神戸市の主婦、阪井弘美さん(69)は今年4月からこの新薬を使っている。
徐々に薬の量を増やしたが、1~2か月の平均的な血糖値を反映するヘモグロビンA1cは7~8%程度(基準値は4・3~5・8%)にとどまっていた。
そこで今年4月、主治医で神戸市立医療センター中央市民病院糖尿病・内分泌内科医長の岩倉敏夫さんから新薬「DPP―4阻害薬」の服用を提案された。
食後に小腸から分泌されるホルモン「インクレチン」の血中濃度を高める飲み薬だ。
食後に小腸から分泌されるホルモン「インクレチン」の血中濃度を高める飲み薬だ。
阪井さんはSU薬の量を減らし、DPP―4阻害薬を追加した。
するとヘモグロビンA1cは6%程度にまで下がった。
阪井さんは「もっと血糖値が下がるよう、運動もしっかりしたい」と声を弾ませる。
するとヘモグロビンA1cは6%程度にまで下がった。
阪井さんは「もっと血糖値が下がるよう、運動もしっかりしたい」と声を弾ませる。
DPP―4阻害薬以外にもインクレチンが酵素に分解されにくいように加工した注射薬「GLP―1受容体作動薬」も登場、治療の選択肢が広がっている。
だが、岩倉さんは「SU薬と併用する場合は、低血糖を起こす恐れがある」と注意を促す。
昨年1月、SU薬を服用する85歳の女性がDPP―4阻害薬を併用し始めたところ、3日後に低血糖を起こして意識障害に陥り、同病院に救急搬送されてきた。
女性は回復したが、その後、同様の事例がほかの医療機関でも相次いだ。
女性は回復したが、その後、同様の事例がほかの医療機関でも相次いだ。
そこで日本糖尿病学会は、昨年4月、SU薬を使う患者にDPP―4阻害薬などを追加する場合は、低血糖を起こす可能性があることを念頭に置き、SU薬を減量するのが望ましいと注意を促した。
中でも高齢者や腎機能が低下した人は重篤な低血糖を起こす危険が高いとした。
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