を泡立てた石けんでやさしく洗うことをオススメしました。
この時、加齢臭を防ぎたいと強く洗いすぎると皮膚を傷つけるので注意が必要です。

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食事で増える「ノネナール
リポーターから出る体臭を分析し、ノネナールの増え方について実験をしました。
空腹のときの体臭と、焼肉200グラムを食べた一時間後の体臭を比較したところ、体臭に含まれるノネナールの濃度はおよそ20倍になっていました。
専門家によると動物性の脂肪(魚を除く)を過度に摂取すると発生するノネナールの量が増えるということです。
その対策として抗酸化作用を持つポリフェノールを含む食材やビタミンC・E、そして食物繊維を多く含む食材を食べることをオススメしました。

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重曹を使った加齢臭対策
主婦を悩ませるのが衣類や枕カバーについて取れない加齢臭です。
その対策として、家庭で簡単にできる重曹石けんを使うことをオススメしました。

重曹石けんの作り方】
<材料>
重曹・・・2分の1カップ
・液体石けん・・・4分の1カップ

市販の重曹と液体石けんをボールなどに入れてペースト状になるまでゴムべらなどで混ぜ合わせるとできます。この重曹石けんを衣類の気になる部分(襟元や袖口など)に塗り、5分~10分程度放置します。その後、洗濯機で洗ってください。
また、大きなシーツや枕カバーなどの場合、重曹石けんをぬるま湯に溶かして、5~10分程度つけおきして、その後洗濯機で洗うことをオススメしました。

※場合によっては布が色落ちすることなどもあります。目立たない部分で試してからご使用ください。
また、肌が弱い人はゴム手袋などをご利用ください。

体から出る加齢臭の対策として、家庭で簡単にできる「重曹デオドラント」と、「重曹デオドラントスプレー」をご紹介しました。

重曹デオドラント】
<材料>
重曹・・・大さじ2
コーンスターチ・・・大さじ2
精油(ローズオイルなど)・・・2~3滴

重曹コーンスターチを混ぜ合わせ、そこに市販の精油を2~3滴たらしてしっかり混ぜます。
重曹デオドラントをガーゼなどに取り、耳の後ろや首筋など加齢臭が気になる部分に使用します。
この時、重曹は薬用や食用と書かれた、粒子の細かいものを選ぶようにしましょう。

※肌に合わない場合もあります。皮膚に赤みや刺激が生じた場合は使用を中止してください。

重曹デオドラントスプレー】
<材料>
重曹・・・1~2グラム
・水・・・200ミリリットル
精油(ラベンダーなど)・・・2~3滴

水に重曹を溶かし、そこに精油を2~3滴たらして混ぜます。
それを、スプレーボトルに入れて、加齢臭が気になる部分に吹きかけてください。
また、服の上から使用することもできます。
この時、重曹は薬用や食用と書かれた、粒子の細かいものを選ぶようにしましょう。

※肌に合わない場合もあります。
皮膚に赤みや刺激が生じた場合は、使用を中止してください。
また、衣類などの上から使用される場合は目立たない部分で試してからご使用ください。

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気になる汗のニオイ
汗臭さの原因の一つは、細菌が増えるときに出る細菌による皮脂や汗などの分解臭です。
皮膚には常在菌といわれる細菌が多く存在します。
普段は皮膚が弱酸性に保たれているため、繁殖が抑えられています。
しかし、ふだんあまり汗をかかないと汗がアルカリ性傾向になってしまい、汗が出ると皮膚の弱酸性が弱まってしまいます。
そのためアルカリ性の汗をかくと細菌が繁殖しやすくなって、時間がたつと臭いやすくなるのです。
臭いにくい汗をかくためにオススメしたのが五味医師による五味式汗腺トレーニングです。
熱めのお湯(43度程度)をお風呂に3分の1ほど入れ、そこに手足だけを10分~15分ほどつけます。
これを2~3週間続けることで汗腺が鍛えられ、臭いにくい、弱酸性の汗をかけるようになります。
さらに、汗腺を鍛えると体温を下げやすい汗もかけるようになるため熱中症の予防にもつながるといいます。

※始める前、最中にも水分補給をこまめに行ってください。
また、体調に不安のある方や高齢の方はお湯の温度を下げたり、時間を短くしたりして、体への負担を少なくするよう、十分注意して行ってください。

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開発担当者オススメ!ワキのニオイに長時間効果的な体臭ケアグッズの使い方
今、人気が出てきている体臭ケアグッズが、「ロールオンタイプ」と呼ばれる、直接ワキに塗るタイプのものです。
より長時間、効果を保つための方法として、まずウエットシートやぬれタオルなどで汗や皮脂をふき取ってから使用することをオススメしました。
また、ワキには汗腺が広く分布しているため、ロールオンタイプを使用する場合、広めに塗ること、さらに少しでも長時間効果を持たせたい場合は、ロールオンタイプのあとに、パウダーの入ったスプレータイプを使用する、“ダブル使い”をオススメする開発担当者の意見をご紹介しました。
一方、注意点として、汗を止めすぎると熱中症になる危険性もあるため、全身への使用は避けること、そして3日に1日は使用を控えてしっかり汗をかくようにするという、専門家の意見をご紹介しました。


「わきが」の見分け方
番組に多く寄せられたのが「汗をかきすぎるとわきがになるのか」といった質問でした。
答えは「なりません」。
そもそも汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」という2種類があります。
エクリン腺は全身にあり、緊張したときや、体温を下げるために汗を出します。
一方、アポクリン腺はワキに集中しています。
このアポクリン腺が多いとわきが体質だということです。

次の2点にあてはまる人はわきが体質の可能性が高いといわれています。

<わきがチェック>
1.汗じみが黄色い
2.耳あかがネバネバ

においがどうしても気になる場合は皮膚科などでアポクリン腺を取る手術を受けることも可能だということです。

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<関連サイト>
http://www.gomiclinic.com/
(ワキガ・体臭一筋のドクターもいるんですね)
http://www.cleanplanet.info/
重曹に関するサイトです)

<私的コメント>
体臭を気にする方はどのくらいいるのでしょうか。
香水の普及は、体臭を消すために発達したという歴史があります。
体臭と相俟っていい香りがするということはないのでしょうか。
日本では香水の文化があまり普及していません。
ちょっと考えてみたのですが、一頃より香水をつける女性は減った気がするのですがどうでしょうか。
昔はむせかえるような香水をつけた女性もいたような気もします。
もう少し考えてみたら、私自身がそういった女性のいる場所や女性そのものと縁遠くなったためとわかりました。
無臭の女性より、ちょっと体臭にほんのりと香水、の方が男性は魅かれるような気もするのですが。
これはあくまでも個人的な見解です。

さて、最後の汗じみと耳あかのお話。
私は二つとも該当します。
そして体臭も?!


出典 NHK総合テレビあさイチ」2011.7.4
版権 日本放送協会




読んでいただいて有難うございます。
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